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伝統の型を現代へ

バイキングテントと呼ばれるテントの型があります。その歴史は今リサーチ中ですが、その形を見ると、木を使った造船技術から派生したであろう事が想像できる。

時は2020年代を迎えようとした時、
愛知では植樹際が行われ、戦後の木材利用の乱高下を経て成熟した山の木々を「さあ使おう!」そんな機運が高まり出した。
そんな時に、山の方から聞いた言葉が印象的だった。

「これが最後。ここでダメになったらもう次はない。」

間も無く、業界の組合、建築士、関係者による都市における木材の活用に向けての協議会が立ち上がったり、勉強会が始まったのがコロナ禍の出来事。

経済的な打撃が加わり、本社の必要性などが語られ、都心部のオフィスやホテルは黄色信号。

それに加え、税収減など公共投資も先行きが不透明だ。

元々、コミュニティに根付いた生業の僕には業務上はあまり関係のない話ではあるのだが、先の林業の事を思うと苦しくなる。そして出来るだけ大型の案件が木質で動く様に願うのである。

生業の木造住宅の分野でもアメリカの住宅需要に煽りを受けて輸入材が高騰を始めた。
これは国産材活用に向けて追い風ではなかろうかとは思うが、現場がその需要に対応出来ない、過去に振り回された経験もあっての一体感を感じられない今がある。

「使いたくても使えない」は早急に解決しないといけない最低限の課題だと思う。

そして川上、川下論になると必ず話題になる、
ユーザーの理解を求めて木に触れるワークショプなどを開く、まさに河口での入り口活動なのですが、コロナ禍でなかなかイベントが開催出来ず歯痒い思いが続いています。

どうしても苦しい話ばかりになってしまうが、
そんな時だから始めてみようと思った事がある。

コロナ禍でキャンプの人気が高まり、木製キャンプギアの人気が高まってるというではないか。

いくつかの試作をしてみた。

都市もイベントも難しければキャンプの木質化は良いじゃないか!なにせそこは山なのだから!いつもの例えなら川下の人々が川上に集っているのだから!

そしてコロナ禍、テントに挑んでみようと出会ったのがバイキングテントでした。
シンプルで強度がありそうで、なんとも言えない無骨な姿にコレだ!と思った。

キャンプギアならあの無骨さは必要ないし、扱いやすい丸みがあった方が良い。
何より女子でも使える軽さとシンプルさが必要なのだ。

試作初号機は構造的検証と、オプションの拡張性を探るために作ってみた。
横揺れがかなりしましたが、ロープのテンションで解消。各部材のたわみも少し気になりますが、柔らかい構造としてはこの位が良い感じがします。そして何より軽い!
女性にはコレがイイです。

これまでの制作経験も踏まえて、以下の点を
仕込んでいます。

部材数はできるだけ減らす。
同型、同寸で組み上がる分かり易さを追求しています。今回は3種。

汎用部品でメンテはホームセンターで。
金具類はホームセンターで買える部品で
デザインしています。

思いついたら拡張できる接点を。
モジュール的に穴や、はめ込み用の切り込み
が施されています。

そして、最後になりますが、
こんな計画をしていたら、イベント会場の装飾のお話があり、一気に10棟を作る事になりました。そしてSDGsの関係という事もあって、県産材のみならず廃材の活用までにお話が及んでいます。
予算もあってリースによって各所へ貸し出す方式となりましたので、アフターコロナにはイベントで使いたい!というお話も是非お待ちしています。

まだまだ春の完成に向けて詳細を詰めていきますが、なんでも気になった方は是非メッセージください。

また、少量多品種分散製造、木質デジタルファブリケーション、コミュニティサプライヤー、
コミュニティビルド、DIY、キャンプ、イベント、ここ辺りのキーワードにピン!と来たら是非フォローして下さい。

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