鈴木みそ【マンガ家の生活】 vol.33(2016年3月29日発行)英語合宿の効果は!?

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目次

1.今週の日記

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3月20日(日)

週末分のメルマガを成田からアップ。

水平飛行に移った飛行機の中で日記を書いてます。

電車は細かい振動が多くて、バスは横揺れで吐きそうになる。

飛行機は安定飛行にはいると、ほとんど揺れないので仕事するにはとてもよいのだ。

積み残してしまったゲットナビのウェブマンガを飛行機の中で描き上げる。

OneNoteを立ち上げ、バラバラにしたコマを並べて、コメントを打ち込んでいくと、あっというまに縦スクロールマンガが出来上がっていく。

これをどうやってアップロードするか考えるが、OneNoteのデータを同期して貰えればいいので、ネットさえつながれば、通信が細くてもいけそう。

このOneNoteというソフトは相当使えるんじゃないか? またちょっとマイクロソフトの株が上がったぞよ。

ところで今飛行機で困っているのは、となりが大家族の子供で、いつまでも「おとーさんあと何じかんー?」と聞いて、その度にお父さんが「1時間」と答えている。ことではなくて、フィリピンで泊まる場所がわからないことだ。

空港に迎えに来てもらえることになっていたので、まったくノーチェックだったが、飛行機を降りるときにホテルの住所と名前を書き込まないと入国審査を通れない。

「サウスピーク」という学校の名前しかわからない。それでなんとかなるんだろうか。

適当なホテルの名前を書き込んでおく手もあるが、セブ島にどんなホテルがあるのかも知らない。英語合宿はいろいろハードルが高い。

と書き込んでいると、また小学2年くらいの男の子が「おとーさんあとなんじかん?」と聞いて「1」の数字をお父さんが出している。

「えー? さっきからすすんでないのー? あと30ふんくらいでしょー?」

正確にはまだ3時間半ほどかかるので、本当の数字をお父さんは教えてあげてほしい。

大体、夫婦と子供3人の5人家族の真ん中にオレが座っているという形は間違っているのだ。本当はオレが端っこのマド側であるはずだが、先に子供が窓の風景に釘付けになっていたので、だまって通路側に座ってあげているのに、親父は自分の携帯見ることに夢中で暴れる子供を放っておいている。

「あとなんじかんー?」とまた聞いているので、本当はね、そこのお父さんは君たちのお父さんじゃないんだよ。と答えてやりたくなったが、実はそれが隠していた真実である確率が高そうなので言わないでおいた。

そして今、ショッキングな出来事が発覚。

Photoshopを開いたら、「この製品のライセンシングは現在使用できません」のアラートが。

しまった。ちゃんと立ち上げて確認しておくべきだった。

Photoshopというソフトは2台のパソコンまで使っていいことになっているが、一度古いマシンに登録すると、そのマシンからアンインストールする前に登録を解除しないといけないのだ。

もちろんSurfaceを買ってすぐにそれを確認してライセンスを通しておいたが、「工場出荷状態」にもどしたことをすっかり忘れていた。

これは通信がないと通らないので、もしセブ島のネット環境がチープだと、Photoshopが使えないということになる。

ビクビクしながらクリスタを立ち上げたら、こっちは大丈夫。

最低、クリスタが動けばなんとかなる。

Surfaceの電池が切れる頃、飛行機も着陸態勢に入ったとアナウンスが。

隣の子どもたちは眠りに落ちてたのに、着陸近いと起こされてむくれている。寝かせておけや、親父。

フィリピンの時間は日本より1時間遅い。ちょうど12時を回った頃、セブ島に到着した。

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3月21日(月)

ホテル名がわからないので空欄のままにしておいたら、電話番号を書け。と言われた。最近は携帯番号で通れるのか。

到着ロビーでかなり迷った後「サウスピーク」の旗を見つけたので行ってみると、女性のフィリピーナが出迎えてくれた。

スズキさんですか? 

そうです。大変おまたせしました。行きましょう。

いえ、まだあと3人待ってます。

オレ以外にまだ3人ここを探しているのだ。混んでるからなあ。と思ったら、息子くらいの少年が現れた。

中学3年生で春休みを利用して3週間の合宿だという。まさに息子と同じ歳だ。

他に年配のサラリーマンが2人到着すると、出迎えのジプニー(乗り合いバス)が動き出した。

この車のインパクトはかなりあって、アジアが初めての人は、すげえところにきたなあ、という乗り物である。街を走ると、ガソリンの不完全燃焼の煙と生ぬるい湿った空気が出迎えてくれて、テンションがあがる。

きたー。アジアきたー。

英語学校についた時には深夜1時を回っていた。

ここで最初にやることは、部屋に入ることではなく、1分間の英語スピーチだ。

目の前でビデオカメラが回る。

なるほど、この状態で録画をするのか。

まあそういうのが苦手ではないオレはすらすらと自己紹介をする。トーイックの点数は300点台だけれど、グリーティングは旅行で相当鍛えたのだ。

息子と同じ歳の少年は、中学校で習う正確な英語をたどたどしい発音で話したが、もうひとりのサラリーマンはかなり厳しそう。ほとんど話せない感じ。

その彼は3ヶ月ここを予約したという。

3ヶ月! それはすごい。会社がお金を出してくれたのかと思ったら、転職を考えているので、この先有給を消化するんです。という38歳であった。いいなあ。オレも有給がほしい。

チェキで写真をそれぞれが撮影。自己紹介を英語で書き込む。

コールミーみそ。と書いておいた。

部屋は三ツ星ホテルのグレードというわけにはいかないが、十分な広さと清潔な部屋。シャワーとトイレが付いている一人部屋のバンガローはクーラーがビンビンに効いていて、とても贅沢だ。後でいろいろな人の話を聞いたら、vip待遇だった。4人部屋でいびきに悩まされる人もいたりするようだ。

勉強部屋が一人一つ与えられ。そこでマンツーマンレッスンや自習をすることになっているので、部屋は寝るだけ。という人が多い。なので勉強する人ほど広い部屋を必要としない傾向にあるようだ。そんなに勉強するのかー? とにかく明日になればわかる。ではおやすみなさい。

ご飯は7時から1時間。7時半には初日の説明会があるので、それまでに食事をすませておいてくれ。

と言われたので6時半に起きた。

天気は快晴。部屋を出ると目の前にプールがあって、泳いでる人がいる。

おおー。リゾート気分。

周りを見ると、みなヘッドフォンをつけ、英語の本を見ながら何かを聞いている。

ええー? まさか京太郎師匠の落語を聞いているわけもないので、みんな勉強しているのだ。朝6時に。マジで?

食事は大きな鍋で炊いたインディカ米。おかずは野菜と肉を入れた質素なものだが、しっかりした味で美味しい。おかわりをしようと思ったら、他の生徒に行き渡る時間をとっているので、45分後だという。しまった。もう少し盛りつけておけばよかった。

7時半から、日本人のスタッフの真面目そうな女性による説明が始まる。

ここで守らなければいけないこと。細かなルールが説明されて、1つずつサインをしていく。

勉強以外できない環境だが、外に出るのは自由、食事や酒を飲むのも構わないが、中に酒を持ち込んではいけない。という。

うわー。飲めないのかー。夜寝る前にビールくらい飲みたいのにー。23時を超えて戻ってこないと警告1。警告2で強制退学というのは、昔酔っ払って暴れたおっさんがいたかららしい。ここでは勉強しようとしている人を邪魔する行為がもっともいけないことなのだ。

いろいろ生徒さんに話を聞こうかと思っていたが、勉強の邪魔になってしまうので、様子を見ることにした。やることがないので、英語でもやるかな。

10時から最初の授業「発音」だ。

オレ発音だけはいつもほめられるんだよねー。と軽い気持ちでフィリピンの講師の前で文章を読む。

発音テストでバラバラのセンテンスを読んでいくと、一つ一つにチェックポイントがあり、点数がつけられていく。

そして、これはできた。これができなかった。というものが書きだされる。1回の授業が50分。その間に発音を3つ直していきましょう。というようなことを英語で言っている。のだと思う。たぶん。

へえ。

結果は6割くらいの正解。

難しかったのは、thの舌ベロを歯にはさんで「す」と出すやつ。

vはご存知上の歯で下唇を挟んで「う(に点)」

同じ口の形で濁音をださないで息を吹き出すのがf。

何度も何度も何度も講師の後を続けて「voice」

sとcとthの「す」って日本人みんないっしょじゃないの? 

1時間必死に「すー」「ぶー」などと繰り返す。新しい筋肉の使い方をしているようで、顎が疲れた。

10分休憩後、グループレッスン。

昨日一緒だった少年と転職サラリーマンとオレの3人が同じグループ。

すべての授業は日本語を使わないで、英語で説明されて英語の文章を作っていくように指示される。

少年が一番英語読解力があるようなので、おっさんふたりでちょっと聞いたりしながら、単語一つと写真から文章を書いていく。ここでは文章を作って、書く、それを話す。ということを繰り返す。

のだが、サラリーマンのおじさん。まったく英語がわからないようで、先生の説明が理解できない。先が大変そうだ。

2時間みっちり英語をやると、足がガクガクするくらいエネルギーを使っていた。腹ペコだと感じたらちょうどお昼。

そうか。こうやってずっと勉強するのか。

あれ? ちょっと楽しいかも。

こんな集中して勉強したことは今まで一度もなかった。こんな環境で英語漬けになったら、誰でも話せるようになるかもしれない。

問題はこの集中を持続できるのか、という部分かな。

ご飯を食べる時にも、先生と生徒がいっしょに食べるので、基本は英語。

昼食時には、テーマが発表されて「家族で一番成功した人の話をしてください」

などと、ご飯を食べながらテーブルでその話題を一人ずつ話さなければいけない。

と、となりのお姉さんに(日本語で)聞いた。

午後にも「発音」の授業が1コマ(50分)、そして4sと言われる、テキストを読んで、書いて、添削する授業が1コマ。

時間割は違うが、誰もが一日4時間の授業を受ける。

授業がない時間は、自分の勉強場所や、共同で使える食堂や、プールサイドのテーブルなどで自習。

「発音」の本を読みながら耳にヘッドフォンをつっこみブツブツ言いながら歩きまわる人、テーブルに4,5冊の本を並べて、英語を書き続けている人。などなど6時間くらい! 自習をして一日10時間英語を叩き込む。

1週間で60時間以上。これが平均の人で、10週もやるとかなり話せるようになるらしい。そりゃそうか。

酒もなく、知り合いもいない。ネットもとぎれとぎれという環境なので、他にやることもなく、今日習った英語を繰り返したり、英語のcdを聞いたりしているうちに11時になった。

頭がしびれるような感覚があって、あっという間に眠りに落ちた。

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3月22日(火)

朝6時に勝手に目が覚めた。

今日も昨日と同じスケジュール。太陽は同じように眩しい。変わったものといえば食事のメニューくらいだ。なすを煮たおかずがとても美味しい。

食事をしながら生徒さんたちとちょっとずつお話をしていく。

見たところ女性が全体の7割くらいを占めている。

20代が圧倒的に多くて、いっしょにバナナボートに乗れたら楽しいのだろうが、みんな耳にバナナではなくヘッドフォンを差し込んでいるので遊んではくれない。

ウープス(英語のため息)

今日もマンツーマン授業で、発音を徹底的に直される。

「ん」で終わる音には「n」「g」があるが、gは「ぐ」と言わないで、喉の奥で「ん」と止めるイメージ。

「z」はとてもむずかしくて何度やっても「違う」らしい。

フィリピンの先生と顔を10センチくらいの距離で「ずー」と言っていると自分のつばがかかってしまいそうで、ちょっと躊躇してしまう。

「Hey,Miso. Look at my jaw. Zoo. zzzz ,Zoo」

ティーチャーが顎を指差して顔をググッと近づけてくる。顎に意識を集中させながら「ずー」

「Good!」

いやなにこれ楽しい。

気が付くと夢中で英語を学習している。

部屋にあるシャンプーが泡立たなかったので、近くのマーケットでボディソープ、シャンプー、インスタントコーヒー、ポテトチップなどを買いにいった。生のマンゴーを切ったものが39ペソだったので買ってみた。120円くらい。なんの気なしにあけて食べたら口の横がキューっとなるほど甘くてたまげた。うまー!

真っ青な空の地平線近くにある雲がオレンジに染まり始めた。

それにしても1日が長い! まだ火曜なのに1週間くらいいるような気がする。普段使わない部分の脳みそをフル回転させているので、記憶が混乱を起こしているらしい。

ゲットナビウェブ版用に送った原稿が共有されていないというので、テキストだけをメール。イラストをサーバー経由で送った。読めたというのでお仕事も完了。あとは英語をするだけだ。今日は11時間くらいやって満足満足。

あれ? それが目的だったかな。

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3月23日(水)

朝5時半からもくもくと英語。

学校から勧められた「英会話・ぜったい音読」という本が面白くて、それをずっとやり続けている。

2分くらいの文章を、本を見ないで2回リスニング。

次に本を見ながら内容を確認。わからない単語は調べて、文章を完全に理解する。

英語テキストを見ながら声を出して音読。

この音読を3回繰り返す。

テキストを見ながら、全文を英語で書き出す。

書き出しを3回。

最後にリスニングでオリジナルの英語を1回聞く。

というセットを1日1単位でやっていくという本。時間があるので1日2セットほどやっているが、メキメキ上達するのが自分でわかる。

長い文章の英語の切れ目が聞きとれるようになってきた。最初は手がきの英文を書いていたが、せっかくなので3回めはキーボードで打つことにした。

手書き英文も、キーボードももちろんSurfaceで。

これためにSurfaceはあったのだ。時々手元のタッチパネルに触れるたびに変なところにカーソルが飛ぶので、タッチを殺してただのキーボードにしたら大変使いやすくなった。Windows7にモニタータッチを加えただけのマシン。というのが安定している感じ。

メモを取るときにペンが硬いのと、画面が熱いのが難点。

オレの中学3年間で書いた英文を確実のこの3日で超えた。こういうやり方がわかっていたらなー、人生全然違ったかもしれない。

午前の発音まで4時間みっちり勉強したところで、今日は別の教室の見学に行くことになった。

他の生徒と違って、マンガの取材だから。

完全に忘れてた!

ここサウスピークは3つの校舎があり、南国リゾートのような今いる場所と、一つのビルを借りている日本語禁止学校、それにもともとあった「オリジナル」校が引っ越した「現オリジナル」があり、値段体系もちょっと違う。

もっとも新しく綺麗な場所が今いるところだが、相当お値段がかかってしまう。

半額とは言わないが、英語禁止学校のビルの方はお得感があり、英語能力の高い人が多いという。

去年ここにやってきて、自分の足りない部分がわかったので、一年たってまたやってきた。

今度は3週間。という大学3年生に話を聞く。

一緒の部屋の人がお医者さんなので、とても勉強になる。と言っている。

自分の大学はあまりレベルの高い学校ではないので、TOEICの点数を800点以上に引き上げて、カナダ留学をして、それを武器にする。

って、なにこの意識の高さ!

ただ、話を聞きながら、「早く部屋に戻って勉強したい」と思っている自分にも驚いた。

感染するのか。勉強好きは。

お昼、ここに呼んでくれた社長の丸山さんたちと食事をしながらいろいろ話して盛り上がる。昔は校舎がボロボロで、学生たちにこっそり「プリズン(監獄)」と呼ばれていたけれど、今は綺麗になりました。と昔話のように言っているが、それがわずか3年前の話なのだ。

IT企業やベンチャーのような匂いがして、ものすごい勢いをビンビン感じる。今300人近い生徒のキャパがあるそうだが、数年の内に1000人単位に増えていくんじゃないだろうか。

まあ、だからオレが呼ばれたわけで、ネットでの集客をもっと高めるために、わかりやすい広告マンガを描くのである。日ペンの美子ちゃんみたいなやつかなー。

だれもができるよー。

というものより、ある程度やる気のある人限定で、そういう人はこんなに伸びていきます。というあたりを狙ったほうがいいかもしれない。どこにターゲットを絞るのか。ネームで相当練りこまないといけないだろう。

でも、オレがこんなに乗り気なので、普通にルポマンガにしただけでも広告のようになるんじゃないだろうか。

マジ面白いから、英語学校。

打ち合わせと取材を終えて3時に戻る。ヘッドフォンをつけて修行を再開。

遅れを取り戻すかのように、夕食後もみっちり勉強。

寝ようとして、今日の日記を書いていたら、この英語学校が、強制的に勉強時間をとって、スケジュールを組んでいる理由がわかってきた。

英語を学習する「習慣」

これを生徒に身につけさせるようにしているのだ。

セブにいる間だけ必死に学習しても、日本に戻って何もしなければ、あまり意味が無い。仕事をしながら、学校に行きながら、英語学習の時間を生活に組み込んで、学習を続ける。それができれば、1年もしないうちに相当な英語力が身につく。そのためのきっかけを今作っているのだ。

もしかして、マンガを描く作業でも同じことかもしれない。

締め切り間際にバタバタになってしまうのではなく、時間を切って、進めていくことができれば、どんなに楽になるだろう。クオリティだって上がるはず。

ずっと今まで、追い立てられるようにマンガを描いていたが、もっとも大切なことはスケジュールを組むことだったんじゃないか。

なんだろうこの前向きな考え方は。修行している仲間がいるということがでかいのかも。

修行。

ほんとそういう感じだが、苦しくない。なにかすごいことが起きてるのかもしれない。人生の転機になるか?

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3月24日(木)

5時半起床、昨日の復習と音読。

腹ペコで7時の朝食を待つ。4日で「習慣」が身につき始めている。

1週間で帰ってしまうのが惜しい。

通常は平日に授業。土日は自習。

という時間割になっている。

週単位で動いていて、日曜に新人がやってきて、月曜から金曜日まで授業。その週で終わりの人の「卒業式」が毎週金曜日に行われる。

オレは1週間なので、すぐに卒業なのだが、今週はセブのお祭りで金曜が祝日なので、木曜卒業。なのだという。

え? 今日で卒業なの? はやーっ。

卒業式はそれぞれスピーチがあるからそれを作りましょう。と先生に言われる。

スピーチはあるんだ。

でも大丈夫。もう英語を学習する意味がくっきり見えている。

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「ドラゴン桜」というマンガがある。

受験や学歴偏重社会を否定せず、積極的に利用していくべきである。と言う教師桜木によって、勉強などしたことのない学生に自信を与えていき「東大など簡単だ」と焚き付けて、いわゆる劣等生たちに東大受験をすすめるストーリーだ。

ここ、サウスピークで、ドラゴン桜が頭をよぎることが何度かあった。

英語で一発逆転。英語を集中して学ぶ。ということは他の学習と持っている意味が違う。

英語学習は、かけたコストに見合うリターンが期待できる効率のよい投資である。

あられもない言い方をすれば、英語をペラペラ話しているだけで、非常に頭が良さそうに見えるということだ。

つい先日日本では、ショーンkというハーフのタレントが、実は.ハーフでもなんでもない、鹿児島の日本人で、顔は整形。ハーバード大学卒業MBA取得、年商30億の会社を経営している、というのがすべて真っ赤な嘘で、実は高卒で会社は架空のペーパー会社だったことが文春のスッパ抜きによってバレて、大きな話題になっていたが、彼の英語がネイティブレベルだったことだけは本当だった。

ちなみに彼は昔からホラ吹きで、「ホラッチョ川上と呼ばれていた」という。

人々が簡単に騙された理由が、その風貌(とても二枚目で日本人離れした美男子で、素晴らしい声を持っている)と英語にあると言われている。英語というのは多くの人を判断を変える力を持っている。

英語圏で育てば、道で物乞いをしている人間でさえペラペラ英語を話すというのに。

TOEICで800点以上を取る。ということは、他のどんな勉強をするよりも、結果が与える影響が大きく、就職や転職に大きな力を与える。

「英語は投資である」

と、他の生徒たちに話をしていて、まるで自分がドラゴン桜の桜木(マンガの中の教師役)になったように感じた。

「自分を確立している人」

「自分で学習する方法が完成している人」が、ここサウスピークの生徒の半分以上を占めていると思われる。そのひとたちはそのまま進んでいけばいい。

もっとも投資効率がいい人は、ほとんど話せないし意味もわからない。という200点、300点代の人たちである。

もっとも伸びしろが大きい。

他のどんな学習よりも、1年足らずで劇的に変わることができ、その結果が著しい学習はほとんどない。筋肉トレーニングで肉体改造するにも3年はかかる。

800点は無理でも、集中して真面目に努力をすることで、200点、300点アップは誰でも十分に可能な範囲にある。

勉強をして、それが点数アップに繋がる。自信を持つ。生活リズムを整えて、それが習慣化していく。さらに自分で勉強を続ける。

気が付くと、他の人より「努力」が上手になっていて、英語以外の部分が変化していく。よいサイクルが生まれる。

勉強の方法が今まで間違っていた。

正しい努力のやり方。

実はそここそが人生を変える方法なのだ。

異国の閉鎖された世界で暮らすことで獲得できるプライズだ。

ただ、ちょっとだけ懸念がある。

人はなぜ、集中力を持続できないのか。

なぜやらないのか。

答えは「めんどくさい」から。

めんどくさいは学習する人にとっては敵であり、サボる学生や、呑んだくれのおっさんは、サウスピークでも異分子、ノイズとして処理されてしまう存在である。

ただ、めんどくさいは、自然の、体のもっている正しいフィードバックであるとも言える。疲れたから寝る。と同じように。

全員が同じ時間を持っている。サファリの肉食獣は、お腹がいっぱいの時に勤勉にトムソンガゼルを狩ることはない。賢いライオンは他のライオンたちが寝ている間に努力して、より多くの獲物を捕まえる努力を欠かさない。わけではない。

腹が減らないと動かない。それが野生の法則であり、人にも備わっている本能だ。

本能に抗って努力する習慣を自分に課す。というのは、無理をかけることで、本人が意識しない部分で、他人に影響を与えるだろう。

それだけが懸念される。

努力をしないおばちゃん、呑んだくれのおっさんや、パチンコ屋に並ぶ若者。彼らはより本能に近い生活をしている。そこに対する愛も持って欲しい。

自分だけやっているならよいが、他人に努力を課してしまうとろくなことにならない。

勉強しない子供にイライラして、家庭崩壊に繋がる危険だってある。

人に優しく。ということは自分に優しくすることでもある。

ノルマが達成できなかった。目標に届かなかった。でもいいじゃないか。

ダメな自分でもいい。できない自分を、やれない彼らを許そう。

人に愛を。と同時に、自分にも余裕を。

そのためになにをすべきか。

マンガを読みましょう。

マンガはささくれた心を癒やしてくれます。息抜きはとても重要です。今やアマゾンキンドルで世界中どこでも読むことができます。

「鈴木みそ」で検索を。素晴らしい作品がそこにあります。

ありがとう。

ーー

と日本語で書きだした。それを英作文にしていく。

おお、スラスラと英語が出てくる。3日でこんなにかわるのか。日本語が非常に長いので、内容を半分以上カットしてシンプルにする。

ふと見ると、出来上がった英文を、正しい言い回しに先生がどんどん変えている。

うわあ、それ直さないで。

Why?

正しくなくてもいい。

難しい単語は使わない。なぜなら、プアイングリッシュが我々の共通言語だから。

と説明して、ギリギリ「この言い方はありえない」というところだけ修正してもらった。それでも十分難しくなってしまったので、完全オリジナルを残して置けばよかった。

そして卒業式。

レベル5(TOEIC500点以上)以上の人のスピーチコンテストがあり、その後に今週で卒業する人たちの「卒業スピーチ」がある。この模様は、You Tubeで公開されるはず。けっこう上手に話せたと思う。(カンペを見ないで話すことはまだできない)

英語はこんな感じ。

ーー

Do you know the comic entitled "Dragon Sakura"?

The story is about a bad student who became a Tokyo University student.

Teacher Sakuragi once said " the entrance examination of Tokyo Univ. is so easy and challenging so it will change your life.

I often remember Dragon Sakura in Southpeek.

The teacher said,

"You have to study English. You can try , vvvv voice rrrr l

"Your pronunciation is bad.

you can do it.

Just like Sakuragi.

I think studying English is way different from other learning.

English is a good investment.

If you can speak English fluently, you look very smart. Even if there are only pumpkins in your head.

This event change your life forever.

In addition,

I think this training camp's means are more important than just learning English

It’s a Habit to study.

You can get a good cycle

It will change your lifestyle.

You are a different person now ,said your friend.

you become a MORETSU businessman

You can be successful. If you keep a good habit.

That's fantastic.

But I worry about being so serious .

Human can't work hard without a break .

Please forgive a loser. Forgive a fucking immoral man .Forgive the person who lines up in front of Pachinko parlor.

You sometimes need a rest.

So , Let's read a comic.

You can buy e-books on the worldwide web by Amazon kindle.

Search word is Miso suzuki. You can find great pleasure.

Thank you .

ーー

他にも7ヶ月ここで過ごして劇的に点数をアップさせた、伝説になる卒業生がいたので、非常に盛り上がった。

卒業だー! よし飲みに行こう!

というので近くの日本食屋にでかけた。ビール! ビール! サンミゲルうまー! そうかー、こうして外に飲みに来てる人もいっぱいいたんだなー。すっかり中で修行僧してたわ。と酔っぱらいの親父たちが次に行くのはカラオケだ。

すぐそばにでっかい日本語で「カラオケ」「熱海」

こんな近所に熱海があったとは。

中に入ると、なんと。

おねえさんがいっぱい。

うわー。

知らなかったー! なんだこれ。

一緒に行った親父たちも初めてで、なんだこんな楽しいところがあったのか。飲み放題でお姉さんがマンツーマンでついて、1時間500ペソ(1500円)という値段に地団駄を踏む。全員口々に「毎日来たかった」

だから教えてくれなかったんだな(笑)

男3人で2時間飲んで歌って、全員でまとめても1万円行かなかった。エクセレント!

久しぶりに体にアルコホール(発音よくなりました)が入ったので、朝寝過ごしてしまった。

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3月25日(金)

7時起床。

勤勉な生活はこんなところから崩れてしまうのかもしれない(笑)お休みなので、食事なし。

やべえ。何も食うものを買ってない。

火曜に買っておいたプリングルスをかじる。

お昼は地元の「わさびバーガー」を食べに行く予定だったが、どうも軒並みしまっているらしい。スーパーマーケットも開いていないと、若い女性が言っているので、昔の日本もお正月はそんな感じでみんな休んでたんだよ。と50代の知識を披露したり。

昼はさすがに何か食べようと、外を一人で散歩したが、マクドナルドしか開いていなかった。仕方なくビッグマック。なにか負けた気がするがマックに罪はない。

リズムがもう勉強モードなので、夜まで自習。

そして夜から飲み会が始まった。

というところでさすがにくそ長くなったので、日記はここまで。続きは来週です。

See you next week.

こんな英文も打つの早くなったわー。

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