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I love you をなんと訳すか。

「 愛してる」と「I love you」は違うよね〜。

紺色のスカートが膝丈で揺れる。暇を持て余した休み時間のさりげなさだったか、それともお弁当を食べ終わったあとの眠気漂うまどろみのせいか、退屈な黒板に飽き飽きしていたからか。

友達が放ったまるでひとりごとのような言葉にわたしはどんな返事をしたのか。きっと、カタチの無いぼやっとした音しか思い浮かばず、それでも大人びた友達に置いてかれないようそうだね。とふわり曖昧な返事をしたように思う。


言葉は、想いをカタチにするひとつの手段でしかない。だから、「言葉」が「想い」の100%になることは、決してない。あの人言ってることと、やってることって全然違うよね〜。なんてザラで。浮気がバレないたくないがゆえ、わざとらしい愛を伝える人もごまんといる。


伝えることは簡単でも、伝わることは難しい。
聞くことは簡単でも、理解することは難しい。


本の中でちらほら顔をだす、若いときにやっておいたほうが良いことのひとつ、「誰かを本気で愛すること」。大人になりきれなかった大人は、恋の中に忘れ物をしてきたのだろうか。


人を好きになると、痛い。


嫌な自分を目の当たりにして絶望したり、その殻を破ろうともがいたり。それが相手のためなのか自分のためなのかわからなくなって、葛藤を好きな人にぶつけては自己嫌悪に陥る。


好きと嫌いのシーソーは、永遠で。


だからこそ、この人を本気で好きにならなければこんなにも...と、キリリ心が絞られる痛さを知っている全ての人が、愛おしいと、わたしは思う。

格好悪い自分をさらけ出して人を好きになれた人。面倒くさいと手を払われながらもまっすぐに振られることができた人。あなたの痛みを分けてほしいと涙を拭ってくれる人と歩く覚悟を決められた人。


結局、言葉なんて、なんでもいいのだ。

I love you. 愛してる。月が綺麗ですね。大好きだよ。

カタチなんて、なんでもいい。


自分の気持ちを伝え、相手の気持ちを理解しようといちばん嫌われたくない人に歩み寄れた勇気は、自分の「好き」を諦めずに生きていく力になってくれる。


やさしい人になんて、ならなくていい。
でも、人の痛みがわかる人でありたい。


こどもが転びながら痛さや転び方を覚えていくように、失敗して自分が傷ついてみなければ人の痛みなんてわからない。

痛くて痛くて、もう嫌だと逃げ出したくなっても大丈夫。その傷は、いつかだれかを癒す傷だから。安心して誇りに刻むべきもの。


「自分の人生のため」に、誰かを愛し抜くことを怖がらない。その強さは、まわりまわって、愛してくれる人をまっすぐ愛せる度胸に変わるから。

人は、痛い思いをしながらでないと、愛してくれる人を愛する責任や覚悟を培うことはできないのかもしれない。

それに気づかせてくれる涙を流す経験は、本当に、尊い。


今ならなんて、言うだろう。
l love youの訳し方。

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