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たべるものとすむところ

『東京好きじゃない』って横浜の人間はよくいうのだけど、大都会の真ん中に昔からの定食屋なんか当たり前にあって、都内って懐深いなと思う。ちょっと東京いいなって思い始めてる昨今です。

食を仕事にしている立場だけど、昔から「ご飯はお家でお母さんが作るべき」というのはほんとにひどい話と思っている。

今でこそだいぶ変わったけど、ひと昔前は結婚したら当たり前のように料理は女の仕事で、今もその風潮は根強い。

結婚したらもれなく3食料理を作る仕事必須なんて、苦手な人にしてみたらこんな辛いことはない。「料理が苦手だから苦痛で仕方ない」というお母さんたちたくさんいた。しかもそんなこと言いづらく、本当に気の毒だと思った。

料理好きな人も「自分がやらねば」という義務感で疲弊してる。予想不能な行動を取る小さな子に翻弄されながら「夕飯どうしよう〜」と心で叫んでいるママ、あれじゃ好きな料理も嫌いになるわ。

お母さんだって、料理はしたい時、気持ちの余裕のある時だけやればいいだけのことです。

なんでそれが日本ではできないのか。

人間食べないと生きていけないし、心と身体の健康を維持する健全な食事を誰が担うのかって話しである。

安くて安心して食べられる料理を提供してくれる店が近くにあれば買えばいいのだけど、これが難しいところが変なのだ。

特に中食は壊滅的と思っている。機械で作る大量調理、セントラルキッチン、保存料・防腐剤、作ってから長時間おかれた食べ物。残念ながらおいしいわけがない。

わたしも疲れたからなんかてきとうに買って帰りたいと思うことはしょっちゅうなのだけど、コストバランス含め、買って帰りたい、食べたら満足できそうと思うものがなくて、結局買えない。ご飯と納豆のがましといつも思う。

おいしく安全で手軽に食べられる定食屋や惣菜屋がある街はQOLがぐんとあがる。これからの街づくりはもっと食にフォーカスしてほしい。良い料理を作りたいと思っている人は多いんだけど、ちゃんと売上があがって店も客もハッピーな飲食店て、もう個人では難しくて資本が必要と思ってる。

長く愛されている店が高齢化や経営難で閉店していく話は枚挙に暇がない反面、若いベンチャーの嬉しいチャレンジも実はたくさんある。

そしてやっぱりこういうのって東京なんだよね。3歳で東京を出てる自分。も少し歳取ったら戻るかもしれないなと思うのです。

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