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古代人の長寿…天皇長寿は本当か?中国史書に見る真実の驚き!!

 初代天皇から第16代天皇までが、俗にいう『長寿天皇』であり、寿命の平均は111才とされている。
 科学の進歩した現代では受け入れ難いとされています。
 第17代履中天皇からは、70歳で死去している。

歴代天皇の寿命

 さて、事の真偽はどのように評価されるのであろうか?
 現在は、我々が持っている『物差し(スケール)』で判断する。これはある意味、避けられないことではある。
 しかし、この現代人の『物差し』だけで【あり得ない…】と言い切れるものだろうか?
 歴史を研究する意義は、
 ★★過去に何が真実だったのか?
を見極める手段だからである。
 歴代天皇の退位年と経過年は下のグラフのように第16代天皇を境に現代に近い退位年の変化になっている。第16代履中天皇の即位は西暦400年頃とされている。

歴代天皇の退位年変化

 この謎を解くうえで古代の日本人の寿命がどのように記載されているのか中国の史書を見てみよう!
 実は、日本人の寿命について記載している史書は、二つはある。
(1)「後漢書」巻85・東夷列伝(400年頃南朝宋の時代范曄の手によ
   る)
(2)「三国志」巻30・魏書30・倭人(3世紀中頃陳寿の撰)
である。中国の史書には互いに参照しているものがあるため注意が必要である。
 ここでは、上記二つの記述を見て判断すればよい。
 さて、(1)後漢書には、
       『…多壽考至百餘歳者甚衆國多女子…』
現代文でいうと、太字部分は
       【長生きの人が多く、百歳以上に達する者が沢山いる】
である。
 次に(2)「三国志」(倭人)には、
       『…其人壽考或百年或八九十年…』
同じく現代文でいうと、太字部分は
       【人々は寿命が長く、ある人は百歳、ある人は八、九十歳
        でも生きる】
上記は、「倭国伝」(藤堂明保他訳注)によっている。
なお、壽考とは、(「寿」「考」はともに、長生きする意) 長生きすること。
 なお、退位年の曲線が変化するのが、履中天皇即位の西暦400年頃である。
 以上のように、少なくとも西暦四百年頃まで人々の寿命は百歳を越えることもあった様である。
 では、この後、何が起きたのか…次回以降このミステリに挑みます。
 本当に、長寿天皇はいなかった!と言えるのでしょうか??

 

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