やさしい世界で生きるために
朝日がキラキラして綺麗とか、風が気持ちがいいとか。この頃日が伸びたとか空の色が淡くなったとか。気づくだけでちょっぴり幸せな気持ちになることって、遠くに行かなくても意外とたくさん世界に落ちてる。
ぬくぬくと引きずられて床に落ちた布団とほとんど同化して、頭の上を嵐が過ぎ去ったのかと思うほどの寝癖で「おはよう」を迎える。
自分の中のルールのひとつ。
起きたらまず、朝日を浴びる
シャッと勢いよくカーテンを引くと飛び込んでくる痛いくらいの白い朝日にぎゅっと目をつぶる。朝日は浴びたほうがいいよの言葉に素直に従った。それ以外の気持ちはすべて、置いてきてしまったけれど。
18時を回るといよいよ、ブルーモーメント。
世界が青に染まる一瞬に何度も顔を上げて駅まで歩く。
空が変わっていくのを見たい、帰りの電車。
木が影みたいに黒く模られて空に映る
白い月が黄色くなってグラテーションの空が遠くまで見える
クリーム色と水玉と気まぐれなホイップみたいな雲
ドアにひっついて外を見上げると、刻々と流れる季節がわたしにとってはどれも絶景で。
かと思えばわがままな風がありとあらゆるものを気まぐれに勢いよく連れ去って、しとしと雨音が世界を濡らす日もあった。はぁーっと吐いた息が白いのにはさすがに驚いたけれど、散った桜の花びらが水たまりに色を添えているからやさしいだけで終わらせない春の表情だったのかもしれない。
休日に訪れた海。
春の夕暮れは、静かだった。
線香花火みたいと指差した熟れた太陽は、じりじりと富士山に沈んでいった。海はときより桜色になる。オレンジの光の中、空の色をそのまま海に映したように。呼吸をして表情を変え、まるで海が生きてるようだった。
感じようとするこころ次第で、世界はこんなにもカラフルになる。これが感受性というものなら、鈍らないよう努力しなければ。
わたしはやさしい世界で生きていたい。
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