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紙と印刷から地球を救う|紙・印刷・デザインから見るサーキュラーエコノミー

この1〜2年で、まさにサーキュラーエコノミーフリーク🙋とも言えるほど、国内外含め様々な地域・自治体・企業におけるサーキュラーエコノミー事例や魅力的なプロダクトを見漁ったり、実際に生活の中に組み込んで使いながら学んで見たりしています。

(もう仕事ではなく、完全に趣味の域です笑)

ただ、日本ではまだまだ浸透していなかったり、事例も少ないので、もっと日常的に取り組めたり、日々の選択から課題解決ができないものか...と考えていました。

そこで...! 普段私たちが無意識にも目にし、使っている「紙」「印刷」「デザイン」からサーキュラーエコノミーを紐解けないかと企画しました、このイベント!

紙と印刷から地球を救う
私たちがいつも使う「紙」、
そしてペーパーレスと言われてもデザインをしたり文章を書いたり
「印刷」をすることはまだ私たちの生活から
離れてはいない。離れることはないようにも思う。

だからこそ、私たちは、紙の選択や印刷の方法で
少しでも地球環境にいい選択はできないだろうか──


私は基本的にはペーパーレスにしたいので、自分の団体や会社は全てGoogle docsで議事録も提案資料も準備し共有していますし、メモはEvernoteで完結しているので自分からは紙はほぼ使いません。

しかし、イベントや企画をする際に参加される方にできるだけわかりやすく情報を伝えるためにとパンフレットやフライヤーなどを製作する選択しを消せずにいるし、自治体や国・企業とのお仕事の時は資料を全部印刷されてしまって(断ってるのに)配布されたり、請求書・領収書は紙で印刷して郵送することが条件になっていたりと、自分の管理外になるとあっという間に「1度しか使わない紙」で溢れてしまいます...


(いつになったら無駄がなくなるの...!)

(もう...!)


印刷のプロと一緒にサーキュラーエコノミーを考えてみることにしました

そこで今回、以前「津波防災カードゲーム FLAGO」を製作する際に、できる限り地球環境にいい紙・印刷になるようわがままをとことん聴いてくださった印刷のプロ、伸和印刷株式会社の代表であり元IBMの仲川文隆さんとともに紐解くことに!

(これを作るときにこだわったのは、地球環境にいい紙であっても、印刷のタイミングで漂白などをして廃水による水質汚濁も極力防ぐことや、クラウドファンディングで欲しいと購入した人分しか作らないことで無駄な製作コスト・プロダクトのないようこだわりました!ふふ)


会場は弊社morning after cutting my hairも入居している、アウトドア好きが集まるコワーキングスペースMAKITAKIにて!


印刷に関わる4つの環境問題

「印刷」に関することで、すぐにイメージできる環境問題になりそうなもの...といえば、印刷ミスなどで発生する「紙ゴミ」への対応なのではないでしょうか。

しかし、実は印刷をする工程の中でもいろいろと環境への影響があることを知っていますか?大きく分けると以下の4つ。


紙の生産量は世界全体で年々5%ずつ増加し(日本では生産量が減っているらしい)、2,017年の需要に必要な森林面積130万ヘクタール。それは全森林面積の0.03%にあたります。

これが毎年増加していると考えると、その分CO2も増えるし、私たちの地球に存在する森林はいつか無くなってしまうことがわかります。(紙パ技協誌 第53巻 第4 号による) 

ちなみに、『A4チラシ コート90kg 両面カラー』で印刷した場合の二酸化炭素排出量は、1,000枚刷った場合CO2を約12kg排出されるそう。

12kg = 紙の生産におけるCO2排出:10kg+印刷におけるCO2排出:2kg
※紙の重さは1,000枚で6.5kg


紙の重さの2倍以上のCO2排出を、その生産・印刷の段階で起こしてしまっているそう...(なんと...!)



印刷を通して環境に配慮するポイントはこの4つ

どれだけつくるか、どんな紙をつかうか、どんなインクを使うか、どんな印刷方法を使うのか──

私たちは、一つの印刷、一つのデザインをする段階で、ここまで考えていただろうか...


紙は次に使うまでに「漂白」「分別」が必要

いつも使っては捨てて、また使っては捨ててを何も考えずにやっている人も多いだろう「紙」。

実は、私たちが普段使っている白い紙にリサイクルできるものはかなり限られ、多くは板紙(厚紙)やダンボールになります。洗浄するたび繊維が短くなるため、リサイクルするにも限りがあるそう。

白くするためには、漂白が必要で、漂白をすることにより繊維が弱くなり、紙にリサイクルできるものは2回程度。ダンボールへのリサイクルで8回程度と言われています。(そうだったんだ...!)

特殊なインクを使っていたり、特殊な加工がされている紙は白い紙には戻りにくく、リサイクルしにくい。だからといってリサイクルしやすい紙ごとに分別する人も少なければ、分別しても回収がまとめられてしまったり、現実的に難しいからこそ、もうそもそも進出を下げる事も考えたり、プラスチックのように紙ごとに分別の刻印を押すなど仕組みが必要なのかもしれない


一般的に、私たちがみかける「印刷用の再生紙」に入っている古紙率は20%程度のみ。じゃあなんでもっとリサイクル率が高いものが出ないのだろう...


なぜリサイクル率が高い紙があまり出回らないのだろう

消費者である私たちがゴミの一切ない真っ白い紙を求めるから。

...と、その紙を使う企業が思っているから..


私たちが無意識に選択してしまっていることが、企業がそれがニーズだとおもい選択し、多くの企業がその選択を取ると国全体の動きになる...

これも一つの政治的・教育的な日本の課題であり、日本が様々な社会課題において犯してしまう一種の「資本主義的な癖」なのだろう。


デザインの段階でできること

実は印刷のその前、デザインの段階でできることもたくさん!デザイナーのみなさーん!きいて〜!!!

01. 薄い紙で・小さいサイズで・少ない部数で作る事
02. 微妙に大きい規格のサイズのものを作らない
印刷するのに無駄な部分おおく印刷しちゃう人いるよね〜。

03.リサイクル品質を下げるデザインを避ける
印刷の素材が良くても、糊で貼られてたり、加工しまくったデザインにしてしまったりするとリサイクルしにくい...

04.インクの利用量を減らす
そもそもベタ多用するの、本当に必要? デザインは「simple is best for us and earth」じゃない?


<おすすめ>環境にいい紙はこちら!

そんな中で、いろいろと時と場合にもよるけれど、おすすめの環境にいい紙はこちら!ぜひ参考にされてください〜!

そして紙そのものの色によっても、リサイクルのしやすさが変わるので、ぜひこちらもご確認を!


<おすすめ>環境にいい印刷方法はこちら!

印刷の仕方もこんなに選択肢があるんです!紙の選択だけでなく、印刷方法も選んでみては?


<おすすめ>環境にいいインクはこちら!

原料の確保から印刷への利用・インク自体のリサイクルや廃棄までのトータルのフローで見たときにどれが一番環境にいいかというのを決めることは現状では難しい...けれど、現状おすすめできるものはこちらとのこと!


ヘルシープリンティングをしよう!

印刷業界で環境に配慮した印刷工場を認定するグリーンプリンティング認定制度があるので、印刷工場からこれを基準に選んだり、

印刷における有毒物を無くし安全性を高め、リサイクル品質を高めていくことを目指し、ユーザーと印刷会社でともに改善していく協力体制をつくったり。


私たちがまず選択し、行動を起こし、効果をだし、魅力を伝えよう!


参加者も印刷のプロや志高い人がたくさんいらっしゃいました!

参加された方の中で、印刷の全国ネットワークをつくり、印刷の地産地消をすることで輸送コストを減らし必要なものを必要なぶんだけ出そうというスタートアップgoofや

紙を多く輩出する会社だからこそ何かできないかと参加した方、学校の事務職員として学校で配布する紙の量を懸念する方、環境に関心のある大学生、エシカルファッションのお店を運営しながらもサーキュラーではない部分の改善を検討する方など...


それぞれの取り組みをも面白くて熱い(暑い)夜になりました!

あー楽しかったなあ。なにしようかなあ。





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