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実際住んでみての感想。北欧は福祉天国?スウェーデンは夢の国?

完璧な国なんてない。これは私がどこに住んでも思うことだ。メディアでスウェーデンや北欧のライフスタイルが注目されている中、これだけは言える。実際住んでみれば、良いところも、そうとも言えないところも両方ある。だからこそ、日本は日本人が思っているほど、悪くない。


福祉天国?

福祉天国と言われる北欧だけど、所得税が高額所得者になると60%近くなる。しかも高額所得者とみなされるのは1000万超えるか超えないかくらいだ。恐ろしいほど給料から天引きされる。私は初めて給料明細を開けた時に、正直キッチンカウンターで震えた。
「税金をこれだけ払っているのだから、教育は無料で当たり前だ。」とスウェーデン人は思っている。60%も持っていかれるので、高額所得者はスウェーデンを居住先にしたがらない。特に東京やロンドンに見られる、若くてシングルの高額所得者は他の国に引っ越してしまう。子供も介護する人もいない人達は、恩恵を感じる時が少なく、税金だけ持っていかれる印象を受けるからだろう。ちなみに就労ビザの外国人納税者が、無料の教育の恩恵を受けようと思ったら、 4年間の納税が必要だ。もし私が無料の教育を受けられるようになった際には、修士や興味のある科目をがんがんとって、元をとりたいと思っている。

オフィス環境?

私のオフィスで子供がいるのは当たり前の光景だ。子供は普通にyoutubeを見たり、絵を描いたり、はたまた、お手伝いとしてコーヒーを持ってきてくれたりする。スウェーデンで働き始めた時、上司に「今日はFamily Dayなの?」と真顔で聞いたのが懐かしい。(アメリカでFamily Dayとして家族が職場見学できる日がある)そう、子供を連れてくるのは当たり前だ。上司に許可もいらない。学校がないから、ちょっと具合が悪いから、なんとなく、理由は別になくても。子供がオフィスにいても、特に仕事に影響はなく、子供も当たり前のような感じで、うまいこと寛いでいるのを見ると、大人にとっても良いことだけど、子供にとっても働く大人の近くにいるのは良いことだなと思う。子供は手が空いてる人がちょくちょく話かけて様子をチェックしつつ、レセプショニストの下で見習いさんをしていることもある。子供がいると私も和むし、どんどん連れてきて欲しい。


年金?

日本と同じで、スウェーデン人だって将来は不安だと思っている。年金だけだと頼りないと若い世代は思っている。そのため、多くの人は少額投資の銀行口座に貯蓄している。保険会社の営業の人、友人、ルームメイトに至るまで、口々に開設を勧められた。ただ日本人と違って、まだスウェーデン人の多くはこの年金システム自体の将来には疑問を持っていないので、ちゃんと税金を払って、ある程度貯蓄しておけば心配はない位の気持ちだ。
ちなみに、日本とスウェーデン間の年金相互の協定は合意されたが、執行されていない。この協定が執行されていると、海外の国でその国の年金を払っている日本人が、日本に帰国した際に、その国の年金も日本で払っていた期間としてカウントされる。しかし、協定が執行されていないので、スウェーデンで年金を払っている期間、日本の年金では海外転居による空白になってしまう。(任意で年金を継続することは可能) はやく協定を執行して欲しいところ。


医療?

医療が無料。というのは本当の話だけど、無料ほど大変なものはない。ヨーロッパの多くの国がそうであるように、医療システムは日本人の感覚から言うと、きつい。東京とストックホルムで入院したけれど、ストックホルムの救急で6時間待ったし、日本のようにお医者さんに行こうと思って即日行けるようなシステムになっていない。無料だからこそ、そういう思いつきの受診ができないようなシステムになっている。受診の流れとして、地域のかかりつけ医にコンタクトを取り、紹介されてから専門医にかかり、日本で1日で終わるであろう検査の結果を2週間後に聞くような感じだ。そして、日本人の血管はこちらの人に比べて細いのか、採血時に幾度となく刺される。子供用の点滴針をお願いしてやっと刺さる、これもこちらから主張しないと、痛い思いをする。医療関係者の日本での大変な労働環境を思うと、どちらのシステムが良いと言うことではないけれど、もし将来私が大きな病気になるようなことがあれば、私は日本に帰ると思う。それに入院中、私は男性と相部屋だった。大したことのない病状だったのでしょうがないけど、お兄さんのイビキが大音量でつらかった。


育児休暇?

北欧を有名にしているのが、なんといっても育児休暇の長さ、そして父親もストレスなく取得できる柔軟性だろう。でもこれだけは触れておきたい。同僚の男性は「育児休暇の取得の交渉が億劫だ。嫌な顔されるもん」とランチで言っていたのを私は聞いた。もちろん、その男性は無事に育児休暇を半年取得して、本当に素晴らしい機会だったと言って職場に復帰したけれど、スウェーデンでも実際はそんな感じなのかと逆に驚いたものだ。父親がベビーカーを押しながら公園にきているのをストックホルムでは良く目にする。どの国でも育休は、誰であろうとどんどん取得してもらいたい。


保育園問題?

日本と同じで、競争率の高いエリアに住んでいると、出産からすぐに保育園関係の書類を出しておかないと、後から大変な思いをするというのを友人に聞いた。提出がギリギリになってしまった親の子供は、遠くて通いにくい保育園なんかに通わざるおえないらしい。この問題は私があくまで聞いた話なので短く触れておく。


(あくまで私の体験と知識の話なので、詳細は要リサーチ)
他にもこんなこと知りたいなど、リクエスト承ります😁

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