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目標を立てるなら、転ばぬ先の杖を用意しろ! #ドラゴン桜メルマガ (107号)

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学び方を学べ!ドラゴン桜公式メルマガ
2019年4月22日(月)
【Vol.107 取材記事・コラム版】
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月曜日7時・木曜日0時の週2回配信


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こんにちは!担当編集まほぴです。
今週も #ドラゴン桜メルマガ をお楽しみください!

◇目次◇

1.
みずから学ぶ姿勢を身につける!
学習塾「PlusT」清水章弘さんインタビュー

2.
たらればさん、教えてください!
古典が好きになる話

3.
アウトプットが人生を変える!
スキマ時間でできるSNS発信術

4.
角田陽一郎の最速で身につく勉強法
文化資源学 【学問をプロデュースする】

5.
目指せ年間100冊!
最強の読書法『ペア読書』


1.【連載】
みずから学ぶ姿勢を身につける!
学習塾「PlusT」清水章弘さんインタビュー

桜木建二が教える 大人にも子供にも役立つ
2020年教育改革・キソ学力のひみつ

桜木建二がインタビュアーとなって
さまざまな分野の「学びのプロ」に話を聞く本連載。
4月は勉強のやり方を教える塾「プラスティー」を東京と京都で運営する、清水章弘さんのインタビュー!

■学習計画や目標設定のサポートこそ、親の役目

 清水さんのこれまでの話で、塾の役割や有用性はよくわかった。

 とはいえ、子どもの生活のベースになるのはあくまでも家庭だ。「学べる子ども」にするために、親ができるのはどんなことだろうか。

 「結果とプロセスの両方を見てあげるように、心がけましょう。親はどうしても試験の点数とか受験の合否など、結果だけを見てしまいがちです。

 中学生なら中間試験の結果を手にしながら、この教科が弱い、もっと点数をとれるはずだと言い募り、あとは期末試験の期間まで『ちゃんと勉強しなさい』としか言わないことが多くないでしょうか? 

 勉強しろという頭ごなしの言葉には、子から漏れなく『いま勉強しようと思ってたのに! あーあ、もうやる気なくなった』というおなじみのフレーズが返ってきてしまうばかりでは(笑)?」

 ここはひとつ、具体的に子を導く言動が必要というのだ。

 「代わりに勉強してあげることはできませんし、その必要もありませんが、計画を立てて勉強の道へ導いたりする協力はできます。そう、学び方を教えて、習慣づけてあげるのは大人の役割だろうと思います。

 やるべきことを明確にして、それを細分化したり、1日にやる分量を見積もってあげたり。

 計画を立てるにしても、子どもは『じゃあ毎日、朝5時に起きて勉強する!』などと極端なことを言い出したりしがちです。

 それは続けるのが難しいから、こうやって時間をつくったら?と、せっかくのやる気を継続できるかたちに整えてあげることが大切でしょう」
 
 ものごとは決して予定通りになんていかないことも、大人はよく知っているはずだな。

 目標を立てるにしても、「チャレンジ目標」「適正目標」「最低ラインの目標」の三本立てにして、転ばぬ先の杖を用意しておくことなんかも、具体的に示してやるべきなんだ。

■「自学力」は順を追って身に着けよう


 子どもが自律して学べるように仕向けていくのが大切――。そうは言っても、いきなりすべてを丸投げしてはいけないんだ。

 獅子は子を千尋の谷に落として育て鍛えるというが、そこに真理があるとすれば、親獅子はちゃんと子が自力で上がってこられる程度の深さの谷を選んで、突き落としているはずだぞ。

 「自転車の乗り方を覚えるときと同じです。最初は補助輪をつけておかないとなかなか乗れませんよね。

 できるようになったら片方だけ外し、さらに上達したら両方外す。そのあともうしろから支えてあげて乗ってみて、様子を見ながらちょっとずつその手を離してあげる。そうしてようやくひとりで乗れるようになるものです。

 みずから学べる『自学力』をつけないと、大学受験には太刀打ちできないし、大学に入ってからも困ってしまうのはたしかです。だからといって、手をかけないで放っておけばいいというものでもありません。自習のしかたを、順を追って教えてあげなければ。

 プラスティーではその方策として、授業と自習の間に『管理自習』というものを用意しています。授業が終わったら、その場に残って先生の見えるところで自習をする。
 
 自分でできそうだなとなれば、自習室を使っていいよということになります。自学のしかたを学ぶプロセスは、必要なのです」

***
清水章弘 
1987年、千葉県生まれ。私立海城中学高校、東京大学教育学部を経て、同大学院(教育学研究科)修了。勉強のやり方を教える塾「プラスティー」を東京と京都で運営。著書は『東大生が知っている 努力を結果に結びつける17のルール』(幻冬舎)など多数。最近は、TBS系「教えてもらう前と後」(火曜よる8時~)に出演し、次回は4月9日(火)。1児のお父さん。

☆この連載はLINE NEWS「朝日こども新聞」(月、水、金 8:30配信)でも配信されています。LINEアプリ(news.line.me/about)をインストールして「朝日こども新聞」を検索! 
https://www.asagaku.com/


2.【連載】
たらればさん、教えてください!
古典が好きになる話

「夜をこめて 鳥の空音ははかるとも よに逢坂の関は許さじ」清少納言

(まだ夜が明けていないうちに鶏の声真似をして(「朝が来た」と騙して)函谷関は開けることができるかもしれませんが、この逢坂の関(わたしの心や体)は開きませんよ)

 開くとか開かないとか、わりとガチめの下ネタだと思うのはわたしだけでしょうか。FGO第1部人理修復完了しました。清少納言の実装待ってます。たらればです。
 本連載も11回目、いよいよ小倉百人一首六十二番、清少納言先輩の出番ですね。

■日本最古の随筆作品『枕草子』の作者・清少納言

 まずは簡単に作者紹介をば。
 皆さんご承知のとおり、清少納言(966年頃~1025年頃)は平安時代中期、一条天皇の后である悲運の姫君・藤原(中宮)定子に仕えた女房です。
 前回の紫式部と同じく本名不詳、生没年不明(所説あります)。
「春はあけぼの」から始まる日本最古の随筆作品『枕草子』の作者であり、その第一段はここ半世紀のあいだ中学校の国語(検定済み)教科書すべてに採用されておりますから、義務教育を受けた人は全員、彼女の作品を目にしたことがあるはずです。

「春はあけぼの。ようよう白くなりゆく山ぎわ少し明かりて、紫立ちたる雲の細くたなびきたる」
 おそらく日本で一番有名な随筆(エッセイ)でしょう。

『枕草子』の魅力をわずかな紙幅で表現するのはとても難しいのですけれども、個人的にその最大のポイントは「世界を祝福しているところ」だと思っています。
 春は夜明けがすばらしい、夏は夜、秋は夕暮れ、冬は早朝がいい。この世界は美しく、彩りに満ちている。
 日本語でもっとも古い(「想いのままに筆を運ぶ」という意味の)随筆が、こうした「世界を祝福する作品」であることを、日本語を母語とするひとりとして、ほんのりと誇りに思っています。
(『枕草子』のさらに詳しい話が知りたい方はこちらなどをどうぞー
https://www.1101.com/tarareba/2018-09-05.html

■和歌の名家に生まれたものの、和歌はあまり得意ではなかった

 閑話休題。
 清少納言はそんな偉大な日本随筆文学の創始者ではありますが、和歌はあまり得意ではなかったようです。清少納言の生まれた家は和歌の名家であり、父親である清原元輔(小倉百人一首四十二番の作者でもある)は当時、特に学識が広かったり和歌の造詣が深いとして村上天皇に集められた、「梨壺の五人」のうちのひとりでした。梨壺の五人の代表的な仕事といえば、『万葉集』に読み下し文を付けたことが挙げられます。彼らがいなければ、万葉集は歴史の闇に沈んでいたでしょう。

 つまり清少納言の実家は、誰もが「あの清原家のゆかりの人物であれば、さぞや和歌もうまいだろう」と思うような家柄なんですね。
 ところがそうした氏素性は清少納言にとっては大きなプレッシャーだったようです。この時代の貴族には珍しく、「下手な歌を詠んだら家名に傷がつくので、人前ではあまり歌を詠みたくない」と言っていて、主人である中宮定子からも「そうね、好きにしなさい」と言われていたりします(こういうことを言ってくれる上司、いいですよね)。
 清少納言の歌集「清少納言集」にも(これほど高名な書き手としては異様といってもいいほど少ない)五十五首しか収められていません。
 この「夜をこめて…」はそんな貴重な歌のうちの一首です。

 ではこのちょっぴりエロさ漂う歌は、どのようなシチュエーションで詠まれたのか。
 この歌の周辺エピソードに関しては、『枕草子』の百三十段(三巻本)「頭の弁、識にまゐりたまひて」に詳しく書かれています。個人的にとても好きな章段なので、少し詳しく説明しますね。

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