何を成果とするか。俳優って難しい。

新人募集プロジェクトに2人のニューピースKくんとHさん(新しく所属になった俳優)をスタッフとして加わってもらいました。それで、1回目のブレストをズームで行いました。

このプロジェクトを通して、時間をかけてお互いに必要とされる関係を築ける俳優と契約したいこと、試行錯誤を繰り返して一定の形を整えることができたら、常に企画をお付き合いのある監督たちに募集して、心あるけど資金繰りに苦労してる監督たちの一助となりたいこと、などについて意見交換しました。

ブレストですから、話は多岐にわたるわけで(私の話はあっちこっち飛び回りながら核心に近づいていく感じなので、なれていない人は取り止めのない話のように感じて困惑するかもしれません)

気持ちに重きを置いていいのか。仕事の成果の計り方

どんな事務所がいい事務所か、ミッシングピースのどこがいいか、などと聞いていました。
Kくんが撮影してて、求められてることを表現できてるように感じられる瞬間があって、それはとても嬉しくて、ああ良かったなぁって思うんです」

なるほど、分かります。言わずもがなのコミュニケーションが取れた時の何とも言えない高揚感ってありますよね。だけど、それは「目指す」ことではなく「求めること」ではなく、彼が俳優を選んだ動機にしてはならない部分だと思うのです。


「仕事ってさ、できて当たり前、できなかったら大問題。ってことがあるじゃない?俳優の仕事もそうだと思うのね。学校じゃないから、なかなか現場でいいね!うまいね!って声かけられないし、そもそも自分にベクトル向いてないことばかりだし。
OKテイクの時に、不安になって、もう一回いいですかって言っちゃったりする人がいるんだけど、全体を通してOKテイクになったから、自分の出来不出来とか感覚でもう一回って言っちゃあダメで。
通じてるか通じてないか、喜んでもらえてるかそうでないか、で自分の仕事ぶりの出来が良かったか悪かったかって判断しないように。
どう?難しいよね。俳優って感情が豊かだし、感受性も豊かだから、その時々の自分の感情の満足を求めちゃうところがあると思うんだけど、そうじゃなくて、これ、仕事だから、
何も言われなかったら、それで勤めは果たせているから粛々とやっていくというのは難しいよね」

何を目指しているのかを時々、確認する

仕事を通じて何を目指しているのか、時々確認すると、途中途中の満足感にとらわれなくなるかもしれません。毎日確認するべきかもしれないし、確認しなくても染み出してくるくらいにならなきゃいけないのかもしれませんが、そんな風にしてると私は疲弊するから、何を目指してるのか、時々、確認するようにしています。見えてくるものが、見えるものが変わってくるかもしれませんよ。私は見えてるなぁ。