マシュマロの回答(持ち込み営業時、以前の経歴を伝えるかについて)

こちらのマシュマロの回答をツイッターで行ったものを、まとめて追記させていただきますね。まずツイッターでの私の回答から

端的に私だったら、包み隠さずに編集さんに伝えて、営業をします。なにがあったかも、どうして傷ついたかも話します。それをどう受け取るかは相手の自由ですが、もし私が言われる立場だったら、相手の言葉を信じたうえで、まずは最初に自分のもとで一作書いてもらってその作品で判断するからです。

マロ主さんがどんな価値を見いだして商業という場を選ばれているかは分からないのですが、ネット上でも商業と遜色ない作品がたくさん発表される時代となり、お金もその気になれば個人で稼げるようになりました。それでもなお出版業界で仕事をしたいのが私ですがそれは自分が小説に救われてきたから、その恩返しをしたい気持ちと、手軽には読めない場で評価されることで自身の技術を向上させたい、本物の面白い小説という極みにいってみたいという欲求があるからだと解釈しています。この面白い小説がなんであるかは、人によって尺度が違います。私の場合は伝わることや何度も読み返すことですが、わかりやすさが小説のすべてではないので、そこは個々で設定すればいいことと思います。(少し話がずれましたが)私はこのように多くの読者さんが見える場所でないと自分の小説の意味がないと考えるので商業小説にこだわっています。マロ主さんがこだわる理由がなにか、一度考えてみて、やはり商業でやりたい、と思われるのであれば営業はぜひすべきだと思います。そのうえで、私ならすべて伝えますが、それは私のことを、私よりも作品で見てくれる担当さんに出会うためにそうするつもりなので、出会えるまでは傷つき続けるかもしれないと思ってそうします。(傷つかないかもですけども!)

じゃあ傷ついてでもやるべきか? というと、そんな必要ないと思ってます。私はそうしますが、それは絶対に正しい答えではないはずです。傷つかないために、過去は忘れて、新たな一作を書き上げ、持ち込むのもありです。そのときは過去のことを詮索されないかわりに、手元の一作で判断されるというリスクを伴うわけですから、それも大変な勇気がいる行為だと思います。どちらにしろ、踏み出すのはすごく勇気がいります。私自身は、商業の場で作品を発表したい気持ちが強いのなら、過去のことを伝える伝えないかはあまり重要ではなくて、まずは踏み出すことが大事だと思ってます。

小説って筋肉と同じで、書かないでいるとどんどん書けなくなります。逆に、たくさん書けば、それがどれほど駄作に思えても、数が重なるほどいいものが書けるようになります。さらに、一本の商業作品を書くことは十本の投稿作を書いたのと同じくらいの成長ができる、ということが往々にしてあると思います。もちろん例外もありますが、大抵は何度も修正したり、あるいは多くの人目に触れて落ち込む評価をもらったり締め切りまでのメンタルコントロールなどの複合的な経験が、ものすごいスピードで成長させてくれるというのが私の実感です。なので小説を書きたい、こんなことを伝えたい、というお気持ちが生きてらっしゃるなら、できるだけ早く現場に復活し、前線で戦うのがいいと私は思うので、まずは営業していくのがいいかと。そしてべつに一カ所ではなく何カ所にでもできるので、今度はご自分で編集部を選んでみてもいいのではないでしょうか。信頼できるかどうかは関わってみないと分かりません。

傷つけられて小説の邪魔になるというのなら、あとからお別れして新しいところで書くこともできると思いますし、同じ編集部内の別のかたに担当替えをお願いしてもいいと思います。マロ主さんの作品は、マロ主さんしか書けないし、辛い経験や悩み、今抱える葛藤や悲しみは、深いところでマロ主さんの作品を育てていると思います。今の苦悩がマロ主さんの作家性として作品に出てきたら、どんな編集さんでもうならせる素晴らしいものが書けます!そうしたらもうどこにだっていけると思います。勇気を出すのは一番難しいですが、マロ主さんの作品を守ってあげてほしいなと思います。それはそれとして今や商業にこだわらなくても発表できる場はあるので、一人でなんでもやったるわい!というのも一つの手段だと私は思っています。傷ついて自信をなくされていることでしょう。けれど、自信のない人、傷ついてる人からしか、生まれないものはあり、その作品でしか救えない人もいますから、ご自身を大切に、作品を大切に、行動されてみてほしいです。動いた自分のことは、動かないでいる自分のことよりも、何倍も何百倍も愛せると思うんです。えらそうにすみません。私の意見が合わないぜ!と思ったら、どうぞ忘れてください。お優しい励ましも、嬉しかったです!

あ、ちなみにちゃんと覚えてますよ!質問箱くださったかたですよね。ずっと悩まれているんだなあと胸が痛みました。ご自分を愛してくださいね。わたしは素直なマロ主さんのお言葉、どれもとても優しくて愛しい方だと思いましたよ!

といっても私は作家でしかないので、編集さん側の意見を聞かれるほうがためになるだろうなあ。そのへん分からないので申し訳ない。私の編集さんたちは、「事情は分かった。とりあえず書いてみて」って人たちなので良い編集さんには、たぶん話しても話さなくても同じだという気がしてます。ただ良い編集さんは、こういう経験があって、と話すとそこはすごく気をつけてくれるというか、優しくなるとかいうより、そういうことがあったことを忘れないでいてくれる、って感じだと思います。編集さんの前に人として思いやりがある方というか。そんな方と出会われるのを祈ってます……!

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な、長いなあすみません。あとからフォームメールをいただき、なるほどなあと思いました。とても長年苦しまれてるみたいで、よほど傷つかれたのだなと胸痛みました。トラウマになってらっしゃるんですね。私もパワハラ受けたことあるので(OLのときですが)結構苦しみが長引いたので気持ち、よく分かります。というか私にとったら大先輩ではないですか。なんだかえらそうにすみません……。

ただいろいろ落ち込まれていると、判断が鈍られるかもしれないので、一意見として聞いてくださればと思います。

あと補足なのですが、私もすべて伝えるとはいっても、最初のエンカウントのときにはとりあえず送るだけにして、「じゃあ一度プロットを」とか「じゃあ一度お顔合わせを」みたいに、関係が一歩進んで、これから先お仕事できるかも、となった段階で、お話します。トラウマとか怖さって、なんか自分で乗り越えるしかないので言っても仕方ないし相手になにか期待しないほうがいいと思うんですけど、ただ良い編集さんて仕事が進まない状況になったときに、あこの人はああいう経験があるって言ってたな。もしかしてそのせいかな? というふうに思い出してくださるものと思います。まあ思い出してくださることを期待してはいけないのですが。

なにが言いたいかって一発目の接触では話さないでいいと思うので、二回目の、次の人間関係のステージに進むときに、判断すればいいと思うんですよね。話したいなら話せばいいし、いやだなと思ったら伏せておけばいい。普通の人間関係と一緒に考えていいかなあって。

だから営業してから考えたんでいいんじゃないかって私は思います。初めに、こういうPNで仕事してました、と言うのはべつにマイナスにならないと思います。マロ主さんが本当に問題行動起こしてたなら隠したほうがいいですが、そうじゃないなら大丈夫です。風評被害とかあるかもしれないと懸念されるかもしれませんがパワハラをするような編集者さんは問題あるかたとして知られているのでまともな人は鵜呑みにしないと思います。鵜呑みにされてるかたとはそもそも仕事したくないですよね?

あとは性格の問題だと思うんですね。いってしまったほうが楽か、隠しておくほうが楽か。私は自分が性格的に全部喋ったほうが楽なので話します。マロ主さんも素直なお方のようなので、話した方が性分的に楽なのでは?と思ったのですが、隠しておくのが苦にならないなら全然言わなくてもいいです。

なんというか、どちらでも、なにを選んでも、大丈夫だって思います。最後は作品です。作品しかないです。作品でしか語れないので、いいものを書けばなんとかなります。もちろん推してもらえるかとか宣伝の仕方とかいろいろあります。でも、もしそこであまり見てもらえなくてもどこか目利きの編集さんが見つけ出してくれると思います。絶対に大丈夫です。作品さえいいものを書けば必ず道は拓けます。作品が、運を連れてきます。幸福を呼びます。もしかしたら、以前書いたものだって真剣に書いた、でも駄目だった、と思われるかもしれません。でも以前書いたものも、そしてこれまでの深い苦しみも、あったからこそ書ける次の一作が必ずあります。なければ書けなかったものがあります。必ずそうです。誰にだってそうです。その人にしかそれは書けないし、マロ主さんの作品を一番上手く書けるのはマロ主さんですから。そんなこと、もう十分分かってらっしゃると思いますが……!

これだけ悩まれたんです。苦しまれたんです。ものすごく重たい一歩だと思います。その一歩を踏み出せば、必ず良い方向に向かうし、逃げなければいいものが書けます!

挑戦されるとのことなので、いつかお仕事でお会いできるのを楽しみにしています。

ただここに書いたことは全部私の主観なので、違ってたらごめんなさい。私はそう信じて生きております。

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