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大村知事の施策①-税金を新たに使わず芸術家に1億円の支援施策 まず作家30人6000万円分を購入

 大村知事が、コロナウィルス対策として、今年度から3年間で一億円で若手作家の現代美術作品を購入することが問題視されているようです。

 施策の内容を調べてみました。 

1億円の特別枠を設け若手作家の現代美術作品を購入

 「美術品等取得基金」に、愛知県美術館の通常購入枠とは別に、3年間で1億円の特別枠を設け、若手作家の現代美術作品を購入する施策です。

 この1億円の使途について、「なぜ芸術家だけに税金を使うのか」「芸術家だけではなく、他業者も苦しんでいるのに」と批判の声があるようです。

「美術品等取得基金」とは

 この1億円の出どころは、「美術品等取得基金」と言って、愛知県美術館と愛知県陶磁美術館の収蔵品の購入にしか使えない金銭からの支出です。

 「美術品等取得基金」は、愛知県美術館建築時に設立された基金。昭和63年の基金設立時と平成3年に県税を投入した以外は運用益と寄附で成り立っています。(愛知県に確認)

施策には新たな県税の投入がない 

 従って、今年大村知事が発表した支援施策は、新たに県税を投入することなく寄付金のストックを活用し、コロナで活躍の場を失っている若手作家も支援できる魅力的な施策です。

「美術品等取得基金」はどこで調べられるか

 愛知県ホームページ内、県民文化局文化部文化芸術課の事業内容に、「美術品等取得基金」の概要の記載があります。

美術品1

「基金積立金」は2020年5月31日時点で123億6,944万7,834円となっています。

 この「基金積立金」の詳細は、「愛知県歳入歳出決算及び美術品等取得基金運用状況の審査意見書」で調べることができます。

令和元年度分の審査意見書p125によると、令和元年度分の基金総額現在高と上記の「基金積立金」が同額です。

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現金の増加分20,438,907円のうち、寄付金は20,015,000円、運用益は423,907円とされています。確かに令和元年度は県税の投入はないようです

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 また、こちらのページでは、「美術品等取得基金」の詳細を平成23年度分まで遡れます。少なくとも平成23年以降、県税が投入されていないことは、誰でも調べることができます。参考までに、大村氏が愛知県知事に就任したのは平成23年ですね。

 それ以外の年は、県に確認すると教えてもらえます。私は、美術品等取得基金の設立から現在までの基金の動きを調べました。そして、昭和63年の基金設立時と平成3年に県税を投入した以外は運用益と寄附で成り立っていることが分かっています。

 また、「美術品等取得基金」には、過去にはトヨタ自動車が20億円を寄付するなど、相当額の寄付がありますね。

令和2年度の作品購入分は6,000万円

この施策を利用し、2020年8月31日に、作品が購入されました。

 令和2年度は一億円枠のうち30人分6,000万円を作品購入に充てるようです。

 このとき購入した作品のリストが発表されていますね。

 芸術に詳しい方の論によると、なかなかの作品だそうです。

 購入にあたっては、「収集委員会」の意見を取り入れて決めたようです。専門家の意見を取り入れる仕組みが存在し、その方々のセレクトなんですね。

大村知事支持の声

 全国から大村知事の支持の声が上がっています。

まとめ

 このように、「美術品等取得基金」という、基金の設立時には県税の投入がありましたが、今は寄付金と運用益で成り立っている基金を活用した施策だったことが分かりました。

 「芸術家に1億円!」「今年は6,000万円!」と、表面だけをみて騒いだり批評している人がいるようですが、これは余剰金の活用ということで、素晴らしい施策だと思います。

 作品の購入により、若手作家の活性化に役立つだけでなく、作品を見に愛知県への来訪者が増えるなど、愛知を盛り上げるのに一役買ってくれるといいですね。