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ヘルプマークに関する私的見解。

皆さんは、このマークをご存知でしょうか?

「ヘルプマーク」と言って、目に見えない障がいがある人(例えばペースメーカーを入れている人、人工膀胱・人工肛門保有者(オストメイト)など)が「私には障がいがあります。困った時には配慮をお願いします」という意味でつけるマークです。
今は駅などで簡単にもらえたり、電車やバスの中にポスターが貼ってあったりと、だいぶ普及されて、見かけることも増えたのではないかと思います。

私も内部障がい者で、ヘルプマークを持っています。持っていますが、私は普段、鞄にはつけていません。
実際そのマークをつけている人にどのような配慮が必要なのかというのは、病気や障がいの種類によって人それぞれです。ヘルプマークを街中で見かけることは増えてきても、おそらく一般の人が思いつく配慮は、「公共交通機関で席を譲る」くらいではないでしょうか。それは自治体や、鉄道・バス会社が、優先席にこのヘルプマークを使って世間に周知したからだと思います。「ヘルプマークをつけている人には席を譲らなくてはいけない」というイメージが先行してしまったように思います。
私は、自分の障がいが原因で体調不良を起こすことはほとんどないので、外出時には一般の席に座りますし、席が必要な方がいれば譲ることもします。ヘルプマークをつけていることで周囲に気を遣われるのが、逆にこちらも気を遣ってしまうので、普段はつけずに歩くようにしました。
では逆に、私がヘルプマークを使うのはいつなのか、ということですが、私は膀胱機能障害があり、トイレに入っても尿が出るまでに時間がかかったり、自力で排泄しきれない尿が膀胱に溜まってしまうため、定期的にカテーテルを使って溜まった尿を出さなければなりません。その際に、多機能トイレを利用します。個室内にカテーテルなどを洗える水道が必要だからです。
しかし、「見た目は普通」な人が多機能トイレを使うことには、まだまだ世間の人たちの周知の低さが伺えます。なので私は、多機能トイレを使う際のみヘルプマークをバッグにつけたりするのですが、それでも、トイレから出てきた時に不審な目で見られることの方が多いです。
そもそもは、トイレに入るためだけに気を遣ってヘルプマークをつけなければならないというのも、おかしな話なのですが。

そしてこの記事を書いている最中に、まさにコレ!というネット記事を見つけました。

ヘルプマーク、親戚に睨まれた

この記事の方のご親族は、いかにも昔の、頭が固い大人です。
私の祖母も、こういうタイプでした。
時代が変われば人も変わるか、というとそうでもなくて、私の兄弟の中でも、一番下の弟だけは、タクシーに乗る時に障がい者手帳を見せると割引になるのに、「わざわざ見せなくていいよ」と言ったことがありました。その裏には、「自分の身内が障がい者だなんて恥ずかしい」という気持ちがあったのかもしれません。
そして母は母で、私に対してや世間一般の障がい者に対して、さも理解している風に「かわいそうねー、大変ねー」と言います。その裏には、「うちの娘も本当に大変だったけど、立派に育てたのよ」「だから誰よりも障がい者の気持ちは分かるのよ」と、大変な自分を見てほしいような響きを感じます。
もちろん大変な思いをして育ててくれた母には感謝しかありませんが、「=障がい者を理解している」とは違います。
私は、24時間テレビや、パラリンピックに、正直何の興味関心もありません。でも母は、そういうものを好んで見ようとし、「こんな大変な障がい者のことをテレビでやっていたのよ。あなたはまだ恵まれている方だと思わなきゃね」とか、「障がいがあるけどこんなことに挑戦して偉いわね」と涙するのです。あと、「障がい者の世話をする仕事なんかに就いて偉いわねー」も言われてモヤっとしますし、それを自慢げに人に話す母の気もしれません…。
そんなのは私からしたら「はあ?」と思ってしまうわけです。
程度の差はあれど、障がいがあるということは健康な人よりは元から生きづらさを抱えて生まれてきているわけで、そこに順位や違いなんてないし、挑戦することには、障がいの有無なんて全くもって関係ないのです。それに別に、今の仕事に関しても障がい者の「世話をしている」なんて一度も思ったことないんですよ…。うちの母はそんな理解している風にうちの夫にも仕事の話を振って、「新しい職場の利用者さんはもう“懐いて”くれた?」と言い、「大人に対して懐くって何だ、犬子どもか?」と夫がとても気分を害したこともありました…。
イタい母親でこちらが恥ずかしいです…。

でもこれって、どうしたらうまく伝わるのか分からないし、言葉ではやはり伝える内容にも限界があると思って、最近は諦めました。
本当は現場でたくさんの障がい者と関われば見方も変わるかと思うのですが、私の仕事関係のところには正直入ってもらいたくないし、母親自身も、そこまでは勇気もないようです。
障がい受容って複雑で難しいんですね…(←人ごと)

ヘルプマークをよく知らなかった方には、これを機会に「色んな人がいるんだなー」と知っていただき温かい目で見守っていただきたいです。

あと完全に余談でグチっぽいですが、杖をついてゆっくり歩いている高齢者の方…あなたはヘルプマークいらないと思いますよ。あなたのお姿なら、誰もが席を譲ります。(・Д・)ノ
それと、杖を持ってエスカレーターの右側を駆け上がっていった若いあなた…あなたには杖いらないと思いますよ。(・Д・)ノ
そして、全くの手ぶらで、髪の毛を整えながら駅の多機能トイレから出てきたチャラいお兄さん…あなたが多機能トイレを必要なふうには見えませんでした。本当に必要な人が待っています。(でも私もこう思われていることがあるのだろうと思うと複雑…)


#ヘルプマーク #内部機能障害 #膀胱機能障がい #オストメイト #障がい者差別

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