来ましたねぇ新曲！

　前作『The Quest』の先行配信曲だった「The Ice Bridge」と同系統のハード路線ながら、注目すべきは作詞作曲のクレジットがビリー・シャーウッドとジョン・デイヴィソンのアーク・オブ・ライフ組になっている点である。　　　
　作詞作曲がアーク・オブ・ライフで、演奏者も（ジェイ・シェレンが長きにわたるライブ要員時代から晴れて正式メンバー入りしたことで）6割アーク・オブ・ライフ（になった）なのに、ちゃんとイエスの曲にしか聞こえないのが凄いと思う。これはやはり、作曲に関わっていなくても彼ら当人にしか出せない音で曲を彩っているハウとダウンズのおかげであり、ミックスとエンジニアをちゃんと専門の人に任せているおかげなのだろう。ビリーには悪いが、技術職まで彼に任せずに、カーティス・シュワルツという人を連れてきたハウは本当に偉いと思う。ビリーは何でもできるとは言っても、結局ベース弾きながらコーラス歌ってるのが一番合ってると思う。
　
　その流れで言うと、前作『The Quest』の数少ない不満点だった「デイヴィソンとビリーは二人でハモるとお互いの声の弱点（キレイだけど細いデイヴィソンと太いけどガサガサのビリー）を打ち消し合って良い感じになるのに、なぜかわざわざハモリをオーバーダビングしてまで別々に歌っている」という部分（コロナで二人の録音場所がバラバラだったせいもあるのかも知れないが）がいきなり解消されているのも非常に嬉しい。先行配信曲だけでなく、アルバム全体もそうだと期待して良いんですよね？