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マンチェスター・シティのグッズ展開

バイエルン・ミュンヘンの本拠地に続き、マンチェスター・シティの本拠地エティハドスタジアム内のメガストアに行ってきました。ここで展開されているグッズについてレポートします。

今季のプレミアリーグを圧倒的な強さで制したシティ。優勝決定直後のメガストアには、優勝記念グッズが幅広く展開されていました。首位を独走したため時間があったこともあるでしょうが、優勝記念グッズはレプリカユニフォーム・Tシャツを中心に品数が非常に多く、ここに商品を並べるまでの周到な企画・オペレーション等仕事の質が高いことを思わせます。

そして広い2階建てメガストア全体でもアパレルが中心で、サッカーグッズというよりは1つのアパレルブランドショップをイメージしたほうが近いです。アーセナルもマンチェスター・ユナイテッドも、競技は違えど千葉ロッテマリーンズのスタジアムストアでもこの雰囲気を感じますが、クラブのブランド価値を高めるのに寄与しているように思います。


■「日常使い」できるグッズ
日常に溶け込みそうなグッズとして、2つのシンプルな腕時計が目につきました。
僕は時計に詳しくなく異論をもらいそうですが、これを目の前の人が着けていてもまったく気になりません。むしろさり気なくサッカー好きをアピールできてて良いですね!となりそうです。

またネクタイはバイエルン・ミュンヘンのものと同じハコに入っている(製造元が同じ?)ものがありました。こちらはロゴがシティエンブレムそのままでカフスもセットになっています。


■「ロゴのシンプル化」
シティのメガストアには数多くのグッズが並んでいますが、エンブレムを前面に出している商品は多かったです。やはりこちらのほうが遠くからも目立ちますし、またスタジアムまで訪れるファンはクラブを愛するコアファンであることが多いであろうことからか、売上も良いのでしょう。

その結果、アパレル等にも基本的にはエンブレムが付いているものが多いです。これは個人的にはシティがそこまでお気に入りではないためか、食指は伸びませんでした。(ネクタイは悩んだ末買ってしまいましたが…)

シンプル化とは異なりますが、現エンブレムとは別のアイデンティティ確立ともいうべきか、こんなコーナーもありました。

 シティは1894年に設立されたクラブですが、その大もとは1880年に創設された「St. Mark's 教会」のサッカーチームにあるそうです(クラブヒストリー参照)。

そのチームのものと思われる写真で選手が着ているユニフォームにはクロスパティー(末広の十字)があり、グローバルクラブ化しつつもこの地元の歴史こそを最大限にリスペクトしていることを示す意味もあるのでしょう、最近の2017年に作られたようです。

現エンブレムはシャツの腰付近や背中のタグなど目立たないところに無彩色で置かれているだけで、①これを着て街を出歩いてもシティファンとはまったく思われないが、②クラブは歴史にさらなる深みを与えることができ、③着ている自分はちょっと誇らしげ、という状況が作れるのでしょう。
シティファンがグッズブログを作っていて参考になりました


■「スポーツ性」
シティは自身の持つスポーティなイメージを上手くグッズに展開しているように見えます。店内にはマネキンが多く置かれているのですが、「君スポーツすごいやってるよね」と思わせる体つきのマネキンに着せており、健康感が伝わってきます。

中には女性ランナーのグッズもありました。アウェイユニフォームのカラーであること以外は一見シティのグッズだとは見えないですが、ここで買ったウェアを身にまとうことで得られる「強豪サッカークラブの所属感」は意識を前向きに、健康的にしてくれるものなのだと思います。


■世界制覇を目指すも、歴史と親しみを忘れないグッズ
シティは世界でも最も強大な資金力を得て、この10年間で巨大なグローバルクラブへと進化しました。しかし一方で、ほんの10数年前まではいち早くグローバル化に成功した隣のマンチェスター・ユナイテッドと比較して「マンチェスターの体現する地元クラブ」としての立ち位置を取っていました。

この地元意識はグッズも含めたクラブにたしかに残っており、マンチェスターにある歴史やそこに住む人の生活に溶け込むことを意識したグッズ展開をしているように思います。大きなブランディングによるカッコよさと地域性のバランス。Jクラブも非常に地域に密着した歴史を持ちつつあるなかで、シティのグッズ展開から学ぶことは多いかもしれません。

■選手個人グッズの不足

1点、気になったところを挙げるとすれば、スター選手の集まる超グローバルクラブといえども、選手個人のオリジナルグッズが非常に少ないことです。

もちろんレプリカユニフォームは背番号・選手ネーム付きを買えますし、オリジナルTシャツ等も無いことはないのですが、選手それぞれに1〜2つくらいのグッズがあるのみで、とある選手の大ファンという人には少し残念なラインナップに映るかもなあという気がします。

例えばシティのエンジンでありブレーンであるスター選手、ケヴィン・デ・ブルイネのグッズが欲しかったのですが、見つかったのはこの「KDB」Tシャツのみ。

「選手」は「クラブ」に比べて流動性が激しく(活躍する/しないが短期的だし、背番号も変わるし、移籍するかもしれないし、…)グッズとして作りにくいことはありますが、このクラスの選手のグッズとなるとさすがにたくさん欲しいのはファン心理ですね。


【その0】欧州ビッグクラブのグッズ展開まとめ

【その1】バイエルン・ミュンヘンのグッズ展開

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