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『天晴!な日本人』 第66回 まさに名は表す、山のような人徳の名将、大山巌元帥(4)



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<お知らせ>

年末年始のため、12月21日 09:40以降のコメントへの返信は1月11日アップになります。

<本文>

児玉は、大山が陸相をしていた時の陸軍次官です。自分が付けた、「ガマぼう」という仇名あだなの通り、大山には親しみと信頼感を持っていました。
児玉は参謀本部に布団自参でやって来ます。時に51歳、大山の10歳、年下でした。
児玉も作戦については鬼と呼ばれた人物で、ドイツから来日したメッケル少佐(後に少将)に、「日本に児玉がいれば、ロシアにも負けない」と語らせた逸材です。
その児玉が立案した作戦の大略は、やはり、シベリア鉄道が全線開通前に戦端を開き、二方向からロシア軍をはさみ撃ちにするというものでした。

1904(明治37)年1月12日、明治天皇御臨席の御前ごぜん会議が開かれます。ここで、列強の現状認識、戦費、外交の状況が論議されました。英米は日本に好意的、戦費は約5億円で1年分、戦争が続けば日本にとって相当の困難となる、外交は行き詰まりと報告されています。5億円というのは、国家予算の約2倍という巨費でした。
明治天皇は、

四方よもの海
みな同胞はらからと思う世に
など濤風なみかぜ
立ち騒ぐらん」

という御製ぎょせいんでいます。
御製とは、天皇の作った歌のことです。
この御製は、昭和の時代に、アメリカとの戦争を討議した御前会議にて、昭和天皇も引用した有名なものでした。

翌月、大山は明治天皇に招かれて参内さんだいした折り、「決意の時」と奏上そうじょうしました。2月4日の御前会議で開戦が決まっています。
第一軍は、「兵と共に戦う」をモットーとした勇将の黒木為楨くろきためもと大将、第二軍は藩閥を超えて昇進した知将の奥保鞏おくやすかた大将、第三軍は人徳高潔の聖将の乃木希典のぎまれすけ大将、第四軍は猛将の野津道貫のづみちつら大将という、これ以上は考えられない凄い大将たちでした。
この大将たちで大東亜戦争を戦っていたら、と思わせる最強の布陣です。

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