見出し画像

推しを絡めてハウスミュージックを勉強してみた

 今回は"Aqua"の配信に伴って、JO1がこれまで配信してきた楽曲の中でも「ハウス」という楽曲ジャンルについてまとめ、そのジャンルの良さやグループとの親和性について考えていく。
 筆者は専門的な音楽経験があるわけではないため、この記事の内容はあくまでも自分で調べた事や自分で色んな曲を聴いて解釈した上での内容となる。個人の勉強のまとめを読んでいる、程度の認識で目を通していただけるとありがたい。



ハウスミュージックについて


 まず、前提となるハウスミュージックの定義について。色んなサイトを読んだり楽曲を聴いていくと、定義となる要素は主に下記の通りとなる。

・四つ打ちである事(四分音符で一小節に四つのバスドラム音が鳴る。)
・BPMが大体110〜130(BPMとは:Beats Per Minuteの略。1分間に刻まれる拍数の事。例えば1秒ごとに拍子を取った際のBPMは60となる。)
・同じリズムを繰り返す構成

 1977年にアメリカのクラブから生まれたらしいハウスミュージックは、今となってはノリの良く踊りやすい音楽ジャンルとして世界的に普及していった。普及する中でガラージハウスやディープハウス、フューチャーハウス、プログレッシブハウス、エレクトロハウス…などなど細分化も進んでいる。

 続いて、細分化されたハウスミュージックのジャンルを例を挙げながらいくつかまとめていく。例で挙げる楽曲のほとんどは私が知っている&触れやすいJO1の曲や有名なKPOP楽曲に絞っている場合がほとんどとなるが、余裕がある方は海外のDJや音楽プロデューサーが作った楽曲にも触れてみてほしい。


ディープハウス


 この記事を書くきっかけになったのがディープハウス。派手すぎる音を避けて音楽を聴き込んだ際の陶酔感を楽しむ事ができるのが特徴と言える。
 個人的には、艶やかで水のような透明感が音に感じられる楽曲が多い印象。

JO1/Aqua

 最近のKPOPではあまり見られない王道のディープハウス。最初は不規則なリズムが続くが、0:23〜から四つ打ちが鳴り出して曲が安定し、軌道に乗っていく。メンバーの歌声は高低差をはっきりつけているが、インストはそこまで派手ではない。

f(x)/4 Walls

 「好きなKPOPのディープハウスを教えて」と聞かれた際に一番にこれを答えたい。水に揺蕩うような緩やか且つ艶やかな歌声は聴くたびにうっとりする。名曲。
 SMエンタはディープハウスの名曲が多く、2015年以降"4 Walls"だけでなくSHINeeの"View"(後に触れる)、EXOの"Artificial Love""、NCT127の"Replay(PM01:27)"などを公開している。

公園少女(GWSN)/Puzzle Moon(퍼즐문)

 KPOP界にディープハウスが本格的に浸透したのは2018年頃と言われているらしく、その年にデビューした公園少女はデビュー曲にディープハウスを採用。それがこの"Puzzle Moon"。4 Wallsと聴き比べるとコロコロとした電子音に可愛らしさがあり、同ジャンルでもグループのコンセプトの違いが聴いて取れる。初めてのカムバックでもディープハウスを取り入れており、"Pinky Star"も一聴の価値あり。

NU'EST/INSIDE OUT

 個人的に好きなディープハウスなので紹介。NU'ESTの醸し出す大人な雰囲気と曲がマッチしすぎている。テンポも早すぎないのでとても聴きやすいのが好きなポイント。


トロピカルハウス


 ディープハウスから派生したジャンルで、ディープハウスよりも明るめでゆったりとした音楽。南国やビーチといったリゾートを感じられるような楽器を取り入れている事も。
 人によってディープハウスとトロピカルハウスの分け方はそれぞれであり、個々の区分は人の好みで左右されるかもしれない。

SHINee/View

 "View"は人によってディープハウスかトロピカルハウスか大きく分かれるようで、ディープとトロピカルのちょうど真ん中あたりに位置している曲かもしれない(4 Wallsと事務所被りがあるというのもあり、トロピカルハウスに配置してみた)。トロピカルハウスに位置付ける人は、夏っぽさを重要視しているのかも。歌詞の「다운 다운 다운 다운 View」は一回聴いただけで耳に残る。
 SHINeeは他にも"I Want You""데리러 가(Good Evening)"といったトロピカルハウスを持つ。

Justin Bieber/What Do You Mean?

 ここで唐突な洋楽。おそらく世界で一番有名のトロピカルハウスはこれ。私はディープハウスだと思っていたがトロピカルハウスらしい(もう分からんて基準が)。
 日本でもCMソングとして起用されていて一時期ずっと流れていた。この楽曲が収録されたアルバムは傑作として高く評価されており、発売された2015年当時にはまだワールドワイドでは無かったトロピカルハウスを一気に押し上げたらしい。音も少なめで他よりも四つ打ちが聴こえやすい。

WINNER/REALLY REALLY

 トロピカルハウスが大得意のグループといえばWINNER。サビのREALLY REALLY〜と繰り返すメロディーと真似しやすい振り付けは、聴き手を引き込んで自然と踊らせてしまうようなキャッチーさがある。"REALLY REALLY"だけでなく"AH YEAR"や"ISLAND"もトロピカルハウスに該当する。

KARD/Hola Hola

 トロピカルハウスの話をするならKARDの名前も出すべきだろう。"Hola Hola"はテンポもそこまで速くはなく、トロピカルハウスならではのリゾート感、聴いているだけで心地良くなるのが魅力。夕暮れのリゾート地の光景が音から感じられる。


フューチャーハウス


 EDMとハウスの融合と言われるジャンル。元々はディープハウスにまとめてジャンル付けをされていたが、2010年代前半に新しく名前が付けられて確立された。
 フューチャーハウスの特徴として「メタリック」という言葉が多用されている。ディープハウスよりも音が大きく、明るくて硬い音が多用されて近未来っぽくなってるのがフューチャーハウス…というのが個人的なイメージ。JO1の"GO"とかはまさに中間に位置してる曲だと思う。

JO1/REAL

 JO1の中でフューチャーハウスを探すならREALが一番近いと考えられる。おそらくREALはディープハウスとフューチャーハウスが混ざっているように聴こえる(0:23〜はディープハウス、サビの0:56〜はフューチャーハウス)。

AB6IX/감아(CLOSE)

 AB6IXのハウスといえば"BREATH"が有名だが、個人的にこちらが捨て難いのでチョイス。ハウスの四つ打ちが聴こえてくるのはサビからだが、それと一緒にフューチャーハウス特有のメタリックを感じられる音がどんどん入ってくる。"BLIND FOR LOVE"だったり、AB6IXはハウス系統に本当に強い。
 これは余談だが、久々にこの曲のMVを観ると丈が短くてお腹が見える衣装が多用されていて、「そういえば丈短いの一時期謎に流行ったな…」と懐かしく感じた。

KARA/WHEN I MOVE

 久々のカムバックを果たしたKARAお姉様達の美しさと強さが感じられるこちら。静かに始まりながらも、サビに入った瞬間に一気に音が強くなって飲み込まれる感じが堪らない。MVの煌びやかな色合いが楽曲にもKARAにも合っていてとても良い。
 KPOPの世界だとゴージャスさをアピールするのにフューチャーハウスはよく使われているようで、TWICEの"Feel Spcial"やIZ*ONEの"FIESTA"などが挙げられる。

NCT 127 X Amoeba Culture/Save

 例に挙げた他3曲と比べたら一番メタリック・近未来を感じられるのがこちら。だが曲の中には民族感を醸し出す笛の音も使われており、枠にはまらない面白い楽曲となっている。一時期ずっと聴いてた。イリチルってこういう音がKPOPアイドルの中で一番似合う気がする。
 ちなみにこの曲って公開されて以降ツアーとかで披露されたんでしょうか。誰か教えてください。


ファンキーハウス


 ディスコやファンクといったジャンルに大きく影響されたハウスミュージック。これまでに紹介したジャンルとは一味違う、気分が明るくなる・高揚感を引き出すサウンドになっているのが特徴。使われている楽器も電子音だけでなくギターやブラスが加わり、それら全てでノリを作る。ノリの良さや踊りやすさが特に大事にされているイメージ。
 KPOPの括りでこのジャンルを調べると、2020〜2021のレトロブームに乗っている曲が多かった。

SEVENTEEN/음악의신

 ノリの良さ、使われている楽器、醸し出す明るさなど、聴いているだけで気分を引き上げてくれる楽曲。思わずテンポを取ってしまうノリの作り方だけでなく、気持ち良く歌い上げるアイドル達の歌声にも耳を傾けられるバランスの良さが神がかっている。

TXT/5 53분의하늘에서발견한너와나(Blue Hour)

 レトロブームが爆発した時期に公開された楽曲。流行りを踏襲したジャンルでありながら、TXTにしか出せない夢のような世界観を滲ませている。カムバックが10月下旬というのもあり、当時の季節や温度感にもピッタリの曲である。
 先輩のBTSが同じレトロの括りで"Dynamite"という大ヒット曲を出した後で比較もされていたが、TXTにしか出せない透明感や童話のような世界観が音楽に投影されており、HYBEが得意にしてるジャンルって結局これなのでは?と数年越しに思うなどしている。

EXO/Don't fight the feeling

 前述の2曲と比較すると電子音が多めで、まるでゲームの世界のようなコミカルで伸びがあるインスト。軽快でありながら眩い、それでいて優しい音楽とEXOのボーカルの良さが120%噛み合っている神曲(好きすぎて語りたくなるこの気持ちを許してほしい)。「絶対にインストとボーカルを一体化させる」という強い意志を感じる。だからこそ、アイドルがどれだけ歌い上げても感情が乗っても後ろにもたれすぎず、最後まで走り抜けている気がする。


ビッグルームハウス


 ビッグルームと名のつく通り、大きな空間に大音量で響かせたくなる強力なサウンドが特徴。これまで紹介したハウスとは明確な違いが一つあり、四つ打ちがとても激しく地面に響くような重みがあるのが特徴だ。

BLACKPINK/붐바야(BOOMBAYAH)

 ビッグルームが強いのがYG。ブルピンだとこれ以外にも"How You Like That"にビッグルームの要素が見られる(最後のダンスブレイク)。TREASUREの"사랑해""직진"にも使われており、YGの曲が好きな方はビッグルームハウスを漁ってみてはいかがだろうか。

EVERGLOW/Pirate

 このジャンルはエバグロも得意。”Pirate”はビッグルームハウスの定義となる強烈な四つ打ちが鳴っている時間が長く、参考になりやすいかもと考え選んだ。他にも"Adios"などが当てはまる。

JO1/Eyes On Me(feat.R3HAB)

 1:00〜のサビや1:56〜にビッグルームハウスの要素が見られる。上記2曲に比べてインストが抑えめの時間が長いが、その分聴きどころと弾けどころがハッキリしていて分かりやすい。民族的な要素が電子音と調和しているのも面白いポイント。


JO1の楽曲で仕分けしてみる


 ハウスジャンルをいくつか紹介したところで、推しのJO1のハウス曲をジャンル分けしていく。このジャンル分けは勉強中の私の私見が入るので、好みに寄る部分も大きい事を踏まえた上で読んでいただきたい。
 記事を読んで、この曲のジャンルは正確にはこっちだと思う!というのがあればコメント欄に寄せていただけると助かる。


ディープハウス


YOUNG

Aqua

Dot-Dot-Dot

 フューチャーハウスと迷ったが、楽曲全体に漂う雰囲気を考えるとここ。


フューチャーハウス


GO

最初はディープハウスに分類していたが、近未来的雰囲気を考えるならこちら寄り。

REAL

We Alright

 ディープハウスにしては盛り上がりがあるし曲調がハッキリ明るくなる部分があるためここに分類してみる。ファンキーハウスとも違う。


ファンキーハウス


RadioVision


スウィングハウス(エレクトロスウィング)


Comma,

 スウィングハウスは、スウィングやジャズにハウスやヒップホップの要素を混ぜて現代風に昇華したもの。"Comma,"はジャズ特有のリズムの取り方(二つの連続した音符のうち、初めの音符の長さを長めにとり、二つ目の音符を短くする。少し後ろにもたれかかるイメージ)になっているので、ここに分類してみた。


ビッグルームハウス


Eyes On Me


分類分けが迷うもの


無限大

 トロピカルハウスとかフューチャーハウスとか、それ以外にも色んなジャンルのハウスがツギハギになっている印象。難しい。コード進行はほぼループしてるので、ハウスの要素の一つである「同じリズムを繰り返す」を進行で踏襲してる。

Your Key

 トロピカルハウスだと思っているが、私が感じるリゾート感がMVに引っ張られている可能性がある。

Rose

 サビ部分の四つ打ちを聴くとハウスジャンルが入るのか…と思うが、あんまりしっくり来ない。有識者の意見求む。

My Friends

 コンセプト評価曲の"やんちゃBOYやんちゃGIRL"がレトロハウスに分類されるが、曲調などが似通っているのでこれもレトロハウスか…?と思ったが、レトロハウスの定義が自分の中で未だにつかみ切れておらず、不明。


最後に


 ここまで自分なりに色々まとめてみたが、ジャンル分けや定義というのは思った以上に「人に寄る」部分があるようだ。YouTubeやSpotifyのプレイリストなども色々探ってみたが、Aさんが作ったフューチャーハウスのプレイリストにあった曲が、Bさんの作ったディープハウスのプレイリストにはいっている…などもちょくちょく見かけた。
 正確にジャンル分けするにはひたすら曲の数を聴いて勉強するしかないが、作っている側ももしかすると「これは〇〇ジャンルに当てはまる!」と自信を持って言い切れる分かりやすいものを常に出しているとは限らない。
 また、近年では色んなジャンルを複合したキメラみたいな曲も沢山出てきている。例えば"Eyes On Me"は野生感のある民族的な楽器と現代的なEDMが混ざっており、全編通してビッグルームハウスになるか…と言われると違うと思う。

 JO1の持つ楽曲でファン人気を集めるのはやはりハウスなのでは?という疑問から始まったこの記事だが、これをきっかけに楽曲を聴く時の面白さが少しでも増えると書き甲斐があったな〜と思うので、読んでいただいた方は是非自分の好きな曲をもう一度見つめ直してみて欲しい。



ミトラ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?