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テキサス・チェーンソー・ビギニング

賛否が両極端なテキサス・チェーンソー・ビギニング。
否定的な方は本家と比較している方が多いような気がします。「悪魔のいけにえ」は別格過ぎてあの作品との比較は後継作品でなくとも厳しいのではと思います。
「悪魔のいけにえ」は良くも悪くもあまりにも異常で、一切の賛辞も批判も許さないエナジーに満ち溢れた作品だったと思います。

今作についてはフルメタルジャケットのハートマン軍曹が演ずる保安官がホラー史上屈指のクソ野朗過ぎて主役のトーマス(若き日のレザーフェイス)は単なる腰巾着扱いにしか見えません。
トーマスが何故レザーフェイスになったのか、といった成り行きは本作品にとって最も重要なファクターかと思いますが、映画が終わる頃には完全にないがしろです(笑)
ハートマン軍曹以上に鬼気迫るアーメイ氏の熱演が本当に素晴らしい。この人の存在感はやはり圧倒的です。

お前がどんくさいからヤラれちまうんだろとイライラさせる主要男性キャラや、こいつ間違いなくもうすぐ殺されるなと思ってたら程なくきちんと殺されるモブキャラといったスプラッター必須の要素も堅実に押さえられてます。
なんだかんだでメインキャラのせめて一人は生き残るパターンが多い中で全員惨殺で終了という結末も逆に新鮮かなと思いました。

映像や演出、グロ描写などあらゆる要素のクオリティ全てが充分及第点で、良質のモダンスプラッターとして安心して観れます。
サスペンス劇場に鶴見辰吾が出ていたら必ず鶴見辰吾が犯人だとわかった上で観れるあの安心感に匹敵する安心感です。
スプラッター好きで未見の方は是非。
テキサス・チェーンキラー・ビギニングという紛らわしい作品もありますのでお間違え無き様。

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