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なぜコンテストに応募するのか

私は今、
ちょっと変わった高校の保健室で働いている。


生徒たちのほとんどが、年間数回のコンテストに挑戦するような学校だ。


私は、写真家として活動しながら、
高校で養護教諭(いわゆる保健室の先生)をしている。


去年、コンテストに何度か落選し、

今年になって、応募する意味を見出せなくなっていた。

もちろん、入選すれば実績になる。
自分の力を試すいい機会にもなる。


しかし、
賞を取ることだけに囚われて写真を撮っているようになってしまい、
自信を無くして、本末転倒になっていた。


1学期のある日、生徒に聞いてみた。

「なんのためにコンテストを受けるの?」


その生徒は、
少し考えてから、
「先生、面白い質問をするね。」と前置きして、
自分の考えを話してくれた。



「もちろん、実績になるとか、副賞が魅力的とか、そういうのはあるよ。
でも、一番はさ、今まで見えなかった世界が見たくなるからかな。」


見えなかった世界?と不思議な顔をしていると、
さらに教えてくれた。

「コンテストに入賞することがいいかは別にして、
入賞すれば、入賞前には知らなかった世界を知ることができるじゃない。
自分が、どういう世界で、どういう風に活動するのが好きなのか、
まだ私は自分のことがわからない。

だから、知らなかった自分を知るために、
コンテストを受けているところがあるかな。」


その言葉を聞いて、
私は夏締め切りのコンテストに挑戦してみることにした。


結果は、
入賞。

私は、初めてコンテストで入賞した。

副賞は、東京と大阪で、1週間ずつの写真展開催。


大きな会場での展示。
1週間もの展示。
大阪での展示。
メディア取材。
などなど、年明けには初めての経験ばかりが待っている。


まさに、知らなかった新しい世界だ。


私も、まだ自分がどんな世界に行きたいのかは決められない。わからない。
でも、自分が「知らせたい世界」がある。

私にも、その生徒にも、それぞれあるのだ。

知らせたい世界を伝えるため。
知らない世界を知るため。

そのために、またコンテストに挑戦してみたいと思う。


生徒は、

時に、私の先生にもなってくれる。

そんな保健室での一コマでした。



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<写真展情報>
名取洋之助写真賞受賞作品展

平成31年1月18日(金)〜24日(木) 富士フィルムフォトサロン東京
平成31年2月15日(金)〜21日(木) 富士フィルムフォトサロン大阪




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やどかりみさお(写真家)

写真家。双極性障害をテーマにしたドキュメンタリー作品「夜明け前」で、第14回名取洋之助写真賞奨励賞を受賞。家族写真、ポートレートも撮っています。現在は産休中。 お問い合わせはHPからお気軽にどうぞ。 HP▷ https://www.yadokarimisao.com/

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日々、感じていること、思っていること、これからのことを徒然と。
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