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2021年 風の意味を知る

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

2020年は丸っと一年間ずっと何が真実(又はリアル)で何が虚偽(又はバーチャル)なのかを考えていた様に思います。

そこに存在する人物の姿はリアルであっても人物像は虚偽であったり。
人物はバーチャルでも(リアルでお会いしてなくても)話す内容が真実と思えたり。

多次元化とか言いますが、現実世界の中にもう一つレイヤーが増えたような感覚を実感した人は多かったのではないでしょうか?

そして年末にも書きましたが、「物質への執着が終わり、風の時代が来た。」という言葉に多く出会い「風」とは何だろう?そう考える機会が増えた年末でした。

なぜなら、建築、不動産は「物質」としては一番執着の強いものではないかと思いますし、「風」はこの10年、自分自身が建築という言葉の終焉を感じ、FunFactoryという場を通してイメージしてきた事そのものだからです。

今年で9年目を迎えるコミュニティカフェと名付けたレンタルスペースがオープンする際に掲げた言葉こそ風で、それは、

●新しい風を地域に
“ファン”ファクトリーは、地域に眠る楽しい人、楽しいアイデアを発掘し、まちに「Fun」(楽しみ)を送り出す「Fan」(送風機)として機能することで、まちの人たちがお互いの「Fan」(支持者)になり、そしてみんなで「Fuan」(不安)を吹き飛ばす。そんな新しいコミュニティーの創造を目指しています。

でした。

10年も上記を意識して実際の事業をいくつか世の中に送り出すことが出来ましたので目標には沿ってると思いますが、9.11やリーマンショックからずっと感じていた不安がパンデミックという形で現実のものとなり、みんなで吹き飛ばす予定だった不安はなかなか手強い事を知りました。

あまりの不安に、より支え合う方向へ進む一方で、これまでには無かった分断が生まれることが分かりました。

その背後にあった感情は「見てるとつらい」、「読むとつらい」などSNSを中心にした情報や、会えない事で仕方なく交わされるメッセージなどだった様に思います。

文字や写真、動画を用いて個人が情報を飛ばせるようになった昨今、これが人を動かす事のできる「風」だと僕も理解していましたし、有名タレントがテレビを離れ動画サイトに移住する理由もそのチカラを理解したからだと語られていました。

ところが、緊急事態宣言下の様な特殊な状況では、楽しい場所から楽しい風(情報)が吹くことは、ある人には心地よくとも、ある人にとっては嵐にも感じる向かい風になってしまう事を知ることになったのです。

そんな中で、一定以上の評価を受ける「風」(情報)もありました。
また少し人と人が会う事が緩和された時期に「会う」事の意味と価値を再度知り、
その共通項を探すことで「もしかして?」と思う事がありました。

「風」の真の姿をおぼろげに捉えた。

そして昨年の10月にある転機がありました。
コロナ禍で創業を考える方たちにお話をする機会を得てFunFactoryを活用してお店を持った二人と一緒にその過程のお話しをしたのですが、その中で「目には見えない価値」のお話をしました。
いつもなら難しくて???と空気が止まるところでもあるのですが、後日何人か訪ねて来てくれた方からは「新しい発想を得た」みたいな感想を頂き驚きと共に変わりつつある理解がある事に気づいたのです。

これがその時の図です。
現行の経済システムに於いて優良な事業を目指す事は、物の物理的な移動距離を出来るだけ長くし、その物の価値を最大限に高めて通貨で交換していく事です。そして見える形で最大の評価を星や数字で得られる事も重要です。(黄色い世界)
2年ほど前にこの見えない価値を見る視点を得て、それが新しい風の理解とは思っていませんでしたが、現時点ではどこでバランスを取るかという事が重要である事を理解しました。ただし、これを伝える事は本当に難しくて、何を言ってるのかすら分からない時が続いていました。
ところが、コロナ禍に於いてこれが伝わる様になったのです。
そして自分の中でも理解に進展があった様に感じました。
11月、12月とその事を考えて来ました。「物質への執着が終わり、風の時代が来た。」そう聞くようになった年末と時を同じくして、「白いエリアに吹く風」がある。その姿を少し捉えたかもしれないという感覚と共に2020年は過ぎて行きました。

前から吹く風と後ろから吹く風

何を捉えたのか?
それは黄色いエリアと白いエリアで吹く風(情報)に方向性があるということです。解説図も出来てないのでこれは2月、3月に頂いている新しい場で話したいと思いますが簡単に言うと、黄色いエリアは前から吹く風、白いエリアには後ろから吹く風があるのです。
「前」にも色々な意味がありますが、分かり易いとこで行けば先駆者といえます。インフルエンサーしかり先に興味のある物、事をしてる人が伝える情報には価値があります。その結果、物が売れたり、情報が拡散したりするのですが、ややこしいのは情報の対価の流れです。

10年前にコミュニティから吹かそうとした風は、発生源(個人)に発生先(コミュニティ)から対価が帰ってくるイメージでした。

ところが、コミュニティの価値が高まるにつれ、その対価が風の発生源の背後、つまりはコミュニティよりも大きな組織から得られるようになると風は2種類存在するようになり、その使い分けも、見分けも整理されないまま受け入れて来てしまったのだと思います。

おそらくコロナ禍で、二つの風が各所から一気に吹いた。
最初に書いた「つらい」は自身にも反省点が残るところなのですが、
自分の理解を他を想い伝える風と他者の理解を他を想い伝達する風です。
似た構造だがいつもとは違う風が吹くことで「つらい」という感情が生まれたのだと思います。
論外だったのは誰を想う事もなく自らの為に動画を流す事に例を見る無理解を自分の為に伝える風だった。

この中で時に自分も気持ちよい風を感じたり、世の中で評価される風と思われる事象(情報)がいくつかありました。

それが「後ろから吹くような風」と思ったのです。

この表現が正しいかは2021年という年が判断をしてくれると思います。
建築という行為に疑問を抱き、コミュニティを通して10年の変化を見て来た者が見つけた事があるとすれば、この変化する風の向きを少し捉えた事だと思います。

おそらく以前から、更にコロナ禍を経て、これまでの構造は一変する事は誰しもが疑わない事実だったと思います。もちろん理由は一つだけじゃなく、地球環境、世界経済、地域経済、人口、SDGsの様に様々な理由が重なって大きな方向へと進み始めていました。

でも大きな風が吹いてすべてを吹き飛ばしてくれる様に、
誰か強いリーダーが出て来て一気に世界を変える様な言葉は無いと今は思います。

穏やかな向かい風に心地よく歩みを進め、先の景色に想いを馳せ、
厳しい向かい風に前を向けず下を向き、地面を見ながら必死に進んだ。
その中で感じた後方からの新しい風がある。
2021年はこの意味を知り伝え、創る。今感じてることを信じて進むつもりです。


ミタキスペースファクトリー(MitakiSpaceFactory1級建築士事務所)
Community cafe Fun Factory
GIFT(Glocal Innovation Factory Toyokawa)

本当に多くの方に支えて頂き感謝しています。
相変わらず小難しい事言っておりますが、真っ直ぐに生きています!
本年も一緒に楽しい事しましょう!

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