即売会で人生初のお手紙を頂いた話

はじめまして、こんにちは。

 これは、私と言う人間が人生で初めてお手紙をもらった感動を形に残したくて書き綴っているものです。 100%私事でお送りいたしますが、どうかお付き合い頂ければ幸いです。

 さて、私は現在ギリギリ十代。すけべな本は購入できますが、お酒は飲めないような年齢です。そんな私は、この前人生で初めて同人誌を出しました。 とあるキャラにハマり、気が狂い、気が付けば書き殴った小説をpixivに投げ、Twitterにて妄想を垂れ流す日々。 ふとした気の迷いでうっかりイベントに申し込み、同人誌なるものを生産してしまいました。 正直あれです、あの時の私は正気を失っていました。人間本が出るのは絵が上手くなった時でも文が上手くなった時でもありません、正気を失った時です。いつか見たバズっているツイートもそう言っていました。 

そんなこんなでイベント当日、度重なる寝不足と過労に耐えて挑んだ即売会。色々と怯えて部数は控えめで用意しましたが、初参加にもかかわらず、私の本はほとんどはけました。もうよくわからないままに有り難さで泣きそうになった記憶があります。 そして、そんな記憶の中で私は人生初の経験を連発しました。 


 数人の方に、お手紙を頂いたのです。


 驚きました。本当に驚いたのです。

 便箋に、ペンや鉛筆で言葉を綴ったお手紙。 内容は私のpixivへ上げた作品への感想であったり、いつものTwitterでの絡みへの感謝であったり、様々でした。 

私は、小学生の頃にはガラケーをいじり、中学生でスマホを買い与えられ、そこから高校、大学と、PCとスマホをちゃんぽんしながら生きて来たような、多分、デジタル世代とでも呼ばれるような人生を送ってきました。 

誰かに連絡をしたければLINEかメール、無作為に他人の言葉が読みたければTwitter、作者に感想を送りたければコメント欄やアンケート欄へ、そんな人生を送ってきました。

 だから、そう、人生で紙に書かれた私に宛てたお手紙と言うものを、私に宛てた言葉と言うものを受け取ったのはあれが初めてだったのです。

 作品に対する感想はネット上で頂いたことがあります。好意的で友好的な言葉も、様々な方から頂いたことがあります。それはとてもとても有り難く、嬉しい言葉達であったことは私にとって間違いありません。

 しかし、あの日頂いた紙のお手紙に、私は胸に込み上げる、形容しがたい感情を抱いたのです。 

誰かが、私の為に紙にこの言葉を綴ったのだと。私に宛てる為に便箋を用意してペンを握ったのだと。 その事実に驚いて、そして、本当に本当に嬉しくなったのです。

 あぁ、私は誰かにペンをとって頂ける人間であったのかと。

 きっと渡して下さった方々は私にそんな激重感情を向けられているとは夢にも思っていないでしょうし、そんなつもりで私にお手紙を書いた訳でもないでしょう。わかっています。わかっているのです。でも私にとっては、本当に本当に、深く心に残るほどの嬉しさだったのです。 

ただ、それを誰かに、どこかに伝えたくて今日この文を書きました。 お手紙を誰かにおくった事がある方は、どうか心に留めて下さい。皆が皆、私のように初体験で激重感情を向けてくる人間ばかりではありませんが、その綴った言葉は、綴った時間は、きっと相手方の心に残るものです。 そしてどうか、また気の向いた時に、お手紙をおくって下さい。 貴方様が出したお手紙で、溢れるような幸せを得た人間がきっといます。


 私も、きっと貴方様が送った相手の方も。 



 おしまい

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