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今この瞬間の物語

「古事記の傳へ」の練習日。

今年のことばの泉は、日本の神話に取り組んでいます。

台本をいただき、配役を決めて練習してきて思うのは、意外にも初めて読んだときは訳のわからない日本の大和ことばが、声に出して読むうちになぜかしっくりとくる感覚。

生活のふとした瞬間に、とある台詞のフレーズがまるで音楽のように浮かんでくる。

面白い体験です。

今、私たちがこの「古事記の傳へ」になぜ取り組むのか、参加者皆それぞれ考えながら、練習しています。

先生が この「古事記の傳へ」という物語は、遠い昔の話ではなく、「今、この瞬間の物語だ」ということを言われました。

私たちが、イザナギやイザナミ、スサノヲ、アマテラスを演じるとき、その瞬間まさに私たちの中に、それが起こっており、見ている方々の中にもそれが起こっている。

天岩戸開きも私たち一人一人のアマテラスが、闇の世界から蘇る。その瞬間をその場にいる人たちが自らの内側から感じられる。

そういう芸術体験を言語造形をとおして巻き起こしていくのだということを感じました。

イザナギとイザナミの生と死の対峙、スサノオの暴力的な行為、そして太陽そのものであるアマテラスのお隠れ、そして岩戸が開かれる。

すべてに今生きる私たちに訴えてくるものがあります。

私たちはそれをこの体一つで全身全霊で言語造形します。


中学2年生のメンバーが、シェアリングで言っていたことばが印象的でした。

「キリスト生誕劇のときは、まっ白いイメージだったけど、今回の古事記の傳へをやってみて感じたのは、赤とか黄色とか青とか色鮮やかなそんなイメージだった。」

日本の神様はとにかく喜怒哀楽があり愛らしい。私たちの国はどんなものの命にも神様が宿っている、すべての森羅万象に感謝して生きてきた民族なのだなあと改めて思う。

西欧のキリスト。日本の八百万の神。そんな違いもやってみてわかります。


私たち日本人が日本とは、どういう場所なのか。和歌山がどんな人たちによって育まれ安心して暮らせる土地になってきたのか。

自尊心や自分に自信がないという人が増える中で、自分自身に誇りを持つことの大切さを、私たちはこの古き日本の物語を、古き日本のことばで演じることによって伝えていけたらと思います。


何より、言語造形、楽しいです!!

「芸術こそが生命を蘇らせるのです!」と諏訪先生。

「忙しくて参加できるか迷ったけど、やりたいからやることに決めました!」と中二メンバー。

集まった彩り豊かな仲間たちとともに、これからも練習頑張りたいと思います。


興味のある方は、いつでもご参加ください。見学、体験も随時行っています。

次回の練習は

5月11日(土)13:00〜15:30 

岩出市桜台地区公民館和室にて。

お問い合わせは、  kotobanoizumi.engeki@gmail.com まで。



文:momo






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