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情報に振り回されると心の平穏が保てない

ここ1年くらい思っていることがある。日本にいる私の家族や友人が「自分で考える力」が衰えているなと。

何故そう思うかというと、彼らは自分で物事を考えないため、Yahoo!ニュースの記事に常に振り回されているということだ。Yahoo!ニュースで目にした記事を読んで、怒り、悲しむ。

自分の親や友人だけではない。Twitterでも、流れてきたツイートに対して怒り狂ったり悲しさを覚える人が一定多数いた。そして共感し、自分の気持ちを素直に述べていた。

また、流行っているものを常にキャッチする能力もえらい優れている。Yahoo!ニュースですぐに情報がアップされるというものあるし、Twitterですごいスピードで拡散されること、TwitterでのつぶやきがすぐにYahoo!ニュースで記事になるからだ。

とにかく、世の中の人はYahoo!ニュースとTwitterに随分と振り回されている。


私は少し前にSNSをすべて辞めた。TwitterやFacebookのアカウントは削除した。Instagramはアカウントを削除していないが一度も開けていない。

そうすると、流行っているものの情報がまず全く入ってこなくなった。しかも海外に住んでいるので、TwitterもYahoo!ニュースも見ていなければなんの情報も入ってこない。

そして、情報が入ってきていないおかげで自分でニュースを取りに行く作業が増えた。私の家のテレビは、オランダの放送局を契約していないので、テレビでニュースを見ることはできない。

わたしのニュースの取り方は以下のとおり。

[毎日チェック]   Dutch News(オランダのニュースの英語版)
[頻繁にチェック]   BBC News, EURO NEWS, NOS(オランダのNHKみたいなやつ)
[すごくたまにチェック]   Yahoo!ニュース, CNN, BBCラジオ

実はYahoo!ニュースも見ているが頻度を減らしている。昔は毎日チェックしていたが、最近のYahoo!ニュースは悪意のある記事が本当に多い。

「これ絶対国民を怒らせようとしてるだけやん」という煽り記事が多く、見ていて引く。そしてそれにわかりやすく引っ掛かり、怒り狂うコメント欄の人々、Twitterの人々。

私の家族や友人も同じだ。記事に共感しすぎて「ひどすぎる!」と怒り狂ったり、悲しんでいる。「いや、あんたがそんなに怒る必要や悲しむ必要ないやん」と私はいつも思っている。

怒りや悲しみが頻繁に起こっていては毎日の生活が楽しくないじゃん。だから私はニュースをコントロールしているのだ。わざとニュースを見ないような生活をしている。

オランダのニュースは一応この国に住んでいるので、情報が読みやすい英語版で毎日少しずつ取る。興味があればオランダ語のニュースサイトもチェックしたり、ヨーロッパの他の国の情報も取る。

私はニュースを読むのは随分早くなったが、聞くのは苦手なので勉強も兼ねてたまに英語のラジオ聞く、そのくらいだ。


私がいいたいのは、必要もないくだらないニュースに振り回されないようにしたほうが心の平穏が保てるよってことだ。

2年前に一時帰国したときに、日本にいる家族や友人が、眞子様の婚約者のことを週刊誌並みにボロクソ言って皆が怒り狂っていたのを思い出す。「この人たちは眞子様の親戚でもないのにどうしてここまで怒ることができるんだろう?」と不思議でしかたなかった。

たとえばイギリスのメーガン妃のように自分から情報を発信して、その言葉に怒りを覚えるイギリス国民の気持ちはまだわかるが、(それもどうかと思うほどイギリス人はあの時騒ぎすぎていたが)眞子様とその婚約者のことは、当人たちから何の発表もお言葉もないようではないか。

その記者たちの憶測やスキャンダルにしたてようとしている、悪く書いてやるという魂胆見え見えな記事にどうしてそこまで引っかかることができるのかとむしろ関心した次第である。


今回のパンデミックについても、Yahoo!ニュースに惑わされすぎているのではと思う。メディアは人を怒らせ、悲しませ、情報で人をコントロールしようとしているし、まさにそれができている。

私の母親はまさにその典型のため、連絡をするたびに時事ニュースについて怒ったり悲しんだりしているという報告を受けるので「もうYahoo!ニュースを見ないようがいいよ」と再三言ってきているが、全く止める兆しはない。それどころか、Yahoo!ニュースだけでなくニュース番組なども常に見ているので余計に悪化している。

テレビなんて見る必要のないものだ。見るのをやめたら「別にテレビなんていらんな」と思える。Netflixなどで自分の興味があるおもしろい番組を見るだけで十分になる。テレビがついてなければ音楽を聞くこともできるし。本は静かな場所で読んだほうが気が散らない。

でもこれを母親に伝えるたびに「あんたは英語が読めるから海外のニュースを取ることができるけど、わたしは英語が読めないんだから、そんなことはできない」と言われる。

いや、待って、今の時代、ChormeでGoogle翻訳が一瞬でされるぞ。確かに自然な日本語ではないが内容くらいわかる。結局翻訳をしてまで海外のニュースをみようとはしないのが大半なんだろう。

このパンデミックのおかげで日本の鎖国がますます悪化していて、外の情報が入りにくくなっている気がする。そしてさらに怒りやすくなった。家にいる時間が多くなり情報を取りすぎるようになったようだ。

しかもニュースの内容もひどいフェイクだろうなとか煽り記事だなとかわかるものだがそれを疑いもせずに信じ込む人が多くなったのではないかと思う。「これ本当なの?」と疑ってみないのだろうか。特にパンデミックでは他の国では補償がいいとかいうニュースが流れていたが、住んでいる側からすると「補償なんて全然ないし・・・」って思うし、調べてみてもそんな事実はなかったりする。なのにニュースだけを信じて、「ヨーロッパはいいよね」と言われると何がいいんだか、という気持ちになる。



私はTwitterをやめてしまったので、情報が全然入ってこなくなったが、noteを見始めたのでなんとなく情報をとることができていると思う。流行っているものだとnoteのトップページにおすすめとして出てくるし。

人とのつながりについては、なくなってしまって正直寂しいっていうのはある。Twitterでよく交流していた友人に何も言わずアカウントを消してしまったから。でも、別にアカウントを消したってまた登録したければできるわけだし、仲がいい人のアカウント名くらい覚えているからまた繋がることはできるのだ。永遠の別れではない。

FBとinstagramをやめたことで、ロンドン留学時代の友人たちほとんどの連絡先を失った。あとは学生時代の友人も。それは悲しいんだけど、そこまで頻繁に連絡をとる必要もないし、どこかで元気にやっていてくれたらそれでいいのかなって。だってその中でも本当に中のいい友達はLINEやWhatsappの連絡先を知っているから。たくさんの人とつながっている必要はない。



私という人間も、実は日本に住んでいる親や友人と同じような周りに影響されやすい人間だと思う。しかし、今は海外に住み、意図的に情報を取らないようにして、心の平穏を保ち、心身ともに暮らせているのだ。

世界や自分の国で起こっているニュースを常に取らなくても生きていける。自分の生活や自分自身のほうが大事だから。影響があるニュースだけ取って、あとの時間は好きなことに時間を費やし、好きなものを食べて生きていったほうがよほど幸せなんだと私は思うのだ。

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