菅 未里

日経MJ,マイナビニュース他で連載中。

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マガジン

  • こんな夢を見ました。

    夢日記

最近の記事

魔除けの化粧

女性の化粧は、男性に選ばれるためにあると思っていないだろうか。 そうとは限らない。かつて、化粧には魔除けとしての役割があった。西暦前3500年頃のエジプトの話である。   『化粧 おしゃれの文化史Ⅰ』春山行夫(平凡社)によると、当時、化粧にはより魅力的に見せるという意味以外に、医学的な意味や魔除けとしての意味もあったという。 古代人は体の穴から悪魔が体内に入ると信じていたので、悪魔を驚かせて侵入を防ごうと眼のふちを黒く塗ったり、唇を赤く塗ったりした。それが魔除けとしての化粧

    • 誰のために装うのか

      「なんかアイメイクすごいっすね」 「眉毛の角度は〇度がよくて……」 「リップはピンク系がいいんじゃない?」 私が社会に出てから、さして親しくもない男性からかけられたお化粧に関するごく一部の感想だ。彼らの年齢は20代から50代まで幅広い。私はお化粧を始めて十年以上、毎日自分を鏡で見ては、ああでもない、こうでないと悩み、プロのメイクさんに相談し、知人女性と情報交換をしている。にもかかわらず、知り合って間もない、お化粧のプロでもない男性からの先のような感想やアドバイス? が絶えな

      • 続・文具業界におけるピンク色問題(後編)

         日本には「大和撫子」に象徴されるような「清純」「物静か」「男性の三歩後ろを歩く」女性がよしとされてきた歴史がある。そうした女性像を「女らしい」と称賛し、そんな女性性を甘んじて受け入れてきた。そして現在も料理や裁縫が得意なことを「女子力」と呼んでいる。  1947年の学習指導要領改訂の特徴(文部科学省)に、家庭科について以下のような説明をしたことがある。  従来女子だけに課していた裁縫や家事と異なり、男女共に課し、望ましい家族関係の理解と家族の一員としての自覚の下に、家庭生

        • 続・文具業界におけるピンク色問題(前編)

           長らく感じていた「文具業界におけるピンク色問題」について、話を進める前にあらかじめ明確にしておきたいことがある。  私はこの「ピンク色問題」を語ることで男女の差を強調し、両者の間に対立関係を生むことを目的としていない。何よりもまず、文具業界がより盛り上がることを望んでいる。お客様が楽しい買い物の時間を求めて売り場を訪れた時に失望しないように、買い物を終えた後にまた来たいと思えるように、商品や店舗で使用される「ピンク色」が持つ効果について考えたい。 「文具業界におけるピン

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        • こんな夢を見ました。
          5本

        記事

          文房具業界のピンク色問題について

           ピンク、ピンク、ピンク……。私は今、ピンク色の文房具に疲れてしまっています。いえ、ピンク色が嫌いであるわけではありません。むしろ好きな色です。そんな私が、どうしてピンク疲れを起こしてしまったか?  それは、メーカーさんからいただく商品サンプルに、ピンク色が多すぎるからです。サンプルを頂けるのは大変ありがたいのですが、どういうわけか、数あるカラーバリエーションの中から、ピンクのものを送ってくださるのです。  それは、私が女性だからでしょう。文房具業界に限らず、世の中には、

          文房具業界のピンク色問題について

          コスメフリークはブスばかり

           この衝撃的な一文を見て、落ち込まずにはいられなかった。私もかつてその一人だったのだ。美容雑誌は欠かさず購入し、新商品が出れば化粧品カウンターへ赴いた。それだけに「ブスばかり」と言われると、かつての自分を否定された気持ちになる。  「化粧をする」といっても人によって程度は違う。隠す要素の多いベースメイクだけをしてそう言う人もいれば、彩る要素の多いポイントメイクだけでも化粧をしていると言える。フルメイクをしてもベースをBBクリームとパウダーだけですませている人がいる一方で、下

          コスメフリークはブスばかり

          こんな夢をみました。5

          こんな夢をみました。5

          こんな夢をみました。4

          こんな夢をみました。4

          こんな夢を見ました。3

          こんな夢を見ました。3

          こんな夢を見ました。2

          こんな夢を見ました。2

          こんな夢をみました。

          こんな夢をみました。

          猫の肛門

          いつだったか猫の肛門がテレビ画面いっぱいに映し出されていた。私は食事中でなぜ猫の肛門を見なければいけないんだとそれ以来バラエティー番組から遠ざかった。 番組では猫好きの芸能人が猫の魅力を語っていた。猫の肛門はハート型でそれがかわいいと紹介され、偏愛ぶりが面白おかしく編集されていた。私は猫が嫌いじゃないし見れば愛らしいと感じる。それでも肛門を見たいと思ったことはない。 テレビなんだから自分が望まない情報が目に飛び込んできたって文句は言えないのだけれど、肛門という超

          猫の肛門