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東大を目指すなら仲間を作れ! 孤独な受験が危ない理由

文:青戸一之(ドラゴン桜noteマガジン編集長)


先月、長崎県の離島にある高校から東大合格者が出たというニュースが、受験業界で話題になりました。

その合格者の人がどのような環境でどう勉強したのか詳細は分かりませんが、学校の生徒数や過去の進学実績から想像するに、勉強は一筋縄ではいかなかったと思われます。受験の世界では、切磋琢磨する仲間がたくさんいる方が戦いやすいとされているからです。

今回は、なぜ孤独な受験が難しいのか、そしてなぜ受験において仲間を作ることが大切とされているのかを、東大合格者を何十人も出す進学校の例と比べながらお話ししたいと思います。


・都会の進学校が東大生をたくさん出せる理由

東大合格者数の高校ランキングを見ると、毎年何十人、時には百名を超す都会の進学校の名前がズラリと並びます。なぜ同じ学校から、こんなにもたくさんの東大生が生まれるのでしょうか?

「元から優秀な子どもたちが集まっているから」「学校側が東大合格のためのノウハウを知っているから」など、色々な理由が考えられるでしょう。もちろんこれらも大きな要素ですが、一番の違いは東大受験に挑む仲間の数です。

地方の進学校では、東大受験に挑む生徒がほんの数人、あるいは一人しかいないという状態も珍しくありません。この仲間の数の差が、受験の結果にも大きな差をもたらすのです。『ドラゴン桜2』でも、受験において仲間を作ることの重要性を説明しているシーンがあります。

いかがでしょうか。超進学校になると東大受験に対して特別な意識がなく、「みんなが行くから自分も」という、ある種の軽いノリで挑めるのです。模試や本番の受験会場でも学校の仲間がいるため、普通なら緊張する状況でもある程度落ち着いて臨むことができます。

一方、地方の高校ではそうはいきません。周りにはほとんど東大やそれに近い難易度の受験に挑む仲間がおらず、東大受験が特別なものとして扱われます。ややもすると「あいつ東大目指してるんだって」と周囲から浮いてしまったり、学校や家族などから過度な期待や応援を受けてプレッシャーになってしまうこともあります。

また、受験当日も東京という慣れない土地まで遠出して余計な神経を使いながら、試験会場では超進学校出身の受験エリートたちに囲まれて気後れさせられ、さらに地元の色んな人の期待を一身に背負いながら戦わなければなりません。地方出身という時点で、最初からハンデを負っているようなものです。

だからこそ、このハンデを少しでも減らすために、ともに切磋琢磨する仲間が必要なのです。先ほどのマンガの他にも、『ドラゴン桜』や『ドラゴン桜2』では、仲間の大切さを説くシーンがいくつもあります。受験は一人では戦えないのです。


・受験仲間がもたらす恩恵とは

今ではインターネットのおかげで、受験に関する情報やオンラインの講座にアクセスしたり、良質な問題集や参考書を手に入れたりするのが容易になりました。昔と比べると、一人で受験に挑む環境を整えやすくなったのは間違いありません。

ただ、情報や教材さえあれば十分かというと、もちろんそんなことはありません。やはり、ともに戦う仲間の存在は大きいものです。

例えば、超進学校であれば周りは東大受験生ばかりなので「これくらい勉強して当たり前」の基準が高く、自然と周りに引っ張られて学力が伸びていきます。

同級生や下級生に対しては「あいつには負けられない」という良いライバル意識が生まれ、上級生を見れば「あんな風になりたい」と思わせてくれるモデルケースがいます。勉強のモチベーションを高めてくれる存在が、身近にゴロゴロいるのです。

また、勉強で分からないところがあれば気軽に尋ねることができますし、効率のいい勉強法や参考書について情報交換することもできます。受験で戦う仲間がいれば、これだけの恩恵を得られるのです。


・地方の孤独な受験生はどうすべきか

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