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第38回 カウンセラーのTシャツと言葉のサラダ  夢をかなえる方法とアイドル

カウンセラーとスタッフの日常会話の記録です。

Mi代表:深層心理学が専門のカウンセラー。Mitoce代表。
すたっふ:カウンセラー見習いのスタッフ。少々オタクらしい。


前回の続き。にっぽんワチャチャの前田Matonさんの「千円マトンの企画でTikTokに出演する。心理検査を受けて頂くという内容)

:今日は来てよかったです。ありがとうございました。

Mi代:こちらこそありがとうございました。

(にっぽんワチャチャの前田Matonさんが退室する)

Mi代:どうでしたか?横で見ていて。

すた:ひいてましたよ。前田Matonさん…。

Mi代:というと?

すた:いきなり目の前で黒魔術を見せられたような感じだったので。

Mi代:黒魔術?

すた:なんでそんなことわかるのって、ビックリされていました。Mi代表が説明したMatonさんのこころの状態について、Youtubeにもあがってませんよねって仰って。

Mi代:検査結果のほんの一部だけを話したのですが。

すた:前田Matonさんも「僕は別に気にしないので、話してもらっても全然いいですよー」ってかなり優しくて、許容して下さっていましたが。

Mi代:もちろん私も個人的な内容が含まれるなどを事前に説明していました。相手を傷つけるような内容を伝えたとか、倫理的にまずい内容を言ったのかと心配される方もおられるかもしれませんが、そうではないですよね。

すた:はい、そこは考えておられたと思いますし、了承を得ておられました。でも…。

Mi代:でも?

すた:前田Matonさんと比べて、Mi代表の方があきらかにヤバい人だったんです。Matonさんが普通の人に見えたというか。Matonさんは女装したオジサンですし、アイドルの衣装を着ておられました。ピンクの長髪でフリフリの短いスカート、縞模様のハイソックスです。それでもMi代表の方があきらかにヤバい人!

Mi代:正直、私も感じていました…。こころの状態をなぜわかったのかという驚き。

すた:はい、そうですね。ほんのちょっと絵を描いただけで、なんでわかるのって。

Mi代:今回については、カウンセラーとしては通常運転というか。むしろあまり負担をかけすぎないように、表面的な内容に留めていました。もちろん必要ない限り、本人にも伝えません。ただ、ビックリされてました。はじめて心理検査を受けたみたいなので。
Matonさんの反応を見て、私はいつもすたさんに言われている、「Mi代表はヤバいやつ」という評判を頭の中で何度も思い出していました。もしかして私はヤバい奴かもしれないって。すたさんの個人的な印象ではないぞと。

すた:ご自覚頂いてよかったです。

Mi代:この辺りは真面目に考えないといけないテーマです。悩み事があって、それについて心理的な背景を伝えるという話ですが、そういう状況を今まで経験をしたことがないかもしれない。それは当然ビックリするでしょうから。
もちろんMatonさんにとって何が役立つのだろうかと考えながらの発言です。いわゆる前意識というか、Matonさんも「たしかにそういう面がある」と自覚していたけれども、第三者から見てもそのような内容だということで驚いたという状況です。心理検査ではしばしばあるのですが。

すた:頭の片隅で自覚していたけれども、それを指摘される。

Mi代:心理検査の結果として示されるので。でもそれをどのように伝えるかが一番難しいです。検査結果からは、ある特徴が疑われるけれども、それを伝えることによってクライエントにとって役立つかがわからない。それならば伝えないほうがよいかもしれない。一方で、伝えた方が良いだろうと考える情報もある。どのように選択するか判断は難しい。

すた:一瞬のやり取りでしたけれども、Mi代表もいろいろ考えていたと…。あ、すみません、そろそろ今日はもうひとつにっぽんワチャチャの鈴木Mobさんのライブの時間ですね。私、見学に行ってきます。始めてライブにいくので楽しみです。

Mi代:ぜひ、感想をお聞かせください。

(すたっふ退出する)

(数時間後に戻ってくる)

Mi代:いかがでしたか?

すた:うーん、なんか不思議な体験でした。

Mi代:どうしたのですか?

すた:鈴木Mobさんは可愛かったのですが。ライブの雰囲気というか…。そこに来られていたのが、お客さんが20人ぐらいだったんです。ああ、そうそう、例えとして良いのかわからないのですが、私が経験したことある場所でいうと、実習で行った精神科のデイケアに似た雰囲気なんです。患者さんみたいな人がいるというわけじゃなくて、あの温かさ。
ライブが終わったあと、みんなチェキを撮るのが普通みたいで、それでどうしたらいいのかと迷っていたら、「こうしたらいいですよ」とお客さんの一人が優しく教えてくれて。それで社長の一平さんも「初めて来てくれたのに、チェキ買ってくれるんやね。ありがとう」といってくれて。それで鈴木Mobさんも、私が初めてライブに来たといったら、ものすごく喜んでくれて。なんか温かかったんです。
こういうのって、私はデイケアでしか経験したことがなくて。私がデイケアのメンバーさんで、それで一平さんや鈴木Mobさんがスタッフで。いつも待ってくれていて、それで会いに行くと喜んでくれるという。そういう場所でしたね。すごく不思議でした。

Mi代:私は今の話を聞いていて、ものすごく考えさせられます。そういう場所があったのだと。ちょっと、嬉しくて考えの整理がつかないですね。というのも、私は精神科デイケアという場所をものすごく大事な場所だと考えていたんです。とくに精神障害を抱える人たちにとって。
精神障害を抱える人たちは、世の中にいわゆる居場所がないと感じておられることが多い。けれども、精神障害を抱えているということを公開できて、共有できるという連帯感があるんですね。そして受け容れてもらえる場所がるという安心感。それはもちろんメンバー同士の関係性や、スタッフのかかわりの結果でもあります。それが鈴木Mobさんのライブでも似たような雰囲気だったと。
そうなるとそこに集まっている人たちは、鈴木Mobさんのファンであることのほかに、その場を大事にしようとしているんだなというのが伝わってきます。お客さんもスタッフも協力して。たぶんそれはメンバーだったり、社長の持っている人柄の部分も影響しているのだと思いますが。お客さんに居心地のいい場所になっている。それはとても大事ですね。そういう場所ってなかなか作れないと思うので、すごいです。アイドルのライブという集まりが、そのような雰囲気を作れる。

すた:そうですね。だからなんか不思議な空気感でした。

Mi代:共通の思いを共有していると、居場所や温かい雰囲気が作れるというのは、現代社会のなかで可能性を感じますし、ひとつの発見ですね。いわゆる居場所がない、孤立している人たちはいるので。そういった方たちが、今回はアイドルですけれども趣味活動という共通点を作ることで、居場所を生み出せる。文化というのはそういうものかもしれませんが、かなり勉強になります。

すた:Mi代表って、なんでにっぽんワチャチャを知ったのですか?別にアイドルオタクではないと思うのですが。

Mi代:そうですね、私はアイドルオタクではないですね。前田Matonさんにも同じ質問をされました。私はYoutubeで鈴木Mobさんが、にっぽんワチャチャの「推しジャン〜最後まで飛べるかな〜」という曲のショート動画で「地獄すぎる地下アイドル現場」というタイトルの動画があります。そこでは鈴木Mobさんがとにかくジャンプを繰り返す、それだけの動画なんですね。それをみて「一体何をしているのだろう?地下アイドルの人は?」と思ったのがきっかけです。そのあと、にっぽんワチャチャの動画を見ていくと、3年で武道館に立つという目標を掲げて、一所懸命にがんばっているんですね。ああ、こんなにまっ直ぐに目標に向かって頑張っている人がいるんだ、と思ったのがきっかけです。見ていると、自分も頑張ろうという気持ちになります。
私は正直に言うと見た目の可愛らしさとか、性的な表現とかそういうのをみても、あまり魅かれないんです。むしろ遠ざけてしまう部分がある。だからキャラだけのゲームも興味ないし、いわゆる可愛いアイドルというのも興味がない。でもにっぽんワチャチャは、ひとつの活動というか、仕事というか、それに取り組む姿が良いですね。内面に惹かれて応援しています。

すた:地下アイドルの応援となると、ひく人もいるかもしれませんが。

Mi代:いると思います。でも私は学ぶことが多いと思ったので、こうやって説明させていただいています。
今日は、私は前田Matonさんとお会いして、すごく学ばさせて頂きました。これまでYoutubeなどを通してしか、前田Matonさんをお見かけしたことがなかった。それが実際にお会いして、短い時間ですが仕事を一緒にさせて頂く。つまり自分のイメージ上で「これがMatonさんだ」と思っていた部分と現実のすりあわせが起きる。これって夢を叶えるということと似ているかもしれません。
自分の中にイメージがある。それを現実とどれほど近づけるかというテーマなので。イメージが現実に近づくほど、実現する。

すた:そう考えると、Mi代表はにっぽんワチャチャの話を以前にもしていましたが、そのメンバーと直接会うことを実現した。

Mi代:いわゆる「思考は実現する」ということですね。あまりカウンセラーがそのようなことをいうと自己啓発に偏ってしまうので、カウンセリングではあまり話さないですが。自分の内面にあったイメージが、何らかの形で実現するというのは実際にもあると思います。とくに「こうなりたい」と思っていることは実現する可能性がある。もちろんそのためには、努力など現実的な取り組みが必要ですが。

すた:今回も前田Matonさんの企画を聞いて、Mi代表は申し込んだ。だから実現した。

Mi代:現実的にいえばそうですね。でも実際に自分が「こうなりたい」と思っていても、そのための行動に移す人が少ない。だから「思っているだけで実現できない」場合が多いと思います。しかし現実を見ると「もう少し勇気を出して行動したら実現する」ことってたくさんあると思います。私は個人的には実現したいなら行動したらよいと思います。もちろん、ためらう気持ちも理解できますが。

すた:ところでMi代表はこのままアイドルオタクに走っていくのですか?

Mi代:いえいえ、私は基本的にはオタクではありませんし。たまたま、にっぽんワチャチャを応援している、大阪にいる地元の応援団みたいなもので。アイドル一般が好きというわけでもない。

すた:そうなるとアニメやゲームオタクに留まっていると。

Mi代:というか、私はやはり深層心理学が好きですね。結局、そのあたりを軸にして物事を考えている。私程度の人間がアイドルオタクとか、わちゃぽ(にっぽんワチャチャのファン)などと名乗ったら、大変申し訳ないです。もっとガチの人たちがいるので。私はガチの人をリスペクトしていますから。

すた:なんか複雑ですね。

Mi代:まとめると、今日のテーマは「願いはかなう!」です。ということで、にっぽんワチャチャの「ユメガタリ」を聞きましょう。

すた:行動が完全にオタクです…。


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