181107人材育成のキーワード選集_SECIモデル_

ベテランの経験を次世代に繋げるために!【SECIモデル】のご紹介

こんにちは、ミテモの小林です。
私と眞蔵修平さんの2人でお届けする「5分で学ぶ!人材育成のキーワード選集」。第二回の今回は【SECIモデル】をご紹介します。

皆さんは「暗黙知」という言葉を聞いたことはありますか?
ベテランの方や、ハイパフォーマーと呼ばれる方が、無意識にやっているノウハウ。つまり言語化できていない知識を「暗黙知」と呼びます。

なかなか気付かないけれど、実はいたるところに眠っている「暗黙知」を、どうやったら組織全体に広げていけるのか。そんな問いへのヒントとして、漫画とともに今日も人材育成に携わる人ならば知っておきたいキーワードを解説します。ぜひご活用ください!

どんな組織でも一度は話題に上がる生産性の課題。
組織が生産性を向上させるためには、組織内に眠る情報や知識の共有が必要不可欠です。新商品やサービス改善のお知らせといった商品情報はもちろんのこと、ハイパフォーマーやベテランの従業員が持っているノウハウなども、ぜひ全社で共有してフル活用していきたいものです。

ところで知識には二種類の定義があります。
ひとつが暗黙知と呼ばれる、個人が経験や実務から得た勘やコツといった、言語化できない知識。もうひとつが形式知と呼ばれる、マニュアルなどに言語化された知識です。

1980年代、日本企業が世界的に成功を遂げた際、知識経営の生みの親として知られる野中郁次郎氏は、その成功要因を「暗黙知から形式知への転換にある」として、【SECIモデル】を提唱しました。

【SECIモデル】とは

それではSECIモデルについて、詳しく見ていきましょう。SECIモデルは暗黙知と形式知がどのように組織内で活用されていくかをモデル化したものです。「暗黙知を暗黙知のまま共有する」のか、「暗黙知を形式知に変換する形で共有する」のかなど、それぞれの組み合わせで4通りの方法を提示しています。それぞれについて詳しく見ていきましょう。


共同化 Socializaiton(暗黙知から暗黙知)
経験を共有することで、考え方や技術を共体験するプロセスです。「背中をみて覚える」という言葉がありますが、まさに背中を見た状態で「なるほど、こんなことをやっているのか」「この場面でこう判断するのか」といったことを体感している状態です。この段階ではまだまだ感覚的なものが多く、マニュアル化したりすることは容易ではありません。

表出化 Externalization(暗黙知から形式知)
暗黙知を明確な言葉、つまり形式知に落とし込むプロセスです。対話や共同思考によって引き起こされることが多く、その際、論理的思考が必要になります。私たちが教材を作成する際にも最重視しているプロセスです。主に「はじめから手順を確認させてください」「この手順をうまくやるコツは何ですか?またそれはなぜですか?」どの手順でどのようなリスクがありますか?どのように防いでいますか?」などの質問で対話をしながら暗黙知を体系化・言語化していきます。

連結化 Combination(形式知から形式知)
形式知化したものを組み合わせて、新たな知識体系を創り出すプロセスです。異なった形式知を組み合わせて、体系的な知識へと変換していきます。マニュアルなどの形で言語化された情報やノウハウをみて、「なるほど、私の仕事であればこの仕事に活かせそうだ」「この知識とこれまでにやってきたやり方を組み合わせればもっとうまくできるかもしれない」とすでに知っていること・すでに形式知化されていることと組み合わせることを連結化と呼びます。

内面化 Internalization(形式知から暗黙知)
表出化・連結化した形式知を実際に活用するプロセスです。知識を実際に行動に移すことで、新たな個人へと内面化していきます。

いかがでしょうか。言語化された形式知と、まだ言語化されていない暗黙知。これらを上手く活用し、組織内に共有していくことが、生産性向上の第一歩となります。ぜひご活用ください!


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