【備忘録】白黒ロイヤルのすゝめ―構築編―【シャドバエボルヴ】
はじめに
こんにちは、MITOです。
第9弾ブースターパック「光影の二重奏」が発売されましたね。皆さんはどのようなデッキで遊んでいるでしょうか?
今回は2月23日に開催されたREMOEVOFES!で筆者が使用し、チームで準優勝した≪白黒ロイヤル≫について備忘録的に書き連ねていこうと思います。よろしくお願いします。
デッキリスト
REMOEVOFES! 仕様
レオニダス採用草案
3/3 CS使用構築
3/9,10 CS使用構築
採用カード
1コスト
オケアノス
このデッキ唯一のニュートラルカード。フォロワーとしてかなり貧弱なスタッツですが、このデッキに必要なシステムフォロワーとして採用しました。
このカードの優秀な点は、盤面を占有しながら盤面除去を担当してくれることです。≪白黒ロイヤル≫には≪ペルセウス≫や≪音速の機構・ララミア≫という盤面の数によって強化を受けるフォロワーがおり、序盤の盤面数を増やすことは必須のミッションと言えます。≪オケアノス≫はその必須ミッションをこなしながら、序盤のロイヤルが苦手とするスタンドフォロワーや上踏みしてきた3コスト進化サイクルの除去を担当してくれます。
詳細は後述するカードごとの紹介に譲りますが、このデッキの進化フォロワーはすべて軽量で、少ないPPでも容易に組み合わせられるということも相性が良いと言えるでしょう。
小回りの利く優秀なカードなのですが、ニュートラルというクラス特性の関係で2枚採用。ロイヤルなら3枚入れていたかもしれません。
粗暴な豪剣士
ムキムキゴブリンその1。1/2/2の標準スタッツですが、トークン・フォロワーと併用した瞬間にマナレシオが壊れてしまいます。
ここで、このデッキのトークン生成カードを見てみましょう。
≪希望の戦術家・セリア≫/≪絶望の使者・セリア≫
≪イノセントプリンセス・プリム≫
≪白の王・イメラ≫/≪白と黒の決闘≫
≪絶望の使者・セリア≫は例外ですが、それ以外のカードは非常に軽いコストでトークンを生成してくれるため、≪粗暴な豪剣士≫を1/3/3のスタッツで序盤から運用することが可能です。
このカードは、場に出ると当然強いのですが、採用そのものが強いという一面があります。このカードの存在により、相手は≪ナイト≫や≪シールドガーディアン≫などの一見貧弱でゲームに関わりにくいトークンフォロワーにも除去を配分していかないといけなくなります。細かい除去が苦手なデッキには相当なストレスになるでしょう。
序盤にこそ輝くカードなので3枚採用。できるだけ3/3で運用したいため、2/2で使うのは初動のみかもしれません
空の指揮官・セリア
美人ゴブリン。筆者はロイヤル初の両面カードがこのカードで本当に喜んでいます。
強みは何と言っても汎用性でしょう。1/2/2という標準スタッツから追加して1コストまたは4コスト支払うことでトークン生成を行います。
表面の≪希望の戦術家・セリア≫(白セリア)は≪シールドガーディアン≫で自身を守りながら展開ができます。複数除去を強要する1/1/1【守護】は≪ベルエンジェル≫と同様の盤面保持能力があります。先述した≪オケアノス≫や≪粗暴な豪剣士≫と非常に相性が良く、初動1,2PPの連続行動や、3PPにまとめて出す行動が非常に強力です。
裏面の≪絶望の使者・セリア≫(黒セリア)はフィニッシャーとして活躍できるポテンシャルを持つ1枚です。1コスト増加しただけで≪フローラルフェンサー≫に【疾走】効果が加わってしまいました。文章にするとすごいことが書いてあるとわかります。また、生成されるトークンの≪ナイト≫は後述する≪白と黒の決闘≫の墓場効果に反応するため、7PPで6点のバーンとして運用することも可能です。最も綺麗な流れは7PP≪白と黒の決闘≫+≪音速の機構・ララミア≫、8PP≪黒セリア≫+EXから≪ナイト≫→≪白と黒の決闘≫起動となる気がします。2ターンにわたって5+4+2+2で13点くらい出るらしいです。
すべてのゲームレンジで腐らないため当然の3-3採用。レアケースですが、≪紫電の黒豹≫からリアニメイトすることも考えて進化後も3投してみています。
ペルセウス
ムキムキゴブリンその2。場の占有枚数によってバフを受けることができます。
基本的な役割は≪粗暴な豪剣士≫と同じですが、発動条件が序盤だと少し厳しめで扱いが難しかったりします。このカードそのものというよりは他のカードが処理されにくい状況を作って条件を達成するように意識するといいでしょう。
≪粗暴な豪剣士≫と同様に3枚採用。後半ほど勝手に3/3になってくれます。
→≪レオニダス≫の採用枠を確保するために2枚採用へ。最も減らして怒られないところかなぁ…という判断です。(2024/03/11)
2コスト
イノセントプリンセス・プリム
このデッキのエンジンとなる1枚。正確にはデザイナーズコンボの≪静かなるメイド・ノーニャ≫がエンジン的役割を担うのですが、ノーニャの運用には必須と言えます。
先攻2ターン目に設置する動きが最も強く、続けて3ターン目に進化して3/4/4という優秀なスタッツを持つノーニャにつなげることができます。
他にも、あえて進化のルートを取らず≪粗暴な豪剣士≫と組み合わせて合計スタッツ3/5/5の3面展開として運用することもあります。
スタッツ自体は弱いのですが、このフォロワーを残すとノーニャがデッキを回し始めてしまうため、除去強要に近い印象を与えています。そのため、スタンドして置いておくこともそれなりに多い気がします。
デッキのエンジン部に触るカードなので3-2採用。実は≪白と黒の決闘≫とシナジーがあります。
音速の機構・ララミア
このデッキのメインウェポン。このデッキにとってはあまりにも緩すぎる進化コスト軽減効果を活用して2/4/3の【疾走】フォロワーとして運用します。
進化時の追加コストを支払い最大火力として運用するというよりは、早期に投入してゲームテンポを高速化させるイメージで運用します。早期進化を目指す理由として、≪紫電の黒豹≫の存在があります。≪音速の機構・ララミア≫を早期に墓場に落とすことによって、≪紫電の黒豹≫のリアニメイトバリューが一気に跳ね上がります。
強力な攻撃性能の一方で、本人が走るとき盤面干渉ができないのが弱点でしょうか。≪オケアノス≫や≪白の王・イメラ≫、≪妖刀の鬼・ツバキ≫などの非進化で優秀な除去フォロワーでサポートしていきたいです。
デッキのメインウェポンで、リアニメイトも込みで使うため3-3の最大採用。3回進化を切ることもかなり多いです。
黒の女王・マグナス
このデッキのコンセプトを担う1枚。単体で使うとそんなに強くないため、≪白と黒の決闘≫でまとめて解説します。
手元に来たこのカードはだいたい≪静かなるメイド・ノーニャ≫で交換している気がします。
コンセプトカードで最大採用の3枚。2枚にするとデッキからなくなることが頻発したため3枚に戻しました。
月の刃・リオード
もはや説明不要かというくらいどのロイヤルにも入っているカードです。どのデッキにも入りすぎて、最近の筆者はこのカードを9枚同時に持ち歩いていることに気づいてしまいました。
できるだけ早期の設置を目指して運用します。設置後は上踏みしてきた相手フォロワーを軒並み刈り取ることができるため、小型フォロワーで積極的に攻撃していくことができるようになります。
前環境までは4/4スタッツの縦置きに対して除去能力の不足を感じることがありましたが、≪オケアノス≫との併用で触り切ることができるようになりました。やはり置ける≪エンジェルスナイプ≫は偉大です。
スタンド状態に限り、【威圧】【オーラ】を併せ持つ【潜伏】に近い状態になります。除去に対して非常に強い耐性を持つため、≪音速の機構・ララミア≫の進化条件を確実に緩和してくれます。
もう手放すことができないため3-2採用。ここから減る未来が見えません。
3コスト
静かなるメイド・ノーニャ
≪イノセントプリンセス・プリム≫とのデザイナーズコンボカード。コンボカードといいつつ、デメリットを持たない3コストフォロワーの中では最も優秀なスタッツを持ちます。
そして、≪イノセントプリンセス・プリム≫がいる際、コストを-1します。2/4/4というふざけたスタッツとなり、マナレシオが壊れてしまいました。こんなに壊れたのダスカウオッカくらいじゃないですかね…。
その優秀なスタッツで相手のヘイトを一気にひきつけ、処理強要を押し付けていきます。処理されても2コストで相手の2コスト以上の除去を使わせているため、実質勝ちな部分があることが恐ろしいです。
しれっと2枚の手札を交換するルーターとしての役割も持っており、マナカーブが極端に偏っているこのデッキのバランスを保つことにも貢献しています。捨てるカードはその場のアドリブで決めていますが、直近で行ったトリックプレイには≪白と黒の決闘≫を捨てて即座にバフ運用するというものがありました。
いろいろな枚数を試しましたが、あまりジャムる感じがしなかったので3枚採用にしました。≪自然ロイヤル≫の時も感じましたが、筆者はデッキを掘るカードが好きな傾向にあります。
→紆余曲折あって≪白と黒の決闘≫を捨てるために3枚採用。詳しくはコラム「デッキの構造的欠陥」の項にて。(2024/03/11)
白の王・イメラ
このデッキのコンセプトを担う1枚。こちらは≪黒の女王・マグナス≫と異なり、手から出してもそこそこの働きをします。
とは言え、やはり手出しが強いわけではないため、捨てることの方が多いです。
≪黒の女王・マグナス≫と同様の理由で3枚採用。
白翼の戦神・アイテール
ほぼ何でもサーチできるワイルドカードです。このデッキでサーチできないのは≪オケアノス≫、≪月の刃・リオード≫、≪妖刀の鬼・ツバキ≫です。
スペルもサーチできることが非常に強力で、このデッキの根幹をなす≪白と黒の決闘≫にタッチすることができます。
また、墓場のロイヤルフォロワーが7枚以上の時、盤面全体にバフをかけてくれます。横展開が主軸となるこのデッキと非常に相性が良く、詰み盤面を作るポテンシャルを秘めています。
その一方で、このカード自身は盤面を触る手段を持たないため、序盤に使うと十分な性能を発揮できない部分があります。基本的には5ターン目以降のダブルアクションとして運用することが多いでしょう。
真価がはっきりするのは後半と割り切って2枚採用。すぐ3枚採用に戻す可能性は十分にあります。
→3枚に増やして2枚に戻しました。あくまですべてのカードの4枚目的役割なため、経由しない動きが最も強かったです。(2024/03/11)
妖刀の鬼・ツバキ
条件達成型のフォロワー。条件を達成しない限りバニラカードでしかありません。
しかし条件を達成した瞬間、とんでもないフォロワーに化けるカードです。現環境の制限なし確定除去はニュートラル3コストスペルが基準となっています(≪粛清の一刀≫)。≪妖刀の鬼・ツバキ≫は墓場にロイヤルフォロワーが5枚あるだけで、同じコストで4/3という優秀なスタッツをスタンドさせることができます。
さらに、10枚条件を達成した場合、ツバキそのものが【疾走】を持ち打点となって走り始めます。
ここで、このデッキのある程度の想定行動を以下に示してみます。
1コストフォロワー(1)
プリム(1)
プリム進化+ノーニャ(3)
リオード(1)
白と黒の決闘(2)
ノーニャ+ツバキ(2)
()内に書いた数字は各ターンにプレイしたフォロワーがすべて墓場に移動したと仮定した数字です。合計すると10。このデッキは最速で6ターン目にツバキが走り始めます。
あくまで最適行動を追った数値ですが、それでも十分にバリューのある話だと筆者は考えています。
サーチできないカードなので最大採用の3枚。序盤にジャムったときはノーニャで捨てることも視野に入れるカードです。
→2枚に減らしてその後3枚に戻しました。このカードがないと各クラスのファッティがあまりにも重すぎました。(2024/03/11)
4コスト
紫電の黒豹
筆者が最近よくお世話になっているカードです。詳しくは前回の記事にて。
今回のリアニメイト対象はもっぱら≪音速の機構・ララミア≫です。なぜか進化条件を1緩和しながら5/3で疾走できます。しかも並の守護フォロワーは≪紫電の黒豹≫の【突進】効果で貫通できるというおまけつき。
弱点はララミアが墓場にいない時持て余してしまう点でしょうか。序盤の展開に使用した≪イノセントプリンセス・プリム≫を蘇生させて展開したり、≪静かなるメイド・ノーニャ≫でディスカードした≪黒の女王・マグナス≫を蘇生して打点に変換したりなど、トリックプレイでカバーしてみるといいと思います。
とりあえず雑に強いため3枚採用。最近は1枚減らしてもいいかなぁ…という使用感になってきました。
→実際に2枚に減らしました。≪レオニダス≫の採用枠確保のためです。(2024/03/11)
5コスト
白と黒の決闘
このデッキのコンセプトを担う主軸カード。同時に最大コストのカードでもあります。
筆者はこれまで様々なカードの気づきにくそうな応用法などを文章化してきましたが、ここまで分かりやすい強さを持つカードを説明したことがないかもしれません。それくらい強力なカードです。
まず、1枚で完結した能力という時点で強力です。ロイヤルのクラス的欠陥として、多くのカードを併用するため手札のリソースを損失しやすいというものがあります。≪白と黒の決闘≫は1枚で2枚のカードをデッキから持ってきてそのカード分の仕事をしてくれるという意味の分からない仕事量を持っています。
次に、展開スタッツが暴力的です。≪白の王・イメラ≫と≪黒の女王・マグナス≫をサーチして展開します。3+2で実質5コスト適正か~とか思ってたら、なぜか最後に+1/+1の修正をかけてしまいました。これにより展開されるフォロワーは次の通りです。
5/4【突進】【指定攻撃】
3/3
1/1(バフされて2/1)
1/1(バフされて2/1)
合計スタッツ10/9(12/9)
どうかしているとしか思えません。5/12/9なんてスタッツ、筆者は今まで見たことありません。ウマ娘?何の話ですかね…?
ダメ押しとしてこのカード、なんと墓場でも仕事をします。墓場の≪白と黒の決闘≫と2PPをコストにして、場のすべての≪ナイト≫に+1/0と【疾走】のバフを与えます。この効果は任意起動であるため、5ターン目に使用した決闘を後半のコストに使用することが可能です。よって、7ターン目に決闘を使ってそのまま走らせてもよし、2枚目の決闘がなかったとしても≪黒セリア≫を使って6点を出してもよし、と非常に汎用性が高いです。他にも、≪イノセントプリンセス・プリム≫+≪音速の機構・ララミア≫+EXから≪ナイト≫→起動・進化でも7PPで8点となります。
とにかくどこをとってもヤバいカードなので3枚採用。使ってみてヤバさを再実感しました。
→強力なカードである一方、パッケージカード特有の構造的欠陥が発覚しました。詳しくはコラムにて。
6コスト
レオニダス(2024/03/11)
ミッドレンジロイヤルから長い間採用されてきたエボルヴフォロワーです。最近はテーマデッキである≪自然ロイヤル≫の流行により採用が見送られていましたが、新たなアーキタイプを携えて帰ってきました。
特徴は何といってもラストワードで生成するトークンアミュレット、≪レオニダスの遺志≫のバフ効果です。≪白黒ロイヤル≫は横展開を得意とする一方で、展開フォロワーのスタッツは小型であり、後半戦においてはどうしてもパワー不足となってしまいます。≪レオニダスの遺志≫はその弱点を克服し、あまつさえ強化してしまうようなアミュレットです。
≪レオニダスの遺志≫条件下において、このデッキのリーサルレンジは一新されます。代表的なリーサルパターンを以下に示します。
≪白と黒の決闘≫+≪白と黒の決闘≫墓場起動によるナイト疾走+≪黒の女王・マグナス≫によるバフ効果
→(1+1+3+1)×2=6×2=12点(7PP)≪空の指揮官・セリア≫の黒進化+≪白と黒の決闘≫墓場起動によるナイト疾走
→(4+3)+(1+1+3)=7+5=12点(7PP or 6PP+1EP)≪音速の機構・ララミア≫+≪イノセントプリンセス・プリム≫+EX≪ナイト≫+≪白と黒の決闘≫墓地起動によるナイト疾走
→(4+3)+(1+1+3)×2=7+5×2=17点(7PP)
この他にも、≪妖刀の鬼・ツバキ≫と≪音速の機構・ララミア≫だけで単純に14点出たりなどがありますが、キリが無いため割愛します。
≪レオニダスの遺志≫を立てることができれば、1~2枚のカードで超打点をたたきつけることができるため、筆者の構築では必須級の1枚となってしまいました。
とはいえ、あくまで押し切れなかった場合のサブプランなので2-1枚採用。1-1枚採用だとサーチを経由することが多く、存在がバレて強く使うことができなかったという事情もあります。
採用検討カード(説明割愛)
無敗の剣聖・カゲミツ
疾風怒濤(使った→外れた)
アックスプリンセス
ウォードッグ
爆砕の傭兵・フィーナ
フローラルフェンサー
とにかく盤面展開が得意なカードは採用価値がありそうです。今回は環境初日だったためパッと思いついたリストをほぼ一発撮りで挑みました。
終わりに
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
このデッキのnoteは当初書く予定はなかったのですが、現地で思ったより色々な人に質問されたり、Xで話題になったため急遽書いてみました。
そのため、文章として拙い部分や、検討が足りない部分があったかもしれません。ご了承ください。
まだまだ改良の余地があるデッキでもあるのかなぁっと思う一方で、ひとまず長い間温めていた構築思想の花が咲いて嬉しい気持ちも否定できません(遡ったら去年の6月くらいには同名のデッキリストがありました)。
最後になりましたが、新弾発売当日という大変な時期にREMOEVOFES!を開催してくださった主催のTyshi さん(@Tshi0709)、ふぁがるど さん(@fagarudo_ebeta)、メインジャッジのオザキ さん(@ozaki_evolve)、会場内物販を展開してくださったFIVE CARD 様(@5cardsakado)、そして大会に参加してくださったすべてのプレイヤーの皆様に厚く御礼申し上げます。
対面との相性やプレイングなどはそのうち追加するかもしれません。
それでは皆さん、また次の機会に!
参考文献
同じ構築思想の対戦動画
構築時点では観ていなかったのですが、分かりやすい動画だったため置いておきます。
追記・修正履歴
3月上旬の大会記録およびデッキリスト、採用カードの使用感を追記しました。(2024/03/11)
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