クリスタルタワーは、三ツ矢サイダー。

俺はいたって正気。


今回の内容
たぶん初めてのストーリー所感らしいストーリー所感
今回は短文になりそう(※予定)
一部ネタバレ要素あり
全体的にややポエミーな内容になると思うので、明るい時間帯に読むと若干キツイかもしれない


クリスタルタワー3回突入全て完了しました。

「クリスタルタワーは合計3回突入する仕様なの!?ネタバレじゃん!!!!」みたいな地点まではケアしていないので、"何も知りたくない"人はここでブラバ推奨です。
ストーリーの根幹に関わる部分のネタバレ前には注意書きを入れますが、あらすじ的なものや設定等については気にせず書き連ねています。気になる人は(ry

ただ、クリスタルタワーについては未プレイの人がネタバレ踏んでからプレイしても特に問題の無いものかなと思います。(そもそもサブクエストのような位置づけでもあるし)

前置きはこれくらいにして、いってみましょう。



これを読んでいる人の9割はFF14のオタクで、「新規くんの感想」に目を通す楽しみとして読むと思いますが、たぶん1割くらいは未プレイでこれからやろうという人もいると思うので、まずは「クリスタルタワーってなんなん?」という人のために『超個人的解釈クリスタルタワーざっくりあらすじ』から書きますね。


◆クリスタルタワーとは

旧作FFⅢの激ムズラスダンとして有名な『クリスタルタワー』(を模したFF14版クリスタルタワー)を舞台にして繰り広げられる完結型短編ストーリー。

古代アラグ文明という †失われし超古代文明(ロストテクノロジー)† が数千年の時を経て現代に甦り、「何故、今甦ったのか?」「この塔の中には何があるのか?」といった謎解きを入り口として物語がスタートする。

侵入者を阻む、絶対的 †魔法障壁†

†謎の紅き眼† を持つ、新たな仲間

†生ける鍵† として封印されていた、今は無き英知の結実たる †人工生命体†

消息不明だった、かつての †強敵(とも)との邂逅†

†封印されし黄金の扉† の先に眠る、"始皇帝"

物語の核心に近づくにつれ、次第に明らかになる暴君の野望

その黒い夢は、現代においてもまだ潰えていなかった

世界の危機を予感させる"真実"に触れた時よみがる、紅き眼の記憶と"願い"

そして、総てを飲み込まんとする真の闇の正体とは……


光の戦士達は、突如として現れた未曽有の危機から世界を救うことができるのか!?
次回!クリスタルタワー第1話「古代の民の迷宮」! エンシェントフレアの詠唱が始まったらバリアの起動を忘れずにな!(*^ー゚)b



・・・とまあ、『†』を辞書登録したくなる程度には「フフッ・・・オトコノコって、こういうのが好きなんでしょう?」を徹底的に詰め込んだ、超絶正統派ドテンプレ「あ、これ中学校の頃にセガサ〇ーンでプレイしたことあるわ」系RPGシナリオ。
同世代のライター陣が考える、"古き良きRPG"を全力で表現した結果生まれたものとしか思えない、ちょっと背中がむずがゆくなるレベルにノスタルジックで面映ゆいストーリー。

その信念は細かな部分にも見え隠れしていて、『〈紅血の魔眼〉と〈皇血の魔眼〉といった、"時を経て血と共に薄れ消えていった真実"を同音異義語にするやつ』とか、『古き友との確執が(完全にではないにせよ、大きく)解きほぐされた時によく起きる、"呼称がかつて肩を並べて同じ夢を見た頃に口にしていたもの"に戻るやつ』とか、『ウェッジの「アラグの技術なんて(以下略、詳細は後述)」というパーティメンバーにラストシーンに言ってほしいセリフランキングTOP10に入るようなファミコン時代から受け継がれる言い回し』とか、枚挙にいとまがない俺のMiddle school students mindに突き刺さるアレやコレ。

テキスト面の表現だけじゃなく、『ヴオンッ・・・ガシュインッ!ガシュインッ!ズッ・・・ズゴゴゴゴッ・・・』って感じの扉の開き方とか、「過去作準拠なのは分かってるし、他に翻訳しようがないのも分かってはいるけど、どうしても魂が震えてしまう」クソダサ英字サブタイトル


画像1

† THE WORLD OF DARKNESS †



なんというか、クリスタルタワーを"こう"仕上げて来たのは、僕の中では結構想定外だったんですよね。

新生からここに至るまでのシナリオはというと、『善性悪性の多面的な表現、それぞれの抱える信念という名の主義主張、伴って生じる不可避の政治臭さと説教臭さ』。悪い意味で現代的なシナリオだなーと。(ある種、これが現代のテンプレRPGだという見方もあるか。10年近く前の作品だけど)

イントロダクション的な位置づけで、世界観と設定の説明を趣旨としてるのは分かるけど、それにしたって「蛮神蛮族なんてのは人間のエゴで、どちらが正しいかなんて正解は誰にも分からない」みたいなことを延々と遠回しにぶつけられ続けるのもいい加減辟易してきた所ではあったし、これから面白くなる予感はあったにせよ、ずっとこのテンションで行くと胃もたれしそうだなーと思ってた。

そこに来て急にこんな『全おじさんが小中学生の頃、寝る間も惜しんで胸を高鳴らせならが夢中になって進めたストーリー』をぶつけて来られると、温度差で風邪ひきますよマジで。



(以下、ガッツリネタバレ要素あり。読みたくない人は次の大きな段落までスクロール推奨)




クリスタルタワーのストーリーは、勧善懲悪とまでは言わないけれど、短編ならではの読後の清涼感を重視する感じの作りで、善悪を敢えてシンプルに表現しているなと思った。
例えば、所謂ラスボスの『暗黒の雲』についても、メインストーリーであれば討伐後の禅問答の際に雲ちゃんが一言二言"ヒトの愚かさ"を論じて、こちらサイドに反省点を残しつつ消えたと思う。それを、敢えて消滅シーンを姿さえ見せずにあっさりと表現することで、"はい、ワルモノの出番はここで終わり!目の前のネロのピンチに集中して!今からいいとこだよ!"と、視点を明瞭にさせ、余計なモヤモヤなく「ネロ!?助かるの!?助かるの!?助かりそう!!!!助かりそう!!!!やった!!!!やった!!!!!!!!あっ!!!!やっぱダメ!?あっ!!!あっ!!!!!やっぱダメじゃん!!!!ああああああああああ!!!!!・・・・・・・・・ってシドォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!(;;)」と、純粋な気持ちでハラハラドキドキすることができた。
この後、ネロが"自然なシド呼び"をして『はー、シドネロてぇてぇ(;;)』で「こんな息抜き回あってもいいよな」めでたしチャンチャン♪ だと思ってたら、最後にもうひと捻り入れてきて、"これがFFであることを思い出させてくれる"、少しせつないけど決してまっくらではない、確かな未来への道筋を感じさせる終幕で、スッキリ爽やかな読後感を味わうことができた。
上の方にも少し書いたけど、ここのウェッジの「ア……アラグの技術なんて、すぐに追いついてやるッス!オイラたちの日進月歩を舐めないことッス!」という地球創生以来正統派RPGのラストシーン付近で100000000000回は見たような言い回しで、はっきりと「ああ、これでこの物語は一時の結末を迎えるんだな」って確信することができたし、そこで「やっぱりこのストーリーは深読みとかせずに、頭を空っぽにして読んでいいやつだったんだ」という答え合わせも同時にできた。




・・・というように、今回プレイした『クロニクルクエスト:クリスタルタワー』は、メインとは(シナリオ的には繋がりはあれど)立ち位置をハッキリと分けた、一種の清涼剤のようなストーリーだったなと。


でも、オッサンになってしまった今、清涼剤というにはあまりにも甘ったるくて郷愁的。


そんな、三ツ矢サイダーみたいなお話でした。(タイトル回収)




短文とは。

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