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『天晴!な日本人』 第74回 「克己勉励、不動の精神の人、東郷平八郎」(3)


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安倍さん、明治の傑物、昭和の軍人たちの魂を感じとってくれたら幸いです!!


<本文>

この出来事はあっという間に世界中に広がり、すぐにイギリスから抗議の声があがりました。日本のマスコミも同調、イギリスは駐英日本大使の青木周蔵しゅうぞうを呼んで猛抗議しています。
マスコミ、政界まで、東郷を処分せよの大合唱となったのです。

ところが、イギリス人で国際法の世界的権威のトーマス・エルスキン・ホランド博士が、『ロンドン・タイムス』紙に、東郷の正当性を説く論稿を載せました。
既に交戦が明白な事実となっている中、敵兵を捕虜にする、その軍事行動を阻止しようとするのは当然のことであり、救助もしているので問題はなく、謝罪も損害賠償も必要ない、というものでした。
加えて法学者のウエストレーク教授、法学者のジョン・バセット・モーアが賛同し、東郷は逆に賛辞を浴びることになったのです。
東郷は一躍、智も勇も備えた軍人として世界的に有名になりました。
当時のイギリスは、大英帝国として世界の覇権国でもあり、東郷の識見と胆力が並みのものではないことが示されています。

清国の北洋艦隊との海戦では勝っていますが、日本の諸艦も被弾して、犠牲者が出ました。その中で、「浪速」も9発も被弾しながら戦死者はゼロで、社会は「宝船」と称揚しています。
東郷はそんなことより、第一に平和でなければならないと考え、次に日本海軍の改善点を冷静に判定していたのです。これが、10年後の日露戦争勝利の原動力となっています。

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