みささぎ一級建築士事務所 松本崇

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マガジン

  • 学芸出版社社屋改修レポート

    • 29本

    京都駅北西徒歩5分にある建築・まちづくり系出版社「学芸出版社」ビルのリニューアルレポート。設計を担当する建築家・松本崇さんと、学芸編集部員が綴ります。 [設計監理]みささぎ一級建築士事務所/松本崇 [施工]大登建設株式会社/寺嶋孝昭、辻川孝夫、金城定男 [家具製作]LLAMA FACTORY/秋友政宗、株式会社キクスイ/高階大作、河俣茂幸、管純子

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#23|大登建設/寺嶋さん(感謝!)

そして今回の現場の最大の功労賞は、おそらく満場一致で寺嶋さん(↑)です。(写真は、引き渡しが終わりホッと一息されているところ)。 朝は8時半から現場に入り、ひっきりなしにかかってくる発注先や設計者(私。。。)からの電話に対応しつつ、現場では方々で職人さんから質問に呼ばれて階段を上がったり下がったりでお昼もゆっくり食べる暇も無し。 夕方に職人さんが帰ってからも、翌日の現場が滞らないように墨出しや資材の片付けなどで夜遅くまで作業。そしてまた翌日は朝8時半から現場入り。を、3週

    • #21|現場20日目(最終日) 家具②搬入と引き渡し

      こんにちは、みささぎ・松本です。 現場最終日。 メインの2Fはキクスイさん製作の最後の大物家具搬入。 梁の下端が水平でなく捻るように微妙に波打っているので入れ方を考えているキクスイ/河股さんと管さん。 結局一部の梁仕上げを剥がし、家具の方もコンリート面に合わせ削って入れました。 かたや1階では、最後の難関である長さ4.5mカウンター板の設置中。 4人がかりで置いてみるも、彫り込んで合わせる金物やガラスのマリオン、そしてここでもコンリート壁の垂直が出ていないためこじて

      • #20|現場19日目(残り1日) 家具①組立

        こんにちは、みささぎ・松本です。 家具搬入2日目。昨日搬入した旭川・LLAMAさん家具の引き続き組立設置と並行して、大登建設管轄の家具屋さんによる可動棚が入ってきました。 大工さんが図面通りの位置に棚受けを設置し、裏から棚に対してビス留めしていきます。 今回、ギッシリと本やファイルが載ってもたわまないように壁面可動棚は構造用合板28mm厚を使用。長さが六尺を越えジョイントができるため、裏面に13角鉄角パイプを埋め込み、目違いやたわみが起こらないようにしています。 棚受

        • #19|現場18日目(残り2日) 家具①搬入

          こんにちは、みささぎ・松本です。 家具搬入からの4日間、現場作業を手伝ったり指示やチェックで朝から晩まで現場張り付きだったため、更新滞ってしまいました。その怒濤の日々を振り返りながら。 朝8:30に予定通り北海道からの10tトラックが到着。 間違えようがないこの立派な面構え。 ドライバーさん曰く、敦賀まではフェリーで来たので、札幌-旭川間の道内移動が本州での走行距離より長かったそうです。お疲れ様でした。 秋友さんチーム4名、学芸さんにも3名お手伝い頂き、+私で階段から2

        #23|大登建設/寺嶋さん(感謝!)

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          #17|現場17日目(残り3日)

          こんにちは、みささぎ・松本です。 昨夜の岩切さんの写真にあった、すっからかんの紅いカーペットに大登建設/寺嶋さんの手で家具位置をマーキングされていました。 そこに、電気回路図通りに床下OAフロア(H29mmの既存極薄樹脂タイプ)のハーネスから大体2人で1回路に回路分けされた6口タップが机足下に出てきています。 各所に設置されたハブ以降の各デスクへのLAN配線は前田社長の陣頭指揮の下、学芸社員さんによって配線されていきます。 編集室入り口正面のマグネット入りホワイトボー

          #16|現場16日目(残り4日)

          こんにちは、みささぎ・松本です。と言えるのもあと数日。 現場は少し押してはいるものの、殺気立つことはなく進んでいます。 1階は腰壁の金物もすべて取り付き、断熱材も充填完了しました。PB捨て張りの上に、フレキシブルボードを腰に貼っていっています。軽天屋さんに「頑丈すぎるくらいやろ!」と言われるくらいガッチリしています。 2Fはカーペットが来ました。(昼13時頃の写真。岩切さんの1つ前のレポートからするに、6時間ぶっ続けで貼って下さったようで。。ご苦労さまです。) 粘着ボ

          #13|現場15日目(残り5日)

          こんにちは、みささぎ・松本です。 若干木工事が押しているため、家具の大群が入ってくるメインの編集室をまずは先行して仕上げています。 中央に居るのが大登建設/寺嶋さん。この3週間、おそらく休みなし。。本当にご苦労さまです。いつお昼に行っているのだろう?と思うくらい、絶えず現場を駆け回り、職人さんが仕事しやすいように段取りしてくれています。 壁ボード貼りは終わり、塗装部分も今日で完了。柱形のフレキシブルボードが貼り終われば、床を仕上げてとりあえず編集室内の建築工事は完了。

          #13|現場15日目(残り5日)

          #12|現場13日目(残り7日)

          こんにちは、みささぎ・松本です。 現場は追い込み状態です。 ちょうど建具屋さんがお店を拡げて搬入中。 わかってはいたけれどなかなかの大きさ。 当初タモ材で考えていましたが、比重からガラス含めた重量を計算すると、上吊りレール耐荷重ギリギリだったので(かつ引くときに重いので)スプルース製としました。きれいに作って下さっています。 現場では枠の取付中。 レーザーで測ると、柱が結構転けていたり梁の下端レベルが出ていなかったりで、透きの処理を現場で相談。 床の断熱下地は全て

          #12|現場13日目(残り7日)

          #11|現場9〜12日目(残り8日)

          こんにちは、みささぎ・松本です。 旭川で製作している大量の家具が完成し、発送の準備に入るとの連絡がありました。 今回、各自が使われる「デスク+パーティション+収納」のセットがかなりの台数があります。そのままだと輸送かさが大きすぎること、搬入も大変なことから、現場組立とするためラメロ社のPシステムを工場側から提案して下さいました。 写真はモックアップですが、死角になっている面側に六角レンチが入る小穴があり、そこを廻すと鎌が出てジョイントできるようになっています。それだけだ

          #11|現場9〜12日目(残り8日)

          #10|現場8日目

          こんにちは、日曜も休ま(め)ない現場のため、2日に1度は現場に通っているみささぎ・松本です。 この日曜にクリティカルパスの1つであった、硬質ウレタン吹き付け断熱工事が無事完了しました。 写真は吹き付け前。 先述の棚受け柱下地となるヒノキ胴縁t25と同じ厚みだけウレタンを吹き付けます。(針葉樹は熱伝導率が低い方ですが、一応コンクリートとの間にシートを挟みヒートブリッジを少しでも切れるようにしています) 吹き付け後はこちら。 薄緑部分がウレタン部分です。乾式(スタイロフォー

          #7|現場3日目

          こんにちは、みささぎ・松本です。 現場3日目。 着くと1階ギャラリーの床をはつっていました。 建築時竣工図には、モルタル下地御影石貼H50と書いてあったのですが、はつってみると御影石の下地はマサ土?でした。高さもH40しかなかったため、ほんの少し床断熱改修部分と既存部分に段差ができることに(テーパーをつけた堅木とする予定)。 つづいて製作家具の現調打合。 今回の造作据え付け形家具は、(株)キクスイさんに作ってもらいます。私は前職の時からお世話になっており、独立後もこちら

          #5|現場初日

          こんにちは、みささぎ・松本です。 本日現場初日。 私が着いた時には既に養生完了し、動線に当たる部分をばらし、廃棄する物などを解体屋さんが運び出し始めていました。 今回の家具の一部は、北海道の旭川の工場で作ってもらっています。そのやりとりを統括して下さっている近藤さんが秋友さんと共に来現。現場寸法に合わせて作る家具の一部のため、採寸に立ち会いました。 工場へ流す用の製作図を描いてもらったのですが、えらい短期間で上がってきて驚きました。そして細かく漏れがない。写真下のアイソ

          #4|断熱とレイアウト

          こんにちは、みささぎ・松本です。 明日から着工する工事に先立ち、今回の工事内容について、さらっと説明をしてみます。 ◆そもそもは、断熱の相談でした。22年前に建築環境研究所/吉村篤一さんの設計で建てられた学芸出版社ビルは、京都建築MAPにも掲載されており、私も学芸さんと知り合うずっと前に、外観だけですが見に来ていました。  (コンクリート壁)面での構成を意識された外観は、フォトジェニックで色々な角度から写真を撮ったものでした。 しかし、実際に勤務する社員の方々には、冬の

          #3|LLAMA FACTORY

          こんにちは、学芸/岩切さんの身に余る紹介を受けまして、みささぎ一級建築士事務所の松本です。 ご紹介にあった通り、この度学芸出版社さんビルの改修工事を設計させて頂きました。設計者の視点から、3週間の短い期間ですが、工事の様子をレポートしていきたいと思います。 まずは、(私のことは既にご紹介頂いたので)岩切さんに振られたLLAMA FACTORY/秋友さんのご紹介から。 確か2010年、長い旅行から帰ってきた年の年末に、中津で会ったのが最初ですが、名刺交換した際に出てきたの