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京都暮らしエッセイ

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京都が大好きで、京都に暮らし始めました。ささいな暮らしの中で感じること、街歩きのエッセイを集めています。
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2024年4月の記事一覧

京都暮らし、晴れた日の朝活│左京ワンダーランド

「明日は晴れだ」 天気予報を見て、大きな晴れマークがついているのを確認するのは、私が幸せを感じる事柄のひとつだ。次の日が休みであればなおさら。 というのが、「明日は晴れだ」ということを確認してからの、脳内の動きだ。やっぱり晴れだったら出かけたい。でも暑いのも人が多いのも苦手だから、朝早く出かけよう。そう考えてから、軽い計画を立てる。ああ、計画を立てて明日の過ごし方を妄想するだけで、楽しい。 そして、今日。朝から雲ひとつない青空!日中は暑くなるとはいえ、朝の気温はまだ20

桜から新緑へ。季節の巡りをこの目で観察すること。

京都の多くの名所では桜が散り始めていて、少し寂しい。せめて少しでも春を長引かせようと、今まさに満開の場所を探てみる。そこで、妙心寺退蔵院の存在を見つけた。ちょうど大きなしだれ桜が満開だそう。退蔵院であれば自転車で行ける。今日は晴れだし暖かくてちょうどいいだろう。よし、行こう、と朝に決めて退蔵院へ向かった。 境内を歩いてすぐに飛び込んできたのは、とてつもない大きなしだれ桜。薄ピンクの花を咲かせて、青空をバックに堂々たる姿で咲き誇る。 桜の好きなところは、否応なしに上を向かせ

京都暮らしの春巡り。近所の名所・東寺と六孫王神社を定点観測

京都には本当に多くの桜の名所がある。どこに行こうか、どのように過ごそうか。選択肢はたくさんある中で、逆にたくさんあるからこそ、途方もない気持ちになり、選択疲れに陥ってしまう。 去年の桜の時期はというと、鴨川(賀茂川)でひたすらピクニックをしていた。お寺や神社を巡るわけでもなく、ただ目の前の景色をうっとりと眺めているような。 今年はどのようにして過ごそうか。引越した関係で、大好きな鴨川が遠くなってしまったし、観光客が例年以上に多い今年はなかなかゆっくり過ごすことはできないか

春の京都の片隅を歩く。桜の行方を追いかけ彷徨う日には

4月1日。新生活にドキドキしたり、そうでなくてもなんとなく背筋がピンとしたり。フリーランスで特に環境に変わりはない私ですら、「新しい区切りだな」と思えるこの時期が好き。4月1日、桜の開花も進みつつあり、そして京都の天気予報は大きな晴れマーク。いいスタートを切るためにも、始まりにふさわしいこの日を、桜巡りDayに充てることとした。 気づいたら、1日で10キロ近く歩いていた。歩こうと思って歩いたわけではなく、桜を追い求めていたら、歩いていたのだ。バスは混雑していてあまり乗る気に