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山上被告は加害者であると同時に「被害者」という「ストローマン」論法

先日、竹田恒泰先生と鈴木エイトさんのケンカが一時話題になりました。
そのなかで、鈴木エイトさんは、自身への批判を「ストローマン論法」として、竹田恒泰先生を批判しています。

1,統一教会への魔女狩りは、むしろ「ストローマン論法」で成り立っている。


さて、「ストローマン論法」とは、相手の出してきた話の要素の一部を切り取ることで、本質から話を逸らす詭弁の手法です。
 
ここで思い出していただきたいのは、昨年、7月8日の事件直後の流れです。
なぜか被害者である安倍元総理と、その友好団体である統一教会への「魔女狩り」とも言えるバッシングが、展開されました。
その根拠となった情報、そして現在の解散請求にいたる世論形成のすべての前提となっているのが、
〈山上被告は加害者であると同時に「被害者」でもある〉
という見方です。
 

では、なぜテロを引き起こした山上被告が「被害者」なのか?それは、以下のようなロジックで成り立っています。

1,まず山上被告の〈母親が統一教会に献金したせいで、彼の家庭が崩壊した〉

2,そして、そのような〈統一教会を放置してきたのは、安倍元総理だ〉

3,だから〈事件の原因は、そもそも安倍元総理と統一教会〉にある。

あらためて考えてみると、冗談のように思えるロジックです。
ですが、今現在、統一教会への解散請求を支持する世論の根幹は、冗談抜きに、以上のようなロジックによって支えられているのです。
それは、なにより「「山上徹也」とは何者だったのか」(講談社+a新書)の著者であり、多くのマスメディアの賞を受賞した「ジャーナリスト」の鈴木エイト氏がマスメディアで活躍していることが物語っています。

ですが、これこそまさにストローマン論法の典型事例です。

重要な点は、統一教会は、母親が現役信者であるにもかかわらず「5000万」(2005年~2014年までの分割払)を山上家に返金しているという事実です。
これは、素直に見れば2005年頃には統一教会が健全化していた、ということを示しています。
 
もちろん、2009年には統一教会関係者が刑事事件を起こしており、「コンプライアンス宣言」を出すに至ったことは事実です。それまでは反社会的側面があった、と見る向きがあるのもやむを得ないでしょう。

ですが、統一教会はそれ以前から、むしろ信者の家族への返金に応じるような体制になっていたことをむしろ山上被告が証明しているのです。
 

さて、先日、筆者のYouTubeチャンネルでその話をした際(https://youtu.be/QjBds6vtLv0?si=lCJynAdtbS5cBH-y)多くの賛同のコメントをいただきました。

その中に、多くの方に検討していただきたいコメントを見かけましたので、紹介させていただきたいと思います。

なお、以下はそのコメント(報道された内容と、それに対するコメント主さんの分析)を、本ノートの筆者なりに整理した内容です。
また、あくまでも情報の責任は本ノートの筆者にありますので、ご意見などあればコメント・ご指摘などいただけるとありがたいです。


2,報道に見える「被害者」としての山上被告への疑問点


(1)返金された「5000万円」


①  統一教会は山上家に5000万円を返金した。
(*2005年~2014年:10年間、月平均40万円、母親・子ども3人=4人での分割であれば毎月10万円)。

② 返金の際に取り分を決めていなかったのはなぜか?
(*交渉には山上被告・弁護士資格を有する山上伯父が関与)

③  山上被告は自衛隊在籍時に自殺未遂ありと報道、その時期に(山上被告自身の)生命保険の受取人を母親から兄妹に変更している。にもかかわらず取り分を決めていない点から見ても、やはり不自然。

④  片目を失明したと言われる(山上被告の)兄の自殺は2015年。兄の取り分がその後どうなったかは不明。


(2)Twitter(現X)アカウント名から見えること


①  山上被告のアカウントは「@silenthill333」。
「サイレントヒル」は歴代プレステなどでシリーズ化されているゲーム、「教団」と呼ばれる宗教組織・関係者が黒幕として描かれる。

② どちらかと言えばニッチなホラーゲームのタイトル。そうしたゲームタイトルを選んだ背景として、山上被告自身がシリーズをプレイした経験があるのではないか?
あるいは、宗教への執着をアピールするために「教団」を黒幕として描くゲームタイトルを選んだ可能性は考えられないか?


(3)山上家は本当に生活が苦しかったのか?山上被告の「自殺未遂」報道の不審点


①山上被告が本当に困窮しており、実家に仕送りをしていたのあれば、なぜ自衛官を続けなかったのか?

② 任期終了後、最大のメリットである「自衛隊新卒」を使った就活などの報道が見えない。
これらの状況から、むしろ【自衛隊内でのトラブル】か【自衛隊新卒による就職】の失敗が自殺未遂に結びついたと考えるのが自然ではないか?


③「保険金を兄妹に渡すための自殺未遂」報道は、海自が本人から聞き取った情報がベースになっている。

④ 任期制自衛官への応募は、山上被告の親戚が募集を紹介、母が自己破産する時期とほぼ一致。
経済的に山上家が厳しい時期に当たる。

⑤ ストレートに大学に進学していれば就活内定が出ているであろう歳頃での自衛官応募。

⑥ 臨時的な募集である秋入隊であるため、入隊の動機は、比較的弱かったのではないか。
 


(4)矛盾の多い伯父(山上東一郎氏)の証言


伯父の山上東一郎氏は、明らかに安倍元総理に批判的な立場。いわゆる「アベガー」(*すでに削除されたTwitterアカウントの魚拓などからうかがえる)。

② 伯父は和歌山大学卒業の弁護士資格持ち、元弁護士。

③  伯父の発言には矛盾が見られる。

・矛盾している例〈1〉
山上被告は経済事情で大学進学を断念した」(東洋経済

→実際には、4歳下の妹こそが2002年に母親が自己破産した直後、より経済的に厳しい時期に大学受験シーズンを迎えてしまっている。にもかかわらず、妹は大学に入っている。
なお、伯父が妹の大学入学金を払ったとされる。

→親族の話では、山上被告が大学に進学しなかったのは、「志望校ではない奈良産業大学しか合格できなかったから」と言う。(文春報道・有料記事

・矛盾している例〈2〉
山上被告は、高卒で消防士になるために公務員向け予備校に行った」(東洋経済

→ならば進学の資金はあったはず。学力も加味すれば、大学の選択肢はいくらでもあったのではないか?

・矛盾している 例〈3〉
消防士試験は視力検査で不合格」(東洋経済

→視力検査で不合格なのであればなぜ、より視力に厳しいとされる任期制自衛官の検査は合格できたのか?



(5)統一教会(元教会長・小野氏(仮名))と山上被告との関わり


報道では、母親の献金がフォーカス、悪魔化されるばかりで、教会や教会関係者との触れ合いなどが意図的に無視されている印象。

②例えば教会長(小野氏・仮名)が山上被告の進路相談にのり、資格の取得などをすすめている。(文春報道・有料記事

③また、自殺未遂騒動では、母親の代わりに教会長が、広島県まで行って山上被告の住居引き払いを手伝っている。(文春報道・有料記事

④とくに教会長(小野氏)は、文春の記事から、ときに山上被告の父親代わりのような存在であったことがうかがえる。


(6)安倍元総理事件直後の不自然な供述


①供述内容は警察官が記者にリークするであろうことは、山上被告も予想できたのではないか。

②右派色の政治団体を持つ教団は左派メディアに叩かれやすいと予想できるはず。

朝日新聞がいち早く「元海上自衛官の41歳の男」と報じたが、「元海上自衛官」は山上の供述にもとづくリークと見るのが自然ではないか。
「元海自」の情報がどこから出たのかを示した報道が見つからない。

④なぜ「現在は無職で15年間バイトや派遣社員をやったり辞めたりしています」と供述しなかったのか?
あるいは、なぜ肩書きとして「無職」・「自称派遣社員の……」などと報道されなかったのか?
なぜ、わざわざ遠い15年以上前の職歴なのか?


(7)山上被告の視力とメガネ


①山上被告は、安倍元総理事件発生時、メガネ姿であったにもかかわらず、押し倒された状態でメガネを外す動作をしたのはなぜか?

視力に問題があるのであれば、警察署、拘置所の往復でメガネの着脱はなぜか?
 送検時など警察署から出ていく時は顔撮られるから裸眼の方が良いだろうと思ってわざとやっているのか?

③署内でメガネ着用禁止はないと思われる。捕まったことが無いので分からないが、手錠&腰縄でメガネの着脱に意図はあるのか?
(*筆者は拘置所の往復時のメガネのあつかいについては確認できませんでした。)

④山上のメガネ姿がメディア上で最後に目撃されたのは、精神鑑定の鑑定留置でいた大阪拘置所から書類送検のために奈良に移送されてきて、奈良西署に入り車から降りてくる時の横顔映像。

⑤奈良西署から出てくる時に、またメガネなしの髪ボサボサの風貌をどう見るべきか?

【「メガネ」がない産経新聞の写真】


(8)Twitter(現X)と学歴など


①本人の Twitterは本人アカウントだと広まって数日で凍結されたが、内容は今でもコピーされて確認できる。
(*山上被告のTwitterは、大手マスメディアや最近ではNHKなど、現在でも山上被告の動機や背景の根拠としてあつかわれている。)
 
②Twitterでは親の学歴(父が京大卒で母が大阪市立大卒)を披露しているのに、自分の大学に言及がない。
事件発生時、宗教のせいで同志社の理工を中退したとのデマ情報が拡散も、高卒が確定情報。
 
③山上被告は「同志社中退」というデマが掲示板から広がり、西村博之(ひろゆき)氏がTwitterで大拡散したことで、いまだにそうだと思い込んでいる人も多い。

④この情報を裏取り取材して「違う」と記事化したのは東スポのみ。

同志社大学も在籍を否定しているが、それをプレスリリースした形跡はない。

同志社大学は、例えばアメフト部の不祥事についてはプレスリリースを出している。
大学の名誉に関わることからも、山上被告が実際には在籍していなかった件についてもプレスリリースを出すべきではないのか?


*以上
(本ノートは、2023年10月26日~、情報の修正・補足・追加が行われています。)


上記コメント内で指摘された、見落とされている重要な報道・インフルエンサーのツイート


【山上被告:出生から事件まで、大手新聞紙の年表】


【山上被告と統一教会関係者(小野氏)との関係・文春有料記事】


【「同志社大学・中退」説の拡散とひろゆき氏の当時のツイート】




 








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