見出し画像

ミスリルが使えなくなるとか言う話が出てたけどホントにやばかったのはD&D

 指輪物語とホビットの冒険の映像化権はトールキン財団(トールキンの著作権を管理する財団)ではなく、ミドルアースエンタープライズという会社が持っていて、この会社は元々前半で打ち切られたアニメ版を作るときにトールキンから映像化権を買い取ったソールザインツカンパニーの一部門で、現在も映像化権を保有している。そのため映画とゲームを作るときにはトールキン財団ではなくミドルアースエンタープライズから許可を取らないと行けない。要するにクマのプーさんにおけディズニーみたいな会社である。クマのプーさんの権利者はA・A・ミルンでありディズニーではない。ディズニーが権利を買い取って行使しているだけ(権利料が安すぎると訴えられて賠償させられていたけど)もっともプーさんの著作権はアメリカでも消失しているので習近平みたいなデザインのグッズでなければディズニーの権利を回避可能。

※ シルマリル以後の著作はトールキンの死後にクリストファーが遺稿を編集して出したものなのでミドルアースエンタープライズは権利を持たない。またこの権利、映画化権とゲーム化権だけらしく連続ドラマ権が含まれていないらしい。そのためAmazonはミドルアースエンタープライズではなくトールキン財団から権利を取得できたらしい。

 なおミドルアースエンタープライズは2022年にスウェーデンのゲーム会社エンブレイサーグループが買収してる。最後は、この会社が権利をどう行使するかという話になりそう。

 この二つに関する独自用語も許可対象らしく、すでにホビットはゲームに於いて使えないのだが、ミスリル、エント、オーク、バルログなどは使われている。タイトルで使われているか使われていないかが閾値になりそう。

 アメリカの商標権についても調べたが、商標権を登録しているのはミドルアースエンターライズであり、トールキン財団ではない。使用制限しているのがトールキン財団だと嘘つくのは辞めよう。

https://tmsearch.uspto.gov/

 ORCも商標権取ってた(日本では取得していない。樫の木を意味するオークとかち合うからか?)

orc

 商標権に関して言えば適用範囲があるのでそこまで調べないと行けない(ゲーム関係に登録していると思われるが) なおclass 021は「家庭用品」らしいので、家庭用品その他に権利主張しているらしい。オーク洗剤とかは駄目(そんな商品誰が出すんだ)それ以外にはグッズ類、電子機器、食品、兵器などにも適用されるみたい。つまり「オークの野望」みたいなタイトルは商標権にかかってしまうためミスリルよりオークの方が使用リスクが高いと考えられる。オークは、日本では商標権を取得していないので関係ないかも。しかし取得時期をみると劇場版ロード・オブ・ザ・リングが出て時期なので便乗商法対策なのかもしれない。

 商標権に関してはこんな感じになるが、ポイントになるのはミドルアースエンタープライズが所有しているのは実は映像化権で、小説(恐らくコミックも)に対しては権利を行使できない点。行使するとトールキン財団から訴訟を起こされる。そのトールキン財団も孫の世代に管理が移っているのでどうなるか分からないし、ミドルアースエンターライズも親会社が変わっているので権利行使の方針が変わる可能性もあるのでなんとも言えない。

 2003年に権利主張していたのは以下らしい

 HOBBIT、mithril、lembas、ORC、BALROG、ENT以外は元々意識的にさけられているので問題起きなさそう。ただSHELOBは固有名詞だが種族名的に使われて居るケースがあったかな。

 かなり前から権利主張しているから現在問題出ていないなら問題起きないと思うけどなぁ。HOBBITは駄目だしされているけど。エンブレイサーグループがどう出るか次第だけど。権利会社ならともかく、ゲーム会社が他のゲーム会社に喧嘩売りまくるのはあまり得策ではないのだが(特許権などで足救われる)

 しかし、ホントにやばいのはD&Dの方で、D&Dに出てくる固有モンスターはゲームどころか漫画や小説も駄目。リプレイにまで口を出すので有名。代理店もころころ変わるので有名。

 有名どころではビホルダーを出したら編集が土下座した鈴木土下座ェ門事件だが、他にも地雷がある。有名どころでは、リッチとトレントなのだが地雷踏んでる連中結構いるよね。そういえばグループSNEがD&Dリプレイの検閲逃れのためにTRPGを自作したのも有名。トールキンの創作用語(トレント、ホビット)を巧みに回避してアイデアだけパクって権利ゴロするスタイル。ちなみにハーフリングはグレーゾーン。理由は指輪物語でホビットの言い換えでハーフリングという単語が既に使われているから。D&Dがハーフリングに対して権利を主張するとトールキン財団やミドルアースエンターライズに刺される。D&Dにオーク出てくるけど大丈夫なのか?

 ちなみに遊戯王では、リッチではなくリッチーと表記し、英語名もLichではなくRichieと書いて回避してる。ちなみにリッチーは、リッチー・ブラックモアから来ている人名。鈴木土下座ェ門のBASTARD!!が初出だったかな。

 こんなことやった結果TRPG自体が日本で廃れたけど。

 実はMtGではこの2つがそのまま出てくるが、MtGの会社ウィザーズ・オブ・コーストがD&Dの権利を買収してるから出来る。

 まぁD&Dの権利にうるさい新和とTSRの二社とも消滅した後、ウィザーズ・オブ・コーストがD&Dのコア部分にOpen Game LicenseやCC-BY-4.0を適用しているのでこの部分は翻案可能(ハーフリングなど)。しかしビホルダーはフォーゴットンレルムサプリメントに紐付けされているので相変わらず駄目な気がする。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?