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🐳"くじらの背中"でレトロ散歩②【鯨ヶ丘:常陸太田市】

「鯨ヶ丘」に広がる鯨ヶ丘商店街には、レトロな建物が残されており、ノスタルジックな町並みが楽しめます。

 海の近くでもないのに、なぜ「クジラ」なの?
 いい質問でーす👍

 その昔、佐竹氏の居城があった馬の背中のような形をした台地は、「海に浮かぶクジラ」のように見えたことから「鯨ヶ丘」と呼ばれるようになったそうです。

 今回は、「鯨ヶ丘」のシンボル的建築物「常陸太田市郷土資料館(梅津会館)」を紹介します。

常陸太田市郷土資料館(梅津会館)

昭和11年(1936年)、太田町役場として建てられました。昭和53年(1978年)まで庁舎として使われ、その後、郷土資料館として利用されています。

当時の最先端の技術や流行を"これでもか"というほど取り入れています。
ラーメンでいうと"全部のせ"のような建物。

函館で商いに大成功した旧太田町出身の梅津福次郎さんの寄付で建てられたことから、「梅津会館」と呼ばれています。

アーチの車寄せ

当時流行したテラコッタ(陶器)と唐草模様の要石が用いられています。

スクラッチタイル(筋面タイル)

建物全面に縦にスクラッチの入った「筋面タイル」が使われています。
帝国ホテルの外壁で使われた「スクラッチレンガ」がもとになって昭和初期に流行しました。

タイル貼りの目地はかまぼこ型の「覆輪目地」。熟練した職人の技が求められます。
東京駅外壁のレンガの目地も、この覆輪目地で施工されています。

昭和11年当時のままの議壇(2階)

この階段や親柱には、常陸太田産の大理石の一種「寒水石」が用いられています。
国会議事堂の中央玄関の階段や床にも用いられているもので、高級感があります。

〜乃木坂46「平行線」ロケ地〜

 ここは、2019年5月にリリースされた「平行線」MVのロケ地です。
建物の前でメンバーがダンスを踊っているシーンが撮影されました。
MVでは「鯨ヶ丘商店街」全体を使ってロケが行われています。
「鯨ヶ丘」を訪れる前にMVで予習しておくと、街歩きがさらに楽しくなります。

 今回は、昭和の"全部のせ"建築「郷土資料館(梅津会館)」だけでお腹いっぱい。

今日はここまで、続きをお楽しみに…

〜つづく〜

【参考文献】
・常陽藝文 2023/8月号
 発行 公益財団法人 常陽藝文センター
・サクラサクライフ 2024年2月 VOL241
 企画・制作発行 株式会社常創
・鯨ヶ丘 常陸太田 ウォーキングマップ
 常陸太田市、鯨ヶ丘商店会、常陸太田市商工会
・常陸太田市ロケ地マップ
 常陸太田市フィルムコミッション
・常陸むかしの家 
 発行 社団法人茨城県建築士会

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