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ちょっと怖い話 「闇夜の交通誘導員」

最初に勤務していた会社の同僚だったKちゃんとは、週末の夜はご飯を食べたりドライブしたりと、当時は本当に仲良しでした。これは、ドライブ中に遭遇したちょっとゾクッとした話です。

海沿いの町ヘ

一時期、金曜日の退社後はKちゃんとドライブするのがお決まりになっていました。会社の上司やお局さまの話、恋愛の話などをしながら、気ままにドライブする私たち。ファミレスなどでご飯を食べ、毎回帰宅は深夜でした。

そんなある日。夕ご飯を食べた後
「海まで行ってみようか?」
という話になり、海まで足を延ばすことに。

といってもまだ寒い時期で、海に到着しても誰もいません。降りるのも寒いので、停車した車の中で、しばらく海を眺めながらおしゃべりしました。
いつの間にか、時間は深夜12時を過ぎています。そして、行きのルートと違う道を帰ることにしたのですが、信号もまばらな田舎町で、車すら通っていない闇夜の寂しい道でした。

闇夜に浮かぶ誘導灯

走行中、見えるものといえば、まばらに建つ民家だけ。どの家も電気は消えていて、灯りといえばところどころにある街灯くらいです。
そんな中を走っていると、前方にぽつんと赤い灯りが見えてきました。どうも、道路工事をしているようです。

誘導員が誘導棒を振っていました。私たちは誘導棒に従い、車を停めることなくそのまま通過。その間もおしゃべりは続けていたわけですが・・・。

通過してほどなく、どちらともなく妙なことに気づきました。
「こんな時間に、こんな道で、誘導員て必要なの?」
「誘導員以外、誰もいなかったよね?あの人、怖くないの?」
「ていうか、人いたっけ?」

そして、バックミラーで確認すると、誘導灯も誘導員らしき人も、どこにも見えませんでした。



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