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「ある」

普遍人間学を読む会 第2回目のレポートです。

今回は、これからの学び、教育とはどのようなものであるかという問いから始まりました。

15世紀以前は、お手本が目の前にあった時代、古くからの叡智が家族や村や国に当たり前のように伝えられ、教育されてきた時代でしたが、15世紀以降はこの叡智が見えなくなってきたと言います。

では、どのようにして今の時代にふさわしい教育をしていったら良いのか、ここでは、親や教育をする大人たちが、

「みずからを立てるすべを知っていること」

「みずからに定かな向きをあたえること」

と言っています。

それは、「みずからに強く意識を通わせること」だと言います。

これだけでは、まだなかなかわかりにくいですね。

いったいどんな意識を通わせるのでしょう。


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人間、誰しも生きていたら、未来への不安を感じることを経験しない人はいません。健康への不安、老後への不安、その最大の不安は「死ぬこと」への不安や恐れです。

しかし、未来への不安はエゴイズムを生みます。

エゴイズムを克服するためには、自分が生まれてきたことを思う、生まれる前のことを考える、そこにはただ「私」が形は変わろうとも「ある」ということへの信頼、そして感謝があることに気づきます。

精神の世に「ある」私から、フィジカルな世に「ある」私へ。

またフィジカルな世に「ある」私から、精神の世に「ある」私へ。

巡るいのち。

とてもとても壮大な人間の神秘を、感じざるを得ません。


この地に生まれ来る命が、ただ「心」に親の遺伝的な「フィジカルな体」をまとって、1度きりの人生を生きるために生まれてきたのではないのだ、と。

何度もなんども、姿形を変えながら 私は「ある」のです。

人間は、誰もが今ここに生きる目的をもって、「ある」のです。


その子一人ひとりが、何のために生まれてきたかを、何を幸せと感じここにやってきたのかを問いながら、親も教師も導いていく視点がこれからの教育で大切にしていきたいことなのです。

親の思う幸せが、その子の本当の幸せとは限りません。
教師が望む幸せが、その子が望む幸せとは限りません。

子どもの未来への不安が先立つものであれば、特にそうです。


今の社会が豊かになるためには、子どもたちの心が本当の幸せをつかめるように、人間の「ある」を信頼し、寄り添い導くことだと思いました。

そのためには、まず、私たち大人自身が、

「みずからを立てるすべを知っていること」

が必要なのです。

私たち大人自身が「ある」ことを意識することから始めなければならないのです。
私たちが「ある」ことへの信頼と感謝から、道は開かれます。

そして、「みずからを立てるすべ」を練習し獲得していくのです。

私が私を導いていくことができる。そうやって人は成り変わっていくのだと思います。

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この普遍人間学を学ぶ会in和歌山 では、じっくりとお互いの感じたこと腑に落ちたことなどをシェアしながら、読み進めていきます。
その中で、ひとしずくでも、自分の人生の体験にアントロポゾフィ(人間学)の雫が落ち、自分の深みで響きあう時間をもっていけたらと願っています。



次回は、

日時:2019年11月11日(月)10:00〜12:30

場所:和歌山県岩出市 上岩出コミュニティセンター

講師:諏訪耕志(「ことばの家 諏訪」主宰)

参加費:3600円(月謝制)

体験:4000円

※本は、精巧堂出版からの 鈴木一博訳『普遍人間学』 を使います。お買い求めの上、ご持参ください。
https://www.seikodo-store.com/show1.php?show=b0031

お申し込み、お問い合わせは

mitteno20@gmail.com または、

mitteの庭 ホームページ https://peraichi.com/landing_pages/view/mitteno20
お申し込みフォームまで。



読んでいただき、ありがとうございました。

文:momo


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