3種の節税アプローチ その2「税率を下げる」

「ちょいとご隠居さん、税率を下げて節税するってえのはビールの代わりに発泡酒を飲むことですかい?」

「なんだ八五郎。お前は何でも酒の話に結びつけるんだな。確かに今は発泡酒のほうが350mlあたりの酒税が数十円低くてそのぶん安く買えるから、毎日飲んだくれてる酒税高額納税者のハチ公には最大の節税方法かも知れねえな!」

さて、前回の

の記事で紹介した「所得(課税所得)を減らす」のとは別の節税アプローチとして「税率を下げる」がある。

よくあるパターンは、自営業をしている人が商売が軌道に乗ってドンドン収入が上がっていった場合。最初は様々な経費を計上して「所得を減らす」アプローチに専念するが、経費の計上が限界に達するとあとは所得が増えるだけになって税率もどんどん上がっていく。収入から全ての経費や控除額を引いた課税所得が900万円を超えると税率43%(所得税33%+住民税10%)の世界に突入して、その先の上積みの半分近くが徴税されることに負担感や空しさを感じる人も多くなる。

そこで出てくるのが、所得が入るハコをもう1つ用意して「税率を下げる」という定番の技だ。あっ、もう1つの所得が入るハコってえのは「法人」のことね。課税所得が1600万円まで膨らんじまった自営業者が個人会社を設立して、法人の所得(利益)800万円・個人の所得800万円に分けるとする。そうすると最大43%(課税所得900万円を超える部分)だった税率があら不思議、法人は最大23%強、個人は最大33%まで下がってしまうのだ。これだけで、個人と法人の2つのハコに毎年残るお金の合計額は前よりも多くなる。これが所得を分散することで「税率を下げて」節税するシンプルな仕組みってえわけだ。

「税率を下げる」ことで節税するアプローチは所得税以外にも(酒税以外にもw)いろいろあるんだけど、ややこしくなるから今日はこのくらいにしときまひょ。




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