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男に間違えられる

私は生まれた時から女性である。
40目前の今現在まで、特別強い性への違和も、感じたことはない。
しかし、私の記憶にある限りでは、10歳頃から校則や式典などへの参加で「穿かされた」以外、自ら選んでスカートを穿いたことはほぼない。今現在持っている喪服やスーツも、全てパンツスタイルである。中高生の頃、コスプレをしたいと思っていたキャラクターは男性キャラだったし、可愛い同性の友人にドキドキしたこともある。
女性らしいフリルのついた服やアクセサリーなどを身につけたいと思ったこともあるが、広い肩幅、厚い胸板、大きな顔、ショートヘア…という、いかつい見た目で、どうしたって似合わないということを自認したのである。

そして、格好がボーイッシュになったことで見た目問題には拍車がかかり、子どもと関わる今の職場では、新規立ち上げから2年しか経っていない現時点で、2人の子どもから「パパ」(←既にママですらない)と呼び間違えられたり、はっきりと「笙真さんて男みたい」と言われた。しかもどちらの子も、「たまたま一度間違えた」わけではないのである。
前者の子は、小学2年の男児。スタッフを男女別に分けて、「女の人は嫌ーい、男の人は好きー」と、言葉遊びの延長のようなことをしていたのだが、その時にも、私はまさかの男性側に分類されていた。まあ、「好き」に分類されたことは単純に嬉しいのだが、うーん…何かちょっと複雑。
そして後者の子は小学2年の女児。この子の発言の方がよりリアルで、実はこの子の学校のクラス担任は、「見た目は女性、名前(生まれた性)は男性」のトランスジェンダーなのである。クラスの子どもたちは先生本人からもそのように説明を受けており、その事実をきちんと受け止められているのである。
そういう人もいるんだと分かっているだけに、私を男性だと思うことは完全に誤解なのだと、逆にどう伝えていいのか考えあぐねている。
正直、自分でも男っぽいと思うことは今までの人生でも何度もあったし、それを言われることで私が「傷ついている」わけでもないところがまた厄介で、分かりやすいところから「おっぱいあるから女だと思うよ」…なんて、苦し紛れのことを言ってみたが、「それは太っているからだよ」と一蹴され撃沈した…。

これは由々しき事態。
子どもは容赦ない。でもそれは、飾らない本心であるとも思う。自分の気持ちも言葉で正しく言い表せないような年齢の子どもが言うことは、むしろ本心に近い本能であると思う。
何故、複数人に、しかも複数回にわたって男性だと誤解をされるのか、自分なりに考えてみたのだが、見た目の問題、声が低いというような表面的な問題だけでなく、子どもたちとの接し方が、もしかしたら男性的なのではないかと思う。「あれしなさい、これしなさい」というような(いわゆる母親的な)小言を言わない、体を使ってダイナミックに遊ぶことが好き…などなど。考え方も、わりとサバサバしているというか、「男っぽい」というよりは、「女っぽくない」のだと思う。
結論としては、私は子どもに男と思われようが女と思われようが、そこはさして重要ではないと思っており、そのような見た目の問題ではなく、子どもにとって安心できる存在、心を許せる存在でありたいと思っている。
そしてそれと同時に、ジェンダーについての問題や課題がようやく取り沙汰されるようになった昨今、私自身も積極的にこれらの問題について考えていきたいと感じている。

単なる興味関心でLGBTについて知りたいと言うと、冷やかしや偏見に取られかねないが、「私」という存在はこの世に一人であり、それがどう分類されるかなんて、他人が決めることなのである。
私は私でしかない。
その「私」という個人が世界中にたくさんいて、一人として同じ人間はいないし、「私」の人生を謳歌する権利は「私」にだけある。
何を好むか、
誰を好むか、
何を欲するか、
何を信じるか…
全ては、「私」自身のみが決めうることなのである。
私は、世界中の「私」個々をたくさん知りたい。他人を知れば、それだけ視野も心も広くなるだろうと思っている。
病気、障害、貧困、人種、民族、宗教、国…
全てにおいて、人は皆生まれながらにして平等である。
という世界を、心から望んでいる。

…話が大きくなりすぎた。
私は単純に、LGBTについて、今よりもっと色々知りたい。ただそれだけである。
中学生の頃に友人から借りた、BLマンガ。
それが、私が同性愛というものを知るきっかけだった。
単純にBL作品は今でも好きだし、むしろ男女の恋愛モノには、ある時期から嫌悪感を抱くようにもなった。自分の嫌なところを見せられているような気分になって、鳥肌が立つ。
ただそれが、娯楽としてだけの意味ではなく、実際にそのように生きている人たちがいるのだと次元をリンクさせることで、私の興味関心の視野は格段に広がった。
これからも、そのような視点は忘れずに持ち続けたいと思っている。




#ジェンダー #トランスジェンダー #LGBT #見た目問題 #こんな社会だったらいいな #放課後等デイサービス

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