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健康じゃないとできないことがある。


癌になってから気付いたこと。
献血に行っておいたらよかった。


結婚後まもなく癌が発覚。
癌になり多くの治療を経験しました。
そして今も生きていることに感謝。
癌の治療も5年となり、私の経験を1つの記録として残していきたいと思うようになりました。
今既にがん患者さんもそうでない人も。
大切な人が癌になった時、自分が癌になった時。
私のここでの呟きがなにかの情報の一つになれば嬉しいなと思っています。



私が癌になって、今までの人生で後悔していることがあるとするならば、一度も献血をしたことがないこと。
元々注射が苦手で血圧も低めだった。
そんな私が血を抜くなんて、、怖すぎる。
注射が嫌いじゃない人がすれば良い。
体力あって元気な血がもりもりあるような人がすれば良い。
そんな考えだった。
学生時代、大学のキャンパスに献血の車が来ても一度も受けたことがなかった。
私1人がしなくても大したことはないと思っていた。
注射も苦手なのに痛い思いをわざわざするなんてそんな怖いこと出来ないと思っていた。


社会人になり、私は癌になった。
入院中は二日に一度、毎朝採血をされた。
入院中はずっと点滴に繋がれていた。
通院での抗がん剤は二週間に一度、採血をされ、そのあと点滴に繋がれた。
今も毎月採血があり、それとは別に体に造影剤を入れるために針を入れる。
今の私にとって注射や採血なんて大したことじゃない。
白血球が下がりすぎた時喜んで血球を上げるための痛い痛い注射を受けた。
手術や放射線や抗がん剤。
想像もできなかった辛くて痛い経験をした私からしたら注射一本なんてどーってことない。
あんな一瞬チクッとすることくらいなんでもない。

癌になって手術をする時に輸血が必要になるかも知れないと言われた。
他人の血が自分の体に入ることの恐怖よりも、何かあっても輸血体制が整ってることの安心感の方が強かった。
結局私は今まで輸血を受けたことはない。
だけどもしかしたら先、輸血を必要とすることがあるかも知れない。
そして何よりも、癌になって多くの癌サバイバーと呼ばれる人と交流をする中で、輸血に救われたという人は本当にたくさんいることを知った。みんな献血への感謝の言葉を口にする。

私たち癌患者はもう献血は出来ない。
私に至っては一生抗がん剤を使い続けなければいけないのだから出来るはずもない。
今の私が大学時代のあのキャンパスに戻れるなら、迷わず献血をするだろう。
注射が苦手なんて言ってた自分をビンタしたい。
なんであんなに簡単なことでどれだけ人が救われるのか想像もできなかったのかと怒りたい。
今健康な人も、いつか巡り巡って自分が助けられるかも知れない。
もしかすると自分の家族や愛する人が必要になるかも知れない。
病気になってからでは遅い。
出来なくなってから後悔しても遅い。
1人くらいしなくてもいいやじゃなくて、自分1人の血液が誰かを救うことが出来る。

もう私には2度と出来ない。
もし、健康な体があって、少しの優しさを持っているなら、まずは一度献血に行ってみてほしい。
自分がしてないことを他人に強要するなと言われるかも知れないけど。
私のように病気になってから後悔してももう戻ることはできない。
お医者さんのように人の命を救うことは出来なくても、自分の血を少し分けてあげるだけで、誰かの命を救うことができる。
こんなに素敵なことはない。






*献血とは
献血とは、病気の治療や手術などで輸血を必要としている患者さんのために、健康な人が自らの血液を無償で提供するボランティアです。※輸血とは…赤血球、血小板などの機能が低下したり、量が減少した時に補充する治療法です。


*献血が必要な理由
日本国内では、1日あたり約3,000人の患者さんが輸血を受けていると言われています。現在、輸血に使用する血液は、まだ人工的に造ることができず、長期保存することもできません。また、患者さんによっては大量の輸血を必要とする場合があります。このため、輸血に必要な血液を確保するためには、一時期に偏ることなく、1日あたり約13,000人の方に献血にご協力いただく必要があります。

最後まで読んでくださってありがとうございます!根拠のない自信で人生を楽しんでいます!! 私の経験が少しでも情報の一つになったら嬉しいです。 健康なのが一番!!検診は大事です!!