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2019年の東大入試を予想する! 【第3弾】 世界史編 #ドラゴン桜2

東京大学3年生の西岡壱誠です!
さて、今日も桜木先生からの指令を受けて、僕の方から東大の予想問題を公開させていただきます!
今回は、世界史第3問の徹底予想です。
この第3問は、一問一答の問題なのですが、慶應大学や東京外国語大学の世界史でも同じような問題が出題されています。東大志望以外の人も、ぜひ解いてみてください!
ではでは早速、今回の予想問題です!

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●世界史予想問題

古来より、金属は世界各地で様々な用途に使用されてきた。それらは生活必需品として様々な形で人類の発展を支えた一方で、人々の金属への探求が世界史に大きな影響を及ぼすこともあった。この点をふまえて、金属にまつわる以下の質問に答えなさい。解答は、解答欄(ハ)を用い、設問ごとに行を改め、冒頭に(1)~(10)の番号を付して記しなさい。

⑴紀元前17世紀ごろアナトリアで成立したヒッタイト王国は、炭を使って鉄を鋳造する高度な製鉄技術を背景に西アジアに広範な領土を築いたが、ある民族の侵入を受けて滅亡した。この民族はエジプト新王国にも侵入し、西アジアに大きな変動をもたらしたが、その詳細については未だに明らかになっていない部分が多い。この民族の名称を記しなさい。

図版a【出展:https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/052600115/

⑵紀元前6世紀ごろ成立したある王国は、ユーラシア初の騎馬民族国家として南ロシアを中心に強大な支配体制を築いた。図版aはこの王国が作成した精巧な金製品であり、彼らの文化はその後ユーラシアの騎馬民族に大きな影響を与えた。この王国の名称を記しなさい。

⑶中世ヨーロッパにおける封建制では、労働と生産物による地代の支払いが一般的であった。しかし、12世紀から13世紀にかけての2つの技術革新によって生産力が向上した結果、新たに貨幣で地代を支払う動きが見られた。この2つの技術革新について1行(30字)以内で論じなさい。

⑷前漢では、鉄製農具が農民に普及し、農業生産の拡大に大きく貢献した。武帝は農民の生活必需品となった鉄を含む3つの製品を国家の専売とすることで、匈奴討伐により逼迫した国家財政の再建を図った。これらの専売品のうち、鉄を除く2つの製品の名称を記しなさい。

⑸中国の元は銭貨に代わり紙幣を共通の通貨とする巨大な経済圏を築いたが、これは銅銭の原料である銅が不足したためだとされている。この経済圏を支えたのは、この紙幣と帝国全域に整備された駅伝制であった。この駅伝制の名称を答えなさい。

⑹金属活字を用いる活版印刷は15世紀ごろヨーロッパで実用化され、ドイツ語訳の新約聖書が普及するなど同時代の宗教改革にも大きな影響を与えた。これに対抗すべくカトリックは海外での布教活動に活路を見いだしたが、中国ではその布教方法を巡って問題が発生し、キリスト教の布教禁止にまで至った。中国の習慣とキリスト教の融合をめぐる、この問題の名称を記しなさい。

⑺アンデスの奥地に黄金郷(エルドラード)が存在する、という伝説は、16世紀におけるスペインの南アメリカ進出を推し進めることとなった。スペイン人入植者はある制度のもと、原住民のキリスト教教化と保護を条件に彼らを労働力として酷使し、原住民の大幅な人口減少をもたらした。この制度の名称を記しなさい。

⑻18世紀中ごろにイギリスで始まった産業革命は、鉄工業をはじめとする重工業にも技術革新をもたらした。イギリスは他国に先んじて工業化を成し遂げた一方、過酷な労働環境が社会問題化し、のちの社会主義に繋がる動きも見られた。綿工業で富を得たある人物は、工場法の制定に尽力し、アメリカで共産制社会の実験を行った。この人物の名称を記しなさい。

⑼1848年のカリフォルニアでの金鉱発見をきっかけとするゴールド・ラッシュは、当時のアメリカに大きな影響をもたらした。一攫千金を求めて多くの白人がアメリカ西部に移住したが、在地の原住民は生活圏を圧迫された。彼らはある法令により、政府の定める保留地への移住を余儀なくされた。この法律の名称を記しなさい。

⑽鉄よりも腐食しにくいブリキは、水分と接触しやすい生活用品に用いられることが多い。ブリキの原料であるスズは主に東南アジアのある地域で産出され、19世紀にイギリスの植民地となった後は中国人やインド人の移民の労働力をもとに大量に掘削された。この地域の名称を記しなさい。

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●この問題は……

「長いわ!!!!!」
そう思った人、挙手!
ええ、はい。そう思いますよね!僕もそう思いますとも!!

東大の世界史第3問というのは、「長い」というのが特徴なのです。
長ったらしく世界史のいろんな話をした上で、「……で、これってなんでしょう?」と聞く。「え!?今までの話いらなくね!?」っていうわけのわからない問題が出題されるのです。
桜木先生曰く、「東大の教授は、話が好きで、話が長くなるやつが多いからな。それが問題にも反映されているんだろう」とのことです。こう言ってはなんですが、うん。そうだよなあと僕は妙に納得してしまいました。
ということで、この問題は本当に時間をかけて念入りに作らせていただきました……!
僕や桜木先生だけではなく、「ドラゴン桜2東大生チーム 東龍門」のメンバーで法学部の3年生、カルロスくんにも手伝ってもらいました。カルロスくんありがとう!

●解説

東大の世界史の第3問は、「〇〇の歴史」みたいにテーマが決まっています。
2015年は記憶遺産、2016年は民衆運動、2017年は戦争、2018年は文字と言語……。そんな風に1つのテーマを主題において問題が出題されているのです。
「じゃあ、テーマごとに勉強しておけばいいの?」というと、そんなことはありません。
「そんな安直な考えで東大に受かるわけないだろ!」とは桜木先生談です。
実はこの問題、本来ならばそのテーマ設定では必ず聞いてこないような、トリッキーな問題を聞くのです。

例えるならば、
スマホについて聞きます!」とテーマ設定をしている上で、
「昨今はスマホ学習が流行しており、その中でもスタディサプリは月額980円でダウンロードでき授業が見放題になることから学生が多く見ている。さて、そんなスタディサプリを使って東大合格を目指す、講談社モーニングで連載中の人気漫画といえば?」
と出題するようなものです。「スマホ関係ないじゃん!」とツッコミたくなる問題が出るのです。

しかし、テーマ設定を当てられたらわかりやすいのもまた事実です。今回僕と桜木先生は、色々な可能性を考慮した上で「今年は『金属』ではないか?」と考えました。

そのほかに考慮したテーマとしては「言語」がありました。1989年は紙、1998年は言語、2004年は書物、2010年は歴史書、2018年は文字や言語。こんな風に、「言語」をテーマにしている場合というのは非常に多いので、「今年も言語か……?」と一瞬考えたのですが、やはり昨年出題されてしまっているので、少なくとも今年は出題されないだろうと思います。
そして東大の長い歴史の中で、「金」や「武器」のような話は出題されているのですが、「鉄」をストレートに聞いた問題は未だに出題されていません。しかし、2004年の東大第1問で「銀」がテーマになっていることからも、鉄や金属については東大教授も大切だと思っていることが伺えます。なので、「今年は金属だ!」と予想し、この問題を出題させていただきました。

たくさん問題を作ったのですが、桜木先生曰く、「この第3問は、大論述で出題されにくい範囲(古代中国や古代ギリシア、オリエント、中世ヨーロッパ)が案外狙われる傾向にある」とのこと。その上で、「センターレベルの知識で解ける問題を用意し、センターの後に気を抜いた学生をバッサリと切るのが東大だ」ともおっしゃっていました。「……僕もそれが原因で、本番でこの問題解けなかったなぁ……」なんて思いながら、「センターレベルだけどちょいムズ」の問題を出題させていただきました。

●解答

1 海の民
2 スキタイ
3 三圃制と鉄製農具の普及。
4 塩・酒
5 ジャムチ制
6 典礼問題
7 エンコミエンダ制
8 ロバート・オーウェン
9 インディアン強制移住法
10 マレー半島

さてさて、解けましたか?
8問以上正解の人は、十分東大合格圏内だと思います。逆に正解数が7問以下の人は、ちゃんとこの問題の対策をしておいてください!山川の世界史用語集の出現頻度が高いものは、きちんと全部覚えていられるように。センターレベルの知識は全部忘れないつもりで、ぜひ復習してみてください!



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■第1弾

■第2弾


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