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100年企業に向け、人間力と技術・知識の融合した医療人へ。どう歯科クリニック院長 堂真道 さん

札幌市で歯科医院を経営される医療法人社団真誠会どう歯科クリニック院長の堂真道さんにインタビューをさせていただきました。

堂真道さん プロフィール
経歴
昭和63年 大阪薬科大学卒業 同年 薬剤師免許取得
平成6年 北海道大学歯学部卒業 同年歯科医師免許取得
平成10年12月 札幌北区にて、どう歯科クリニックを開業
出身地 大阪府
活動地域  主に札幌市。大阪、東京へは新しい技術を研鑽しによく行っている。

Q. 今はどんな活動をされていますか?

堂真道さん(以下 堂 敬省略) 私は現在、医療法人社団真誠会どう歯科クリニックで歯科医業を営んでおります。私の考える医療人とは、知識と技術を高めるのは当たり前で、その上で人としてどうあるべきかを高めることが重要だと考えています。しかし、一般的に医療人は知識や技術が中心になりやすく、人としてどうあるべきかを高めようとする人はなかなか少ないです。私を例にして言えば、私は歯科医として生まれてきたわけではなく、一人の人間として生まれてきています。だからこそ、知識と技術、人間性の両軸を持つことが大事だと考えています。
 このことはなかなか伝わりづらいこともあるのですが、社員教育を通じてうちのスタッフにも伝えています。私はまず自分から変化していくことが大事だと考え、倫理法人会での勉強や、本を読んだり、様々なセミナーを通して学びも深めています。もちろん歯科医としての知識や技術を高める勉強も継続していますよ。
 技術が確かであることだけではなく、親身になってくれる先生に私はかかりたいと思っていますので、私たちの医院では人間性(人柄)というものを大事にしています。私たちの診療所はクライアントさんの生活習慣について深くお話をすることもあり、コミュニケーション作りを積極的にしております。
 仕事以外の活動としては、ミャンマーでの歯科ボランティアの活動を3年前から定期的にしております。経営者になると、どうしても普段はお金のことを考えざるを得ないのですが、ボランティアをすることで、自分が心も豊かになって行くことができますし、お金から離れることもできて、非常に気持ちが楽になりますね。だけどこれをするにはまず自分たちが豊かになることが大事だと考えています。
 また私は絵本セラピストという資格を妻と一緒に取得していて、歯科医療の傍ら担当医をしている百合が原小学校で、朝の読み聞かせの会に妻と勤務医と一緒に参加しております。絵本にはメッセージ性があり、読んで自分の内面性に気がつくことができるのですね。実は大人こそ、絵本を読んでほしいと感じていますよ。

 ご依頼を頂けば講演活動もいたしますが、先月は北大の札幌遠友夜学校という社会人大学でお話をして参りました。
 この夜学校は明治時代に新渡戸稲造先生が札幌農学校を卒業した後、学校で学べない貧しい子供たちのために私費を投じて作ったもので、当時北海道大学の学生が、ボランティアで勉強を教えていました。自分も北大を卒業したこともあり、自分の経験したものが、皆さんに少しでも貢献できたらと考えています。

Q.これからの時代にどのような夢を描かれていますか? 

 そうですね。100年企業を創りたいと考えています。会社を継続することはとても難しくて、今の時代、ほとんどの会社が続かなくなってしまいます。続けられるということはとても大事なことで、地域の方に応援されて愛されないとできないことなのですよね。続けることができたときに今度はこちらが地域を応援することができると考えています。会社を経営するということは雇用を作ることで、それによって人の生活が守られます。これも地域の役に立つひとつですし、歯科医院としてお口の健康を通して地域の役に立つこともとても大事です。
 だからこそ、しっかりと経済的な基盤を作って、自分たちが心身ともに豊かになっていくことが大事だと考えています。
 人財を育てていきたいと常に考えていますが、ここは医療機関なのに人間教育に傾きすぎていると言われたこともありますね。(笑)
私たちは病気だけでなく、人の心も癒してあげなければならないのです。だから、人柄や人間性が大事だということを社会に出て痛感しています。
記者 お話を聞いていると社員さんをとても大事にしているようにお聞きできますが?
堂 このように言うと語弊があるかもしれませんが、うちの院では患者第一ではなく、社員第一をまず考えております。ボランティアを経験して感じたことは、人に与えるためにはまず自分が豊かになって満たされなければ難しいということです。社員が生き生きして働いてくれていれば、自然と患者さんに優しくしてくれると思いますし、患者第一を通そうとすれば無理が生じてしまいます。歯科医療を通じて、患者さんだけでなく社員も幸せにすることが目的です。

Q.夢に向かって具体的な計画はありますか?

 そうですね。実はいつまでに何をやるとか細かい計画は立ててなく、私は目の前にあることをこなして行くタイプの人間なのですね。人間の生き方には、西洋の成功哲学に代表される『目標達成型』の生き方と、東洋の『天命追求型』の生き方があって、私は後者が自分に合っていると考えています。天命追求型とは、今目の前にあることを今一生懸命やって、天が導いてくれるという考え方です。西洋的な考え方は、結構辛いのですよね。日本は、戦争に負けたからこの考え方が浸透していますが、私は和の心を重んじる日本人とは異なる考え方だと思っています。
地域に愛されること、ボランティア活動をしたり、知識を高めることや、社員教育をすることもこちらができる最大の準備だと考えています。
 そのためにシステムを作って行くことは大事だと考えていて、
1.院長の私がいなくても回る医院をつくる
2.スタッフが自由な発想で楽しく仕事ができる環境を整えてあげる
3.子育てしながら女性が働ける環境を作る
 特に2つめは難しくて、実際は僕の医院でもスタッフが辞めたりもするし、色々ありますね。外からはずっと成功してるように見えるけど、皆と同じように僕も落ち込んだりする時もありますし、その中でいかに前向きにやって行くかが大事だと考えています。

Q.AI時代についてはどのように思われますか?

 AIが進んでいくと無くなっていく仕事も多いと言われていますし、例えば私たちの業界でも入れ歯の型取りをする必要が無くなって、顔をスキャンするだけで、義歯がポロンと作れるような時代がきたら、歯科医師はいらなくなりますよね。
私はこれからの時代は優秀な人の定義が変わると考えています。
 今までは知識があることや、技術があることが優秀な人の条件でした。だけど、これからベーシックインカムが入ってくるでしょうし、仕事というものが大きく変わってくると思います。そうなると、人の気持ちがわかる利他の心を持てる人、愛を持っている人が優秀になってくると考えています。
 AIにできないことは僕は3つあると考えていて、
1.クリエイティビティ 無→有の考え方
2.マネージメント
3.ホスピタリティ(思いやり・慈しみの心)
 これを持っている人間がこれからの時代に必要になると見越しているからこそ、未来を見据えて人間教育をしています。これからは心の優しさ、思いやりを持てる人が優秀な人になる時代です。
 特にこれは日本人が得意な分野だと考えていて、何かあった時に手を差し伸べるとか、エレベータで皆が降りるまでボタンを押していてあげるとか、震災の時でも皆で助け合うとか、これは非常に大切なあり方だと考えています。

Q.夢の実現に向けて実践してることは何かありますか?

 まずは何にでも感謝する心を忘れない事ですね。僕は小林静観さんの本がとても好きで読み漁ったのですが、何事も当たり前に思わないことですね。
仕事があるということはとてもありがたいことで、感謝の気持ちを忘れないことが大事だと考えています。これは僕に感謝してくれという意味ではなくて、仕事を持てること自体に感謝をしてほしいという意味です。
 感謝をすることって、つい忘れてしまう時がありますよね。私の立場から言えば、医院を運営できるのはスタッフが勤めてくれるからだとか、地域の人が来てくれるからだとか、健康でいられることだとか、そういったことに感謝をしています。
 そして、医療人ですから研鑽することを怠ってはダメです。私たちで言えば、医療人はお口の健康を通じて人を幸せにすることが仕事。だから、セミナーに行ったり学びはとても大事です。
あと、ボランティアも若い時に行くのがいいですね。流石に56歳が行くと、しんどいのですが笑

Q.ここまで人を大切にするようになった背景にはどのようなきっかけがあるのでしょうか?

 家系ですかね。幼稚園から高校までPL学園で過ごしました。宗教と縁が深かったのでしょうか。うちの祖父は人格者で、若いころから、人の道を叩き込まれたのだと思います。
 病気だけでなく、人の心も治さないといけないから、社会に出て人間性の大事さを感じますね
 神様や見えないものに対する畏敬の念を持つことを自然と大切に思うようになりました。PL教団の教えに100日参りというものがあって、薬学部を卒業して医学部を再受験しようとした時、これを初めて行いました。それまでは宗教の教えを疎ましく思っていた所もありましたが、後が無くなったこともあって、この1年は神様も全部信じてやってみようと思ったんです。
 祖父は僕が中三の時に亡くなっていたのですけど、ずっと守ってくれている感じがしていたのですね。100日参りをしていた最中に祖父からの声が聞こえた気がしました。『歯学部を受ければいいよ』と。
 それまで医学部を専攻していたけど、その言葉に導かれるように歯学部に移行することに決めました。親父にも何で転向したのかについての理由は言ってなかったな。
 その後、幸運にも北海道大学の歯学部に合格して今に至っています。
 何かに夢中になっていると、何か目の見えないものに助けられるんですよね。それに気がつけるのかが大事で、チャンスを掴めること。チャンスの女神は前髪しかないという言葉は有名ですよね。僕は縁と運と勘で生きているなと感じています。
 回り道をしても全てに無駄はない。一所懸命やっていても、なることはしょうがないし、みんな辛い思いをしている。
 PL教団や、倫理法人会の学びを通して、今までのいろいろな経験が良いことにつながると自然と思えるようになってきました。
 そう考える方が楽ですし、1人1人人生の課題が違う、そこには逆らえないから、自分の課題をこなすだけだなと考えています。

Q.最後に座右の名を教えてください。

 『千里の道も一歩から』
何でも小さいことを積み重ねて行くことが大切だと考えています。
 それで成功するかはわからないけど、
成功の定義は人によっては違いますし、皆さんは成功とはどのようなものだと考えますか?
 私の好きな言葉で、
『成功者とは、自分の力ではなく人の力を最大限に生かすことができる人である』
という言葉があります。
 今まで、天才とはアインシュタインとか、能力だったり知性のある人を天才と呼んでいましたが、実は皆、天から与えらえた才能をもっているから、みんな天才なんですよね。それに気づいているかどうかが大事だと考えています。
 自分の天才を発揮できる仕事につけて、それが人の役に立てて、楽しく生きることができる。自分の好きな仕事を、好きな時に、好きなだけやれる。それが私にとって真の成功だと思っています。何か人のために奉仕しようとする『利他の心』をみんなが持てば、世界は平和になっていくのではないでしょうか。

記者 熱いお話をありがとうございました!!


編集後期 堂先生の視点をお聞きして、とても面白かったことが、これからの未来を見越しているからこそ、人間としてどのように在るのか?そこに着目しているというところでした。人が輝く時代を創っていく先生の姿に刺激を頂くことができました。ありがとうございました。

記者 ミッションリンク 堀江・赤尾

堂先生のHPはこちら! www.do-dental.com
Facebookアカウントはこちら! https://www.facebook.com/masamichi.do

この記事はリライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36

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