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マンガ「アオアシ」のコマからまなぶチーム論

「マンガは勉強だ!」と言い張り
マンガばかり読む自分を正当化するために書いてみました。どうもどうも。
ちょっと長いです。
マンガのコマをたくさん引用しているので物理的にも縦に長いです。

1.「アオアシ」はこんな人が読むと楽しいかもしれない

サッカー好き/マンガ好きはもちろんです
a.サッカーの試合を観て、どういう考えで選手が動いているのか気になる
b.「サッカーにはインテリジェンスが大事だ」ってどゆこと?
c.サッカーの戦術って興味あるけどよくわからない
d.なぜビジネスセミナーにサッカー監督が呼ばれるのだろうか?
と思ったことがある人。

あるいはサッカーに興味があんまりなくとも、
e.チームの中で自分はどうあるべきか悩むメンバー
f.良いチームとは何か?に悩み続けているリーダーやマネージャー
のように普段のお仕事で悩みつつも奮闘している人たち。
読むとハッとさせられるマンガの「コマ」がたくさんあるかもしれません。

ちなみに私はどちらかというと後者です。サッカーにそんなに興味はありませんでした。

2.「アオアシ」とは?キホンのあらすじ

クラブユースチームに焦点をあてた、今までありそうであまりなかったサッカーマンガです。クラブユースの構造や取り巻く環境、高校の部活サッカーとの関係性を、地方から上京し東京のクラブユースに入団した主人公「葦人」を軸に描かれています。


3.「アオアシ」はチームの在り方の物語

フィールド上のレギュラー、控え選手、2軍チーム、上級生/下級生、サポーターや支援者、そしてコーチや監督。チームを取り巻く色々な人たちが「チームの在り方」や「チームの中での自分」を悩み苦しみながら模索し続けていく物語。
結果、新しい切り口のサッカーマンガとして楽しく読みはじめてもいつの間にか、仕事での「最高のチーム」とはなんだろうか?
という悩みに対する示唆やヒントをマンガで得られてしまう大変オトクなマンガです!

4.心に引っかかったコマをピックアップ

画像の次にコメント、スタイルで沢山紹介します。
あなたの心にも引っかかる部分があればアオアシを読んで確かめてみてください!

ユースに入団した主人公に対する、先輩からの強烈な一言です。
私は新卒入社時を思い出してちょっと胸が痛くなりましたw
会社に入ったら、良い部署あるいは良いチームに配属されたらなんとなく自分も出来るようになるんじゃないか?って思ってしまう時代誰でもあると思うのです。受け身の姿勢というか、飲み会に例えると
「幹事か他の参加者が楽しくしてくれるんだろう」vs「わたしが/おれが飲み会を楽しくしてやるぜ!」的な姿勢の違いでしょうか。
あんまり難しい話はできません:D

直接的な指導ではなく、「コーチング」が大事。って仕事上でもマネージャーや先輩も良く求められますよね?コーチングが機能するとはどういうことか?その具体例が作中に!

個人戦術は状況に応じて自ら思考し、プレースタイルを変える、そして言語化する。だから「インテリジェンス」はサッカーに必要。・・・あれ、コレってサッカーだけの話かな?と思いはじめると耳が痛い。。。

個人の力量で突破しようとする主人公に対する監督の言葉。
「サッカーは1人では何もできない」
このチカラでは限界があるからこそ、「チーム」が必要。って当たり前のことのようでも個人技で突破しようとする人、あるいは昔の自分にそんなときがありませんでしたか?仕事で。

サッカーの「チーム戦術」の基本単位はトライアングル。
例えば、軍隊におけるスリーマンセル。ことわざの「3人寄れば文殊の知恵」。どの分野でもチームとして機能するは3人からなのでしょうか?

他の「わかっている」メンバーは「チーム戦術」の重要性を主人公に伝えていました。でも、主人公は興味がなかったので何も気づけなかった。
「カラーバス効果」でしょうか。自分自身が、興味関心や課題感を持っている=アンテナを張る ことをしていなければどんな良い教えも、そよ風のように吹き抜けるのみである。アレ?これ、サッカーの話だよね?耳が痛くて苦しい。

「指導者も未熟だ」
監督とコーチの話し合いの場面。完璧なリーダーやマネージャーなんて存在しない。メンバーも、そして自分達も未熟だと認め、間違うこともあるけれど悩み考えながら導く。的な心の在り方でしょうか。完全無欠なリーダーであらねばならない、と苦しんだ経験のある人になんて響く言葉でしょうか。
ちなみに、この考えの在り方はマンガ「宇宙兄弟」のムッタのリーダー論にも通ずるところがあるのかな?と感じます。

そして、作中にはそんな 未熟さ=自分たちの弱さ と向き合うことで強い「チーム」となったライバルが現れます。クラブユースより劣る環境、個の技術レベルの低さなどの不利な条件、そしてクラブユースに対する劣等感とも向き合い強くなったチーム。
このチームの強さは「最強のチームとはハイパフォーマーを集めたチームではなかった」というGoogleのプロジェクト:アリストテレスの話も拾っておくと趣深いです。個の強さだけが、最強のチームの要素であるならば、この時点での主人公が所属するチームはスキルレベルにおいて、相手を圧倒するハイパフォーマーの集団だったからです。

そして、ライバルチームが強いことにはもう1つ理由がありました。
ジョジョ風に言うと「恐怖を乗り越えて」プレーしている感じでしょうか。
プレースタイルに「リスクを冒しにいく」という考え方がインストールされているのです。
ビジネス上では、チームはチャレンジしているのか?てな感じでしょうか。

アイコンタクト。
サッカーに関心が薄かったわたくしは「超能力の一種かな?」と思っていました。目を見るだけで意思疎通なんてできるわけないよねー、なんて。
でも、そんなアイコンタクトを可能にしてくれる基盤はちゃんとあるんですね。
普段からのお互いの考えを知るためのコミュニケーションを積み重ねた結果なんですね。
ビジネス上で「アイコンタクト」にあたるものってなんだろうか?そんな「アイコンタクト」を実現するために、普段から考えや意志の表明をチーム内で十分しているのだろうか?
サッカーと仕事のチームって、なんか類似性が高いなぁと思えてきませんか?

チーム内の圧倒的なエース選手の独白です。
目指す高いレベルについてこれないやつは切り捨てる!自分のプレーレベルを下げる気も無い!端から見ると、エゴイストのように映ると思いますが彼には明確な理由と意志がありました。

例えば外資系コンサルティングファームから転職してきたマネジャーやメンバーがチーム内の既存メンバーに対して抱えるフラストレーションとしてよくあるヤツじゃないでしょうか?(偏見)
話の、思考の、レイヤーが合わない、物事をとらえる解像度が違いすぎて既存メンバーと議論が成り立たない。でも、他の既存メンバーから見ると「なんか小難しい抽象論が多くてめんどくさい人」と見られる、みたいな?
結果、孤軍奮闘しているけども誰からも理解されることは無い・・・・・
(あくまで例です)

そんな、悩み苦しむ圧倒的なエースの彼はこのコマの後、どうするのか?
ネタバレなのでここでは割愛します。

クラブユースのメンバーはJr.ユースからの昇格生と外部入団組に分かれます。昇格生は小さい頃から周りと比べて圧倒的にサッカーがうまく、入団後もサッカーエリートして教育され「エリート意識」なるものを持ちがちなようです。
でも、監督やコーチは考えます。そんなエリート意識を持った同質性の高い集団では勝ち続けることは出来ないと。そして、エリート意識持ったままクラブユースへ昇格したメンバーももう一皮むけるためには、そのエリート意識を自分で認識し、乗り越える必要があると。

最高のチームのためには、「淀み」が必要、ってこれはもう”化学反応”を期待して異質なメンバーをあえて混ぜるビジネス上の組織論と全くおんなじやん!と感じるわけです。でも、当然ながらハレーションが起こりますよね?

そこをどう乗り越えていくのか。監督やコーチ(リーダーやマネジャー)と選手(メンバー)それぞれの視点で、アオアシでは語られていきます。

監督やコーチの考えるチーム必要な「淀み」や「異質なもの」として、強烈なエゴイストこそが化学反応を生む、と語られる場面です。

これきっと、仕事においても似たようなことがよく語られますよね?
でも、そんなメンバーを御するのはマネジャーの力量が問われてしまうのでなかな踏み出しづらいことも・・・。そんなシーンでアオアシの中のマネジメント層はどう振る舞ったのか?仕事のチームにおいても得られる示唆がきっとあります。

5.チーム論以外の見どころもいっぱいあるよ!

なんだかご飯がめっちゃ美味しそうなんです。
「ご飯描写が美味しそうなマンガにハズレ無し」理論ってあるじゃないですか。アオアシもその例に漏れずです。個人的には、部活後の”部活飯”の思い出が蘇って猛烈にお腹がすきます。

女性たちもみんな素敵でかわいいのです。
そして、主人公は個性的なキャラクターの位置づけの割にモテすぎでは?とちょっとうらやましくもあります。

そして、「最高のチームとはなにか?」日々悩み苦しみながらも前を向き続けるすべての人へヒロインの花さんからのエールもあったりします。(読者へのエールかなと勝手に思ってます)


6.最後に。マンガ「アオアシ」と合わせて読むと面白い真面目な本

長々と見どころのコマを紹介してきました。
みんな、マンガを楽しみつつ「勉強になった!マンガは勉強だ!」と言い張って頂ければ幸いです。

そして1つだけプラスして、アオアシを読んで最高のチームの在り方に思いを致す人たちへ。これをアオアシの副教本として読むと面白いと思います。
あくまで、副教本です。マンガで既に学んでいるんですもの!

なんだかアオアシとリンクするところがあるなぁと思ったのです。

おしまい

#マンガ読書感想文 #アオアシ #アル #マンガは勉強です


チカラの限り、マンガを買い続ける人生を送ります。