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電車の中で受けた親切を返したい

0歳児の子どもを連れて電車に乗る機会が、少しずつ増えてきた。周りの乗客に親切にしていただく経験も、少しずつ増えてきた。

席を譲っていただいたり、ベビーカーの乗降の補助をしていただいたり。また、ムスメが車内で泣いてしまい困っていると、「何かお手伝いできることはないですか?」と声をかけてくださった方々に降りるまで助けていただいたこともあった。

電車の中で不快な思いをしたという記事などを目にすることもあるが、私自身は今のところ未経験だ。

見知らぬ方から受ける親切は、心からうれしい。
同時に、毎回、受けた親切に対するお返しをしたくて堪らない気持ちになる。

しかし、適切なカタチが見つからない。飴玉のひとつでも差し上げたいところだが、相手にとって、赤の他人からもらう飴玉は不気味この上ない可能性が高い。

結局、最大限に気持ちを込めてお礼を伝えるほかに、私にできることはなかった。


先日、電車に乗り込み、優先席付近に歩を進めると、男性が席を譲ってくださった。

お礼を言って座ろうとしたところ、空いた席の上に、無造作に丸まった乗車券が落ちていた。男性に問うたが、彼のものではないらしい。乗車券の日付は過去のものだったし、これはもうゴミだろうと判断して自分のポケットに入れた。

これだ、と瞬間的に思った。

親切をしてくれた相手に対して、直接お返しをすることは難しいのなら。
私にできる親切を、別のカタチですればいいのではないか。

例え、「車内にあったゴミを捨てる」という、些細なことだとしても。

親切の連鎖がつながれば、結果として、どこかで相手へのお返しになることがあるかもしれない。塵も積もれば山となるのだから。


この日。
行きの電車で席を譲っていただいたので、ゴミをひとつ拾ってゴミ箱へ捨てた。

帰りの電車でも、席を譲っていただいた。
拾いやすいゴミは見つけられなかったので、家路の途中に寄ったコンビニで、10円玉を募金箱へ入れてみた。


今後の生活の中で、心がけてみようと思う。

カタチはまだまだ模索中だけど。

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