エフェクチュエーションでことはじめ
はじめに
こんにちは。ヨシミツダです。
2020年はCOVID-19の影響で、家にいる時間が増えて、これからの自分のことを見つめ直した方も多かったのではないでしょうか。そこで今回は、2021年の抱負やことはじめに役立つエフェクチュエーションについて紹介します。
エフェクチュエーションとは
エフェクチュエーションとは、連続して成功している起業家たちに共通する意思決定プロセスや思考を体系化した理論です。
このエフェクチュエーションの理論は、どのように役にたつのかというと次のように環境の不確実性が高い場合でも、コントロール可能なことに集中することで新しい行動を可能にするところです。
・自分自身のゴールが明確ではない
・失敗が怖くて行動を起こせない
・チャレンジできる環境が伴っていない
・今の私には大したことはできない
そんな想いで次の一歩が踏みだせない人が、行動をおこしたいときにおすすめです。
エフェクチュエーションの5つの原理
エフェクチュエーションには5つの構成原理があります。
1.「手中の鳥」(Bird in Hand)の原則
2.「許容可能な損失」(Affordable Loss)の原則
3.「クレイジーキルト」(Crazy-Quilt)の原則
4.「レモネード」(Lemonade)の原則
5.「飛行機のパイロット」(Pilot-in-the-plane)の原則
それぞれ説明しますね。
1.「手中の鳥」(Bird in Hand)の原則
従来の目的主導のアプローチではなく、目的が見えてなくても資源(手持ちの手段)に基づいて新しいものを生み出すことができます。エフェクチュエーションの根本で大事な部分だと思います。
目的から始めないメリットとして以下があります。
・今すぐに始められる
・セレンティビティ(偶然の出会い)の可能性を高められる
・より創造的になれる
すなわち
私はだれか(Who I am): アイデンティティ、能力、特徴
何を知っているか(What I Know):教育、経験、専門性
誰を知っているか(Who I Know):社会的ネットワーク
を出発的にして、行動方針を創出します。
手持ちの手段(自分の資源)を考えるときのポイントとしては
・「何を知っているか」には、一見仕事とは無関係なものを含むこと
・「誰を知っているか」には、直接接触可能な人々以外も含むこと
・あなたの身の回りに「余剰資源(スラック)」がないかを考えること
ここでいう余剰資源(スラック)というのは、例えば持っていることさえ気づいていない使ってない語学力などの能力、絵を描く能力や、人間関係などのイメージです。
これらの余剰資源を使って自分が何ができるか考えることです。
2.「許容可能な損失」(Affordable Loss)の原則
何かを始めるときに失敗が怖くて行動を起こせないことがあると思いますが、うまくいくかどうかを心配する代わりに、仮に失敗しても問題ないくらいにリスクを最小化して取り組むというアプローチです。
あらかじめて許容可能な損失はどれくらいかを事前に考えておいて、その範囲の損失であれば許容すると決めて行動するので、新しいことを始めるハードルが低くなるようというようなメリットがあります。
3.「クレイジーキルト」(Crazy-Quilt)の原則
優れた新規事業になるかどうかは、行動を起こすまではわからないのでまずは手持ちの手段=当たり前の現実に基づいて着手して、個人的に価値を見出すプロジェクトを一歩一歩実行します。外部との相互作業により、あたりしいものを継続的に追加して、新しいステークホルダーとともに新たな手段、新たな目的を獲得してプロジェクトを再形成していきます。このサイクルを繰り返すことで、手段と目標の両方を変換する結果、始めには想像もしなかった新しい可能性に至るという考え方です。
4.「レモネード」(Lemonade)の原則
チャレンジできる環境が伴っていないときでも、偶然を組み込みながら環境を活用するという考え方です。
予期せぬ出会い、予期せぬ出来事、予期せぬ情報を状況に対するコントロールの損失と考えず、新たな方向性を与え、手持ちの資源を拡張してコントロールする機会としてとらえます。
偶然は予測もデザインもできませんが、活用することはできるという考え方です。
5.「飛行機のパイロット」(Pilot-in-the-plane)の原則
予測によって未来の不確実性を減らそうとするのではなく、あえて未来は予測せずに、手持ちの資源・パートナーシップ・行動によって自らが環境を構成する要素を創り出すことで可能な範囲のみコントロールするアプローチをとります。(非予測的コントロール(non predictive control)
以上のような原理があります。
エフェクチュエーションについて
詳しく知りたい方は、以下の本を参考にしてください。
あなた自身の手持ちの手段を変換する
アイデアとは、既存ものの「変換」であると考えることができます。
アイデア(Idea)=何か(Something)+自分(You)
アイデアは、あなたの手持ちの手段を変換することから始まります。
あなた自身+何か=アイデアの創出
あなた自身+何か+行動=アイデアを機会に変える
→アイデアは、それに進んで参画してくれる誰か(顧客・パートナー)を獲得する行動によって、はじめて事業機会となる。
あなた自身+何か+行動+コミットメント=実行可能な新規事業
→事業を共創してくれる人々からコミットメントを得ることで、新たな事業が生まれる。
事業というと大げさですが、何かをはじめるときにまずは
1.手持ちの手段を棚卸して考えて
2.手持ちの手段を変換することでアイデアに変える
3.アイデアができたら行動してみる
という形で新しい事始めにトライしてみてはいかがでしょうか。
従来の目的や計画を決めて行動するやり方では得ることができなかった結果を得られるかもしれません。
新年の活動の一助になれば幸いです。
(本記事の内容については立命館大学経営学部吉田満梨先生の講演を参考にさせていただきました。)
ではまた。
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