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クリエータ紹介⑧瀧澤亮佑さん・中尾一心さん・谷中健介さん -ゲーム好きの三人が挑むARアプリケーションの新境地

このnoteでは、福岡未踏的人材発掘・育成コンソーシアム(通称・福岡未踏)のプロジェクト採択者について、プロジェクトの詳細や福岡未踏にかける思いをご紹介します。

今回は、瀧澤 亮佑さん、中尾 一心さん、谷中 健介さんの、住所情報を元に三次元的にピンを投影するARアプリケーション「Air-pin」の挑戦をお伝えします。

左)中尾一心さん、中央)瀧澤亮佑さん、右)谷中健介

プロフィール

  • プロジェクト名:住所情報を元に三次元的にピンを投影するARアプリケーション「Air-pin」

  • 支援プランと期間:Grow(23年10月~12月)

  • クリエータ:瀧澤亮佑さん(九州大学 工学部 電気情報工学科 4年生)、中尾一心さん(九州大学 工学部 電気情報工学科 4年生)、谷中健介さん(九州大学 工学部 電気情報工学科 4年生)

これまでの歩み、来歴

三人は、九州大学 工学部 電気情報工学科の4年生で、荒川研究室での共同研究を通じて、お互いの技術や視点を共有しながら、各々の道を切り開いてきました。彼らは、それぞれのバックグラウンドを活かし、互いに刺激を受けながら今回のプロジェクトに取り組んでいます。

瀧澤さんは、学部選択の際、AIやプログラミングの技術が今後の社会において重要なものであることを理由に、工学部を選択しました。彼は、特にこの一年、未踏福岡プロジェクトやアプリコンテストへの参加を通じて、学びを実践的な形で表現する機会を積極的に探求してきました。

中尾さんは、フェイクニュースの自動検出に関する研究に従事しています。彼のコンピュータへの興味は、小さい頃からのもので、特にPCゲームに夢中になっていました。高校2年生ごろ、化学部で行った水素水の研究などをきっかけに、プログラミングに触れるようになり、大学では本格的に技術を学び始めました。

谷中さんのものづくりへの情熱は、レゴブロックやプラモデルなどが好きだった幼少期からの特徴であり、これが彼の学問選択に大きな影響を与えました。また、Wi-Fi環境のない郊外での生活から、よりテクノロジーに満ちた世界への憧れが強まりました。これらが、彼が研究とアプリ開発に情熱を注ぐきっかけを作りました。

瀧澤さんと谷中さんがプログラミング歴1年ほどなのに対し、中尾さんは三人の中でもっともキャリアが長く、技術知識や経験も多いため、開発面でリードする役割を担っているそうです。

代表クリエータ瀧澤さん中間発表の様子

プロジェクトの概要

プログラミングに情熱を燃やす彼ら。実は、今回のプロジェクト「Air-pin」は、三人で取り組む3つめのプロダクト開発です。

「Air-pin」は、現実世界における位置情報を三次元的に捉え、ユーザーに新たなナビゲーション体験を提供するAR(拡張現実)アプリケーションです。このプロジェクトの核となるのは、住所や目的地をテキストで検索すると、その場所の高さ情報を含めたピンがAR環境上に投影される機能です。

伝統的な地図アプリケーションは二次元的な情報表示に留まりますが、「Air-pin」では、高さという要素を取り入れることで、建物や地形の立体的な理解を可能にします。これにより、ユーザーは実世界の位置情報を、まるで現地にいるかのように詳細に把握できるようになります。

例えば、都市の高層ビル群の中で特定の階を目指す場合、従来の2Dマップでは表現が難しい高度情報を「Air-pin」では直感的に理解できます。また、山岳地帯や複雑な地形を持つ地域においても、高低差を直感的に捉えることができるため、登山やハイキングなどのアウトドア活動においても有効となるかもしれません。

瀧澤さん、中尾さん、谷中さんの3名は、それぞれの専門知識とスキルを生かして、プロジェクトに取り組んでいます。彼らは、アプリのデザイン、プログラミング、発表スライドの制作といったさまざまな面で分担・協力しながら、このプロジェクトを進行していっています。

福岡未踏への応募理由

彼らはそれぞれ、AI、AR、プログラミングといった先進的な技術領域に強い興味を持っており、福岡未踏は、これらの技術を実践的な形で深める絶好の機会と考えました。 

また、プロジェクトによって提供される資金、リソースやネットワークを活用することで、より高度で質の高いプロダクト開発を目指せることも期待しています。

さらに、この「Air-pin」の開発を通じ技術や専門性を磨くことで就職活動に向けての実績・経験づくりになるという面も、彼らがこのプロジェクトに意義を感じている一因となっています。それ以外にも、未踏プロジェクトには多様なバックグラウンドを持つ参加者がいるため、互いに学び合い、新しい発想を得ることができ刺激的な環境となっていることも大きなモチベーションだったそうです。

福岡未踏で成し遂げたいこと

彼らは、福岡未踏で資金的な援助を受けられるからこそ、途中で投げ出さずにきちんと成果を出さねばならない、つまりプロダクトを作り切りたいと強く感じています。また、Unityを始めとプログラミング技術を短期で習得し、技術力を高めることや、チームとして協力し、共同で課題を解決する能力を高めることも望んでいます。
期間の終了までに、もっとも大きな課題である「高さ情報」を出していけるよう、彼らは技術的な課題に挑戦しています。

おわりに

福岡未踏への参加は、彼らのキャリアにおける重要な節目となると感じました。彼らはこの旅路のなかで、技術的なチャレンジを行うのみではなく個々の技能と熱意を交差させ、新しい創造性を発揮しています。今回のプロジェクトが終わった後も、彼らは自身の技術を磨き続け、新しい可能性に挑戦しつづけるのだろうとワクワクしました。

左)中尾さん、中央)担当PM田中聡至氏、右
)瀧澤さん

福岡未踏とは

福岡未踏的人材発掘・育成コンソーシアム(通称、福岡未踏)とは、福岡県在住の若手クリエータを発掘・育成し、クリエータの「何かを作るための第一歩」を支援し、また、IPA未踏と同等の支援に加え、複数のIPA未踏経験者からなるPM・メンター陣にて、プレ人材向けの支援を行います。