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学び方を学べ!ドラゴン桜公式マガジン 2018年10月8日(月) 【Vol.051 取材記事・コラム版】

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学び方を学べ!ドラゴン桜公式マガジン
2018年10月8日(月)
【Vol.051 取材記事・コラム版】

月曜日7時・木曜日0時の週2回配信
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こんにちは。『ドラゴン桜2』担当編集まほぴです。

連載「2020年教育改革・キソ学力のひみつ」。
10月は「読み書きの力」に注目。ノンフィクションライターの最相葉月さんのインタビューを掲載しています。

体験したことを自分の言葉で表現するための極意!
・文章を書くためのテーマの見つけ方とは?
・書くべきことを見失わないために、最初にやるべき“あること”って? 

学生だけでなく、社会人にも役立つ考え方です。

それでは、今週もどうぞお楽しみください!

◇目次◇

1.今週の一言

2.【連載】
2020年教育改革・キソ学力のひみつ
『調べてみよう、書いてみよう』 NEW!

3.【連載】
角田陽一郎の
最速で身につく勉強法

4.【連載】
現役東大生塾長・綱島将人の
大学受験は戦略が全て!

5.『ドラゴン桜2』
早瀬・天野が解いた問題に
チャレンジしてみよう!

編集後記

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1.今週の一言
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変人よりも凡人になれ
(三田紀房『個性を捨てろ! 型にはまれ!』より)
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 2006年に退陣した小泉元総理は、異例とも言える高支持率をキープしたまま、5年半にも及ぶ任期を乗り切った。
 小泉元総理があれだけの人気を維持できたのは、やはり彼の強烈な個性やリーダーシップが魅力的に映ったからだろう。
 ただ、ここから「時代は個性的な人物を求めている」「自分も個性的な人間になろう」などと考えるのは、明らかな誤りだ。
 あれは「変人」とさえ言われた小泉さんだったからこそ、できたこと。一般の人たちが真似したところで、簡単に壁にぶち当たってしまう。
 たとえば、こう考えてみよう。
 かつて、自由民主党の総裁選に小渕恵三さん、梶山静六さん、小泉純一郎さんが出馬したとき、田中真紀子さんはこの3人を「凡人、軍人、変人」と評した。
 それでは、あなたの目の前に「凡人」と「変人」の二人がいたとして、どちらと一緒に仕事をしたいだろうか?
 自分の会社や自分の部署に迎え入れるなら、どちらが適任だろうか?
 きっとほとんどの人が「凡人」と答えるはずだ。
 変人なんて、離れた場所から見ているぶんには面白いけど、実際に自分の近くにやってきたら面倒くさいに決まっている。
 しかも、自分勝手なことばかりやって他人に迷惑をかけるのだとしたら、これほど迷惑な存在はない。
 個性的であること自体は悪くない。けれど、それが行き過ぎた「変人」になってしまったら、ただただウザイ存在でしかないのである。
 ウザイ男になるくらいだったら、多くの人から愛される「凡人」であるほうがずっといい。特に、それが組織の中の話なら、なおさらのことだ。

 また、ある漫画の関係で、企業の採用部門について調べていたとき、こんな話も聞いたことがある。
 まず、ほとんどの企業の採用担当者は、履歴書になんらかの「空白」がある人間を採用したがらない。
 たとえば1年間アメリカで放浪の旅をしたとか、ヨーロッパの語学学校に行っていたとか、あるいはそれこそインドを旅してたとか、そういう「空白期間」がある人物は、基本的にいらないのだそうだ。
 本人とすれば「自分だけの実績」や「自分ならではの個性」のつもりかもしれないが、そもそも海外旅行や海外留学する人間なんて、毎年ゴマンといる。
 そんな「個性」よりも、普通に大学を4年間で卒業し、普通に一般常識を身につけた人間のほうが、ずっと好ましいのだ。
 特に新卒の場合、企業は「人柄がよくて、最低限の常識があれば、それでいい」と思っている。
 知識や技術については、入社してから教えていくのが日本企業の特徴だ。
 そのため、入社してからも上からの命令に反発したり、いろいろとトラブルを起こすような「変人」よりも、素直に言うことを聞いてくれる「凡人」のほうが何倍も望ましいのである。

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2.【連載】
2020年教育改革・キソ学力のひみつ
『調べてみよう、書いてみよう』

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「読み書きの力」が学力のカギ!
主人公・桜木がナビゲーターとなり、新しい時代に求められる学力や学習法を紹介していく連載。10月はノンフィクションを書く具体的な方法を指南する書籍『調べてみよう、書いてみよう』を取り上げ、「読み書きの力」に迫ります!

作文、小論文、研究レポートなどなど、学校ではあれこれ「書く」ことを課されます。それらはほぼノンフィクション。国語にかぎらずあらゆる科目において求められるのは「ノンフィクションを書く力」です。

それは大人になり、仕事をするようになってもまったく同じ。報告、レポート提出、プレゼン発表などなど、「ノンフィクションを書く力」は日々問われるもの。これはもう、現代を生き抜くのに必須の力と言っていいかもしれません。

全6回の連載。今回は一挙2回分お届けします!

主題の見つけ方

 2009年に創設され現在も続いている「北九州市子どもノンフィクション文学賞」で、最相葉月さんは第1回から選考委員を務めている。この賞のキャッチコピーは、「見て、聞いて、調べて、考えた 本当にあった話」だ。

 そこで出会った子どもたちの作文を例にとりながら、調べ方、思考の深め方、書き方のイロハを説いているのが『調べてみよう、書いてみよう』という本だ。

 第一線で活躍するノンフィクションライターが教えてくれるゆえ、内容は極めて実践的。いざ文章を書いてみようと思ったとき、まず何をどうしたらいいのか、とっかかりが見つからず途方にくれることは多いだろう? ここには最初にするべきことがらが、ちゃんと明記してある。

 それは、「テーマを決める」こと。本書に最相さんはこう記している。

 「テーマとは作者が強く言いたいこと、うったえたいことをいいます。テーマさえ決まれば作品の半分は完成したようなものだと私は思っています」(第一章「調べる力と書く力」から)

 なるほど、とにもかくにもまずはテーマを探せばいいのだ。そうすれば、書ける。

 ただし、だ。そんなに強く言いたいことなんて、自分にあっただろうか……。そうとまどったりもしそうだな。そこで本書ではテーマの見つけ方について、こんな導きをしてくれる。

 「あなたには知りたいことがありますか? 人に伝えたいことがありますか? 会って話を聞いてみたい人はいますか? 記録に残しておきたい体験はありますか?
 もしすぐに思い浮かぶならば、あなたはとてもラッキーです。それがあなたのテーマです」(第二章「テーマを決めよう」から))

 それでも思い浮かばなければ、記憶をたぐる、身近な人のことを思い浮かべる、本や資料を読んでみるといった手立ても考えてみればいい。

まずは身のまわりを見渡してみよう

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