見出し画像

出産体験記2-無痛にするか否か-

先日、無事第二子を出産致しました。
本当に出産は……毎回違うのだなぁと実感しました。
というわけで、今回からは2人目の出産体験記を書いていきたいと思います。


38週1日。
妊婦健診を受けた。
経過は順調…どころか、すでに子宮口が3センチ開いているとのことであった。

「今日このまま入院して薬を使えばもう産まれるけど、どうします?」

正産期に入っているので、一応入院の荷物は持ってきてある。

「いえ……陣痛くるの待ちます……」

私は日和った。
この日は金曜だ。夫は土日休みなので、週末に陣痛が来てくれればいいかな、と考えたのもある。

だが98%は痛いのが怖い、だ。
そう、前回出産時に次は無痛だと決めていたのにもかかわらず、私は普通分娩にすることにしたのだ。

この病院は県内で唯一無痛分娩を取り扱っている。
だがちょっと費用がお高めなのだ。
出産一時金の42万円では収まらない。

上の子の時は17万円ほどオーバーした。
経過も順調で特に追加費用がかかるようなことはほとんどなかったにもかかわらず、である。

無痛分娩にすると追加費用は10万円ほどかかる。
正直、10万は大きい。
一度は病院に無痛(麻酔)分娩の希望を伝えたのだが、ギリギリまで悩んでいた。
夫は私に任せる、というスタンスで賛成も反対もしなかったが、正直10万は高いと思っている…気配は感じた。(麻酔によるリスクも心配はしていたが)

10万という金額はとても微妙だ。
5万なら迷わず無痛にできる。
20万なら潔く諦める。
だが10万…払えなくはない。

医師に聞いてみることにした。
この病院は主治医制ではないので、妊婦健診の際の医師はランダムである。
だが今回は男性医師Aと女性医師Bの2人のどちらかだった。(前回はほぼ毎回違う人だった)

男性医師Aは「前回の出産で何か問題あったの?ないなら麻酔しなくてもいいじゃない」と言い、

今回の妊婦健診で一番多く見てもらった女性医師Bは「会陰切開の痛みもとれるし、麻酔分娩いいと思いますよ」と言った。

この男性医師Aは内診がめちゃくちゃ痛い。前回出産後の会陰部の抜糸(トラウマ)をしたのがこの男性医師Aである。とにかく遠慮がない。経膣エコーを入れる時もガッという感じで苦手だった。対して女性医師Bはいつも声掛けをしながら丁寧にやってくれるので痛みも少ない。

何となく、これは性差なのかなと感じた。

男性からすれば、日本ではほとんどの妊婦が麻酔なしで産むのだし余計なリスクと手間(とお金)を取らなくてもいいだろうと思っているだろう。
内診にしても必要な検査であるというそれ以上でも以下でもない。

しかし女性からすれば、取れる痛みなら取りたい。内診はとてもデリケートな部位で、痛みだけでなく羞恥心もあれば恐怖心もある。取れる方法があるならそうした方がいい。

性差というか当事者意識なのかもしれない。

私の友人に麻酔分娩をした子が2人いるが、どちらも期待したほど麻酔の恩恵に与れなかったという経験談を聞いたことも躊躇する要因の一つだった。
麻酔分娩と言っても、ほとんど痛みをなくす無痛分娩と、あくまで緩和に止める和痛分娩がある。これは医師や病院の考え方や体制などによっても異なるらしい。


何故だ。
何故日本は出産の際の痛みを軽減したいという希望を叶えることにこれほど消極的なのか。

誰だって痛いのは嫌だろう。
誰が好き好んで声も上げられないくらいの痛みをわざわざ体験したいと思うのか。落ち着いて考えなくたってわかるだろう。
誰だって頭痛がすれば頭痛薬を飲むし、鼻水が出れば鼻炎薬を飲むじゃないか。

戦時中の野戦病院じゃないんだぞここは。
全く合理的じゃない。

出産の痛みを味わってこそ母性がとか言う奴がいるが、個人的には痛みなんぞ全く関係ないと言える。
控えめに言って勝手にオギャってろ、である。

二度妊娠出産を経験したが、やはり出産前はとてもナーバスになる。

早く子どもに会いたい。
だけど生まれたら生まれたで大変だろう。
早く辛い臨月妊婦から解放されたい。
でもめちゃくちゃ痛いのはやっぱり怖い。

色んな思いが駆け巡る。
最悪の事態になる可能性もなくはない…という不安も頭をよぎる。(妊娠中ドラマのコウノドリと透明なゆりかごめっちゃ見た)

しかし大抵の場合、夫を含めて周囲は生まれてくる子への期待感が大きく、妊婦の不安を共有できない。

実際に共有できるのは、同じ妊婦(もしくは出産したばかりの母親)くらいのものだ。
今回は大学時代の友人がほぼ出産予定日が同じだったので、彼女とひたすら「どっちが先にくるかな…怖い…」「お腹重すぎ…早よ出したい…でも出したら出したでまた眠れない…」と愚痴を言い合った。


話が飛んでしまったが、結局無痛(麻酔)分娩にはしなかったのだ。

まぁ医師の話では「どうしても無理そうだったら、途中からでも麻酔は使える」とのことだったが、その場合は麻酔科医ではなく産科医が麻酔を行うので、いささかの不安感は拭えない。

しかし自分ではどうしても「麻酔はしません」と決めることはできなかった。
そこで判断を神さまに委ねることにした。

……スクラッチを買ったのだ。
ちょうどその時にやっていたのはドラゴンボールスクラッチだった。

オタク寄りの人種である私にはピッタリだ。
因みに私はツンデレ王子ことベジータ推しである。

200円でもいいから当たったら、麻酔分娩にしよう。
10万当たったら万々歳だ。

妊娠中特に臨月はくじ運がいいとも聞く。
いっちょやってみっか!(アイデンティティ田島で脳内再生)

ということで人生初のスクラッチを1000円分、五枚購入した。
結果は見事はずれだった。

そして私は二度目の普通分娩をすることにした。

#出産レポ #無痛分娩 #スクラッチ #出産 #妊娠 #第二子

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?