見出し画像

2019年の東大入試を予想する! 【第2弾】 数学編 #ドラゴン桜2

東京大学経済学部3年生の西岡です!
今回も、桜木先生と一緒に作成した予想問題をご紹介します!
さてさて、今回は数学の問題です。みなさんも腕試しに解いてみてください!

●数学予想問題
150を足しても150を引いても平方数になる自然数を求めよ。


今年の数学は、整数が出る!

●この問題は……
さてさて、短い問題ですが、それだけに問題文から得られるヒントが少ないので解き難いですね。
文系理系共に、東大は《整数》の問題を好んで出題します。倍数がどうとか、約数がなんだとか、自然数・奇数・偶数・素数……本当に様々でトリッキーな整数問題を出題するのが東大なのです。整数問題が解けるとほかの受験生にも大きくアドバンテージを持つことができるのです。
そして桜木先生は、「2019年も整数が必ず出る!」と断言しています。実は桜木先生は、整数問題は2015年から2018年まで4年間連続で出題されていることを見抜いたのです。
これは、2015年度入試から導入された新教育課程で数学Aで新たに項目として《整数》を扱うことになり、ユークリッドの互助法を中心とした「整数問題の基礎付け」をどの受験生も行なっているため、「新課程が導入されたのだから、整数問題を毎年出題しよう」と教授が決めたのではないかと桜木先生は考えています。……なんでこんなに鋭く東大の教授の気持ちが読めるんですかね、あの人……。
ともあれ、「今年の数学では整数問題が出る!」というのが、桜木先生と僕の予想です。

●解説
さて、この問題みなさんは解けましたか?
この問題を出題したのには理由があります。東大の数学の最近の傾向を見ていると、「3の倍数」や「約数」を求めさせる問題は出題されているのですが、2乗の計算を使った問題・「平方数」が出てくる問題が少ないのです。2005年第2問・20003年第3問・1997年第1問のように、2乗3乗の計算を用いた整数問題は10年前はよく出題されていました。しかし、ここ最近は出題されていない……そう考えると、今年こそは平方数の問題が出るのではないか?そう思い、この問題を出題されていました。
と言うことで、この問題は「平方数」というのが大きなヒントです。平方数の特徴をうまく利用できれば、この問題は簡単に解くことができます。
なので、
「自然数をAとおいて、問題文を式にすると、
A+150=Bであり、A−150=Cだな!」
……なんて考えると、アウトです。BとCが平方数であるという特徴を活かせないからです。
正解は、こう置きます。
A+150=B*2―①
A−150=C*2―②

こうすると、何ができるかというと、①と②を用いてこういう風にすることができます。
①+②
2A=B*2+C*2―③
① −②
300=B*2−C*2―④
……さて、勘のいい人ならもうお気付きですね?
2乗同士の数を引いた場合に、こんな式が成り立つのです。
(B+C)(B−C)=B*2−C*2
つまり④は、
300=B*2−C*2=(B+C)(B−C)
と置けるのです!
300=(B+C)(B−C)
ここまで行き着いて、おそらくは1/3くらいの点数が来るでしょう。
そしてここからどのように問題を解くかといえば、「ゴリ押し」で大丈夫です。
「え?どういうこと?」と思う人もいるかもしれませんが、2つの数をかけて300になるパターンなんて、実はそんなに種類がないのです。
1×300
2×150
3×100
4×75
……
300×1

……と、全部書き出したって、18パターンです。しかもそのうち半分は、(B+C)>(B−C)なので消せます。B+CがB−Cより大きくなっているものだけ残して、9パターンです。
この9パターン、しらみ潰しに消していけば正解に辿り着きます。
具体的には、B+CとB−Cは、足すとCが消えて2Bだけが残ります。これによってBが出せるので、そこからCとAを出せばいいのです。
そして「2B」というのは偶数です。B+CとB−Cを足して奇数になったら、もうその時点で答えにはなり得ません。これによって6パターン消せて、3パターンまで絞られます。
(B+C)(B−C)= 150×2 = 50×6 = 30×10
この3パターンです。
これを計算すると、
① B=76 C=74 A=5626
② B=28 C=22 A=634
③ B=20 C=10 A=250
となります。①〜③、どのAも全部150を足しても引いても平方数が出て来るようになっていますね。ということで答えは、5626・634・250の3つになります。
どうですかみなさん?正解できましたか?

……え?「答えが3つある」?「そんなの問題文に書いてない」?
そう、そうなんですよ!この問題、「あてはまるAを全て求めよ」とかではなく、シレッと「求めよ」としか書いてないんです。

これはぶっちゃけて言うと、桜木先生の意地悪……もとい、愛のムチです。
東大の数学の問題ではこんな風に、「複数答えがある」とわざと問題文に書かず、「え?3つも答え出てきたけどこれでいいのかな……?」と受験生を翻弄する問題が出ることがあります。2011年第3問なんかがそれに該当しますね。
逆に、「すべて答えよ」という問題なのに、答えが1つしかない、なんて問題も出題されています。2005年の第2問などがそれに該当します。

《東大数学2005年第2問》

嘘みたいでしょ?この問題、答えが1つしかないんですよ……。

こういう時、受験生は不安になります。「すべてって書いてあるのに1つしかない!間違っているのでは?」と。しかしそれこそが、東大の数学教授のトラップ。数学的にそれしかあり得ないのであれば、それは答え。
かのシャーロックホームズは、

全ての不可能を除外して、最後に残ったものが如何に奇妙なことであっても、それが真実となる

と語っています。あり得なさそうなことでも、奇妙なことであっても、これが答えなのです。自分の《推理》に自信が持てない受験生を、バッサリと切ってしまうのが、東京大学という大学なのです。

●解答
5626・634・250

いかがでしたでしょうか?どんどん予想問題を出題していきますので、みなさまぜひ解いてみてください!
また、これらの予想問題は、SNS上にアップしたり、印刷して生徒さんに配ったりしていただいてなんの問題もありません!むしろどんどん発信していっていただければと思います!
回答の添削も、時間の許す限り僕がやらせていただきます。桜木先生もやってくれるんじゃないかな?SNSで絡んでいただいたり、動画のコメント欄に解答例を出していただければ、採点させていただきますので、ぜひ挑戦してみてください!


桜木建二のYouTubeチャンネルはこちら

■桜木建二のTwitterアカウントはこちら

■西岡壱誠のTwitterアカウントはこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?