ねこまど研反省会

 この日にねこまど研で指した将棋を振り返っていく。
ねこまど研は30分30秒の持ち時間で三局指すというなかなかハードなスケジュール。ただ長考派の自分にとってこのルールでやってくれる研究会はありがたく、何度も通ってお世話になっている。
 
1局目 角換わり腰掛け銀
 
 エースである四間飛車が17年に及ぶ登板&酷使に苦言を呈し、先発をボイコット。仕方ないので付け焼刃の角換わり腰掛け銀を登板させた。
 だが、慣れない戦法に噴飯物の序盤を炸裂させることになる。
 


 図は私が6九玉と引いたところ。確か数日前の丸山-深浦戦でこんな形になっていたよなとうろ覚えで指す。なんかの本で角換わり腰掛け銀は先手が8八玉で後手が4二玉の瞬間に4五桂と仕掛けると指しやすいとかなんとか。そんなことを考えて盤面を見ているとなにか違和感がある。相手も怪訝な顔をしながら☖7五歩。なんかおかしいな……と首を捻りながら☗同歩。すかさず相手は☖6五桂。☗6六銀、☖8六歩と進み、はたと手が止まる。
 先手なのになぜか先制攻撃を食らっている。
 別にこれで悪くしているわけではないのだが、先手番で6六歩も突かずに6九玉と引く自分のぼんくらさにびっくりした。自分がなぜこんな手を指したかは知らない。仮にこれが好手だったとしても、意味を持たせて指したわけではないのでどのみちぼんくらである。
 あれから数手進んで私が5五銀と仕掛けたところ。
 


 対局中は居飛車よくわかんね~6三に銀ぶちこむ筋があるからいいんじゃね?くらいのお花畑気分で5五銀左とぶつけたところ。これが水匠先生激おこの一手だった。同銀同銀3五歩で後手優勢とのこと。7七歩も絡んで先手が負け!らしいです。言われてみたらそんな気も。
 実戦は☖同銀☗同銀☖5七桂成☗同金☖6五角と進んで次の図
 


 途中の☖5七桂成を全く読んでいなかったせいもあり、温泉から滝壺に落とされたかのような気分。水匠先生曰くまだまだ互角らしいが、形勢は悲観していた。
 ここで私は長考する。候補手は☗4七角に☗5六銀に☗5六桂。まず☗4七角は☖同角成☗同玉☖3五歩で自信なしと打ち切る。☗同歩は☖3六歩☗同玉☖3八銀とかで生きた心地がしない。☖ 6五角と再設置されてもわからなかった。(水匠先生曰く☖3五歩には☗5四歩☖3六歩☗5三歩成☖同金☗4五桂とかで互角らしい。知らん!)
 そして☗5六銀だが、☖8七角成が厳しすぎてお話にならない。☗同金☖同飛成の場面は反撃の味が薄すぎて、☗4五歩とつっかけても遅すぎる。かといって☗4七玉も☖7八竜と入られて自信がない。☖3八銀を受けるために☗5八歩と受けてもご臨終のときを先延ばしにするだけだろう。
 そこで私は☗5六桂と打った。☗4四桂で守備の要である金を狙いつつ、5六までの王様の逃走ルートを開拓する攻防手のつもりであった。また、この局面は自分の棋力では読み切るのが難しいので相手に考えてもらおうという魂胆もあった。対して相手も長考を返して☖3八銀。これが一番いやな筋ではあった。
 


 もし先に☖8七角成と踏み込んできたら☗8二歩と叩く。以下、☖同飛☗7一角or銀と割打ちをかける。以下、☖7八馬に☗8二角or銀成りとしたときに☖3八銀に手を抜ける。この時に☗4四桂が味のよい一手になりそうな顔をしていたので、足りないだろうなと思いつつも実戦的にはやり辛い手順だろうと踏んでいた。だが、☖3八銀を先に効かされるとさすがに手を抜けない。
 以下、何手か進んでハイライトが下図。
 


 私が☗5六桂の顔を立てるために☗4四桂と跳ねた場面。ただ、☖同銀☗同銀☖4三歩で負けを覚悟していた。以下、☗9八角に☖9九竜で桂馬がない先手ははっきり足りない。だが、実戦は相手が☖6五桂と打ったため、☗3二桂成☖同玉☗4五桂で勝ちを意識した。
 


 この手は詰めろではないが、例えば後手が☖5七桂成などをして先手に桂馬が入ると☗3三桂成☖同桂☗4四桂の順で後手玉は詰む。☖同玉も☗4四銀から6三に桂馬を打つ筋が生じるため詰んでしまう。かといって桂馬を渡さずに後手が攻めるのも難しい。以下、うまく寄せ切ることができて何とか勝ち。私らしい終盤うっちゃりであった。一局目でへろへろになった。序盤は鼻歌をしながらさせる四間飛車がやっぱりいい。

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